市道常盤駅線

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現地踏査日:2013/8/27
記事公開日:2014/2/13
市道常盤駅線という名前からすれば、何処へ向かう道かはすぐ分かる。常盤駅はそれほど大きな駅ではないものの相応に知られている。何よりも常盤という語は宇部を代表するキーワードだ。
しかし常盤駅へ向かう入口の道は県道宇部空港線のやや分かりづらい場所にある。更に本路線の起点はその場所ではなくもっと手前の離れた場所に存在している。

これが起点の写真なのだが…これだけでは殆ど何処かも分からないだろう。


撮影地点は以下にポイントした場所になる。


この地図を提示すれば、常盤駅に向かう道は一本しかないので経路はかなり明白である。起点付近は道が入り組んでなかなか複雑だ。
まず、南北に伸びるメインの道は市道丸山黒岩小串線である。この場所へ向かうなら以下の派生記事リンクから移動できる。
派生記事: 市道丸山黒岩小串線【2】
本路線の真反対側には常盤ふれあいセンターがあり、すぐ横を本土手の方へ抜ける道がある。本路線の続きのように思えるが車は通れない。それから亀浦交差点をショートカットするような南西へ下る道があり、これは地元管理の道である。
重要な遺構があるので何処かで記事化するかも知れない

起点から亀浦交差点を向いて撮影。
大沢西自治会による「自動車の通り抜けはご遠慮下さい」のやんわりとした告知板が出ている。


本路線の起点とは言っても目立たない場所で道路幅も狭い。また、本線へ出入りするミラーは設置されておらず元から往来が少ない感じだ。ちなみに通り抜けご遠慮下さいの立て札はあるものの認定市道であり公安による通行規制も出ていないので、外部からの車の往来はドライバーの判断に任せられる。ただし後ですぐ分かるように、車の通り抜け目的でこの区間を利用するメリットは殆どない。

起点よりスタートするとすぐに緩やかな下り坂になる。


幅は狭くもし対向車が来たら何処か場所を見つけて徐行しなければ離合できない程度だ。
もっともこれも後述するような理由から、反対側から来る車があるとしたら沿線の住民のみだ。


下り坂が一服した頃に国道が見えてくる。


国道の取り付け部分。反対側から入ってくる車があればバックしなければ離合できない。
一方通行指定ではないので対向車の可能性はある。しかし実際には沿線住民の車くらいのものだろう。


国道から左折して入ってくる車は、通り抜け目的なら何もこんな狭い道を通らなくても手前の亀浦交差点で左折している筈だ。市街地へ向かう車線からの右折進入も通り抜け目的ではまず有り得ない。国道が4車線仕様なので、反対車線の車をやり過ごすのは危険だし時間がかかる。そんな経路を通る位なら、右折矢印信号がついていて安全に曲がれる亀浦交差点を通るものである。
唯一ありそうな用途と言えば、床波方面へ向かうとき夕刻時に混み合う亀浦交差点をショートカットする経路だ。物理的にも近いし、起点に設置された通り抜けご遠慮願うの立て札もそういった通り抜けが多いからだろう。
しかし陸橋が見えているということはこの国道合流地点から交差点が近い。国道の信号が青なら車がビュンビュン流れているので安全に出られないし、赤の場合はよほどタイミングが良くなければ既に信号待ちの車列がこの場所にかかっているだろう。一番手前の車線は左折専用なので、床波方面へ行くなら跨ぎ越して次の車線へ移動する必要がある。夕刻の混み合う中スンナリと車列へ入れてくれる寛容なドライバーは少ない。
交差点の少し手前に接続されるショートカット路すべてに言えることでもある

ドライバーは学習済みなのか、実際ここへ来るまでの間どの方向からの車にも出会わなかった。
一旦停止標識が出ているのでここから出る車も一応はある筈だが、先のような理由からショートカット目的に通ろうとする外部の車は居そうにない。
一気に国道右折レーンまで出て空港方面へ向かう車はあるかも知れない


さて、目的地へ向かうという実務上の往来はこのように決定づけられるものの、本路線をトレースするという些か奇特な目的遂行についてはどうだろうか。
その答は現状を眺めるだけで即座に得られる。
物理的に相互の往来不可能。


陸橋の目立つ大きな変形十字路は大沢西交差点である。国道190号を東へ向いて走る車がここで県道宇部空港線へ右折するためのレーンは設置されているが、本路線向けに中央分離帯を空けるには至っていない。
まあ当然だろう。元から通行車両の少ない本路線を経由し、続けて利用者の少ない常盤駅まで向かうなんて車は考えられない。中央に設置された縁石は確かに邪魔だが、何もなければ変なところでUターンする車が現れるなどしてむしろ危険だ。

元から4車線仕様同士の国道と県道が交差し、しかも右左折専用レーンがあるので大沢西交差点は極めて広い。これほど幅のある道に横断歩道を設置しては信号1サイクルで渡るのも一苦労になるせいか、陸橋と地下道が併設されている。自転車も含めてこんな場所を国道・県道含めて直接横切るなど言語道断[2]で、どちらかを利用することになる。もっとも本路線の経路上はこのまま真っ直ぐ国道と県道を横切っているのだが…

自転車なので地下道を経由して本路線の続きへ向かった。地下道は市道区間ではないので、参考情報として派生記事に書き出しておいた。
すべての地下道経路を撮影しているわけではありませんので…
派生記事: 大沢地下道
一気にワープし、地下道を出てきた先から先ほどの国道の合流点を撮影している。
更にズーム撮影した画像はこちら


管理上の市道常盤駅線の経路としては、国道合流点から常盤駅の入口までが実線で記載されていた。しかしこの区間は国道および県道に「上書き」されている状態なので、通行実態や市の管理としてはこの場所で分断されていることになる。

さて、常盤駅の行き先だが…
県道の上を渡る陸橋側面に表示が出ていた。
これと次の写真だけは2014/2/12の撮影である…分かりやすい写真に差し替えた


陸橋の昇降口が歩道上にあり、駅出入口となる本路線の続きはそのすぐ背後にある。大沢西交差点を通過し、常盤駅への矢印付き標識を眺めて「この先だな…」でスピードを落とすようでは全然間に合わない。
常盤駅に行く積もりがうっかり見落として県道をUターンする羽目になったドライバーも多いのでは…

県道宇部空港線のラインを見ると、当初は4車線あったものが駅出入口付近をゼブラでペイントし、車線を絞っているのが分かる。
4車線のままだと大沢交差点を過ぎて走行車線へ移る車は県道へ出ようとする車の鼻を掠めることになる。それでは常盤駅側から出てくる車が危険だからだ。


ここからは常盤駅を利用したことのある人にとっては馴染みの道になるかも知れない。
起点からの道よりは幅が広くなっている。


坂を下っている途中から海が見え始める。
空模様がイマイチだが天気の良い日は海が大変に美しい


道は二又に分岐し、左へ若干上がる方は常盤駅に向かう。駅を過ぎると本路線は宇部線のガードをくぐるため幅が狭くなる。


駅を派生記事に述べるのは初めてである。一つの試みとして取り組んでいる。
個人的な所感なども含めて記録に遺すためである
派生記事: 常盤駅
本路線は宇部線の下をくぐれる程度に坂を下る。
この場所で幅がかなり狭くなるので、コンクリートで固められた法面にドライバー向けの注意書きが出ている。


架道橋および前後の写真は派生記事へ移した。
小字の現存実態調査の過程で名前のある架道橋や踏切を撮影している
派生記事: 大浴架道橋
架道橋を過ぎると民家もやや少なくなる。
本路線は最後の下り坂で海に向かう。


車で進攻できるのもここまでだ。
本路線の末端部分に介護関連の施設がある。そして左側になお狭い道が見えている。


常盤海岸の護岸が見えている。ポストにはチェーンが張られており車で外へ出ることはできない。


当初、このポストの手前が終点と思っていた。実際には護岸のすぐ手前まで認定市道の一部のようである。
したがって終点付近に車両通行不能区間を持つことにはなる…^^;

ステンレスポストの間をするりと自転車で抜ける。護岸が高いのでここからでは海は見えない。
これにて終点到着だ。


終点から振り返って撮影。
背中を見せていた立て札は、くるまえびの採取を禁止する警告板だった。


常盤ふれあいセンター前から始まり、途中で大沢西交差点を横切る場所で国道と県道に路線の一部を吸収され、常盤駅前を通って最後は岸壁へ至る市道だった。

既に見たように実際には国道と県道を横断する部分は直接的に行き来することはできない。それぞれ国土交通省と県の管理なので、経路としては一本に繋がっているものの実際の管理は国道へ出てくる部分から常盤駅へ向かう県道取り付け部分までは存在しない形になっている。しかし国道や県道が拡幅される以前はもしかすると直接本路線を往来できたかも知れない。

この他、本路線の整理番号227は当サイトで「準主要市道」という枠組みで分類している200番台最後の市道である。200番台の区分も他の市道と同様、北から順に番号を割り当てている。200番台には厚南区の市道もあるので、本路線は地区道から出発して認定市道に昇格するなど、指定が他の路線より後だったと思われる。

さて…
市道走破だけじゃあ物足りないだろう。何しろせっかく海辺までやって来たのだ。
海を眺めて帰ろうぜ♪
野ウサギは山のモノなので、海には馴染まない。海を写したり物件として扱った記事が今のところ殆どない。どのような構成にするか何処のカテゴリに分類するかなどの問題は一応あるが…
相応な記事が完成次第リンクおよび更新履歴で案内します

【路線データ】

名称市道常盤駅線
路線番号227
起点市道丸山黒岩小串線・分岐点
終点セルプときわ付近護岸接続部
延長約600m
通行制限けた下制限高2.6M
備考国道および県道部の直接往来は不可能。

延長など各データの正確性は保証できません。参考資料とお考えください
出典および編集追記:

1. 実際には大沢西交差点なのだが、しばしば大沢交差点と呼ばれる。一般にも「大沢の交差点で…」のように語られることに注意を要する。

2. 横断禁止の標識が設置されている。

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