市道楢原線

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現地撮影日:2010/4/4
記事編集日:2012/12/28
走破を企てているのは、宇部高専の裏手にあたる市道常盤公園開片倉線上に起点を持つマイナーな経路、市道楢原(ならはら)線である。

メインのこの道を通ったことのある方なら、見覚えがある場所かも知れない。
この押しボタン式信号のある先の右側が市道楢原線の起点になる。


このT字路は下の地図でポイントされた位置になる。


この押しボタン式信号は既に新タイプ(LED型)になっていて、信号機の設置自体が比較的最近のこと(ここ2〜3年の間)である。写真には入っていないがT字路の反対側は高専と工学部の通路になっていて、学生たちが歩く姿がよく見られる。

さて、降って湧いたようにいきなり市内のそれほど著名とも思えない市道に着目し走破を企てるとは何か理由があるのだろうか…
確かに何かあった。初回この市道を走ろうと思ったのも結局はある謎解きを行うためだった。まあ、それほど驚くべきネタでもないのだろうが…

あらかじめ市の道路河川管理課で仕入れた情報によれば、市道楢原線はいわゆるピストン市道に準ずる形態で、完全な行き止まりではないものの終点は他のどの認定市道にも接続されていない。路線名の「楢原」は、この路線の起点付近にある小字に由来している。
終点付近の小字は南遠山になる

市道楢原線の起点を撮影。
メインとなる市道常盤公園開片倉線はこの接続部で軽くカーブしていて見通しが悪い。このT字路から車でメインの道に出るのはかなり危険そうな感じがする。


起点をスタートしてすぐ左脇にこんな看板が立っていた。上の写真では電話線の電柱が立っている横になる。
「常盤風致地区」


どうやらこの辺りから先が区域内になるようだ。
市の公園緑地課が窓口になっているが、管理自体は県が行っている。看板自体は一部が色褪せて古そうだが恐らく今もそのまま有効なのだろう。

起点をスタートして近隣に住まう宇部市民ならきっとご存じのミニミニ情報…
正面のアパートの場所に、元の宇部常盤台郵便局があった。


現在同名の郵便局は市道常盤公園開片倉線の変則交差点付近にまで移転している。
詳細は以下に書いた。
派生記事: 旧・宇部常盤台郵便局
地元在住でもない私がこのような情報を手にしているのは、数こそ多くないもののこの方面を訪れたことが何度かあるからだ。学生時代にはこの市道も何度か途中まで通っている。

さて、楢原線はすぐにでも常盤池に向かいたがっているようで、自然と下り坂になっている。これから向かう経路の一部が既にここから見えている。道路幅は普通車同士がそれほど減速せずに離合できる程度で、センターラインは場所によってあったりなかったりだ。


一旦左へ曲がり、更に常盤池の入江を巻くように右へ曲がっている。


何でもないように見えて実はこの付近は個人的に大変想い出深い場所であった。書いたところで自分にしか分からないのだがメモの積もりで書いてみた。
派生記事: 想い出深い場所
カーブの内側に白い建て屋があり、その隙間から既に常盤池が見えていた。


初回走破時には調べなかったが、この白い建屋は排水ポンプ場で、市下水道課の管理設備である。再度この市道を走ったとき追加の写真を撮影してきた。
派生記事: 常盤湖第一ポンプ場
このカーブを過ぎると常盤池の一つの入り江が近くに見えてくる。
常盤池に昔からある7つの入り江の一つ、楢原の入江である。


この市道の走破を企てたキッカケは、これから先お話しすることになる「謎のモノの姿をカメラに捕らえること」にあった。ところがここへ来て予想外にもう一つ調べてみたい物件を見つけてしまった。
それは正に上の写真の中に写っている…本来の気になるモノはもう少し先から見える筈だが、ここで一旦自転車を留め置いて寄り道してきた。
派生記事: 常盤池・楢原鋭角点
一通りの撮影を終えて、再び自転車の元に復帰した。

市道はここから先は楢原の入り江に沿って進む。周囲は適度に緑があり適当に民家が散らばっている場所で、見たところ長閑そうな風景だろう。
ところが現地を走った限りでは意外に交通量が多いのに閉口した。真横で2台の車が同時にすれ違うほどの頻繁さはないものの、何か面白い被写体がないか求めて路上をフラフラ〜ッと走るような真似はとてもできない。

市道レポートと並行して入り江の方に目を遣る。そして「ここなら例の物件が撮影できるかも知れない」と睨んでいたポイントに差し掛かった。
右側に車が停まっている空き地の先だ…しかしこれだけでは何のことかサッパリ分からないだろう。


前方にある車の近くで自転車を停め、再び常盤池が眺められる場所まで歩いて偵察した。
やはり、そこには「何か」があった。
派生記事: 常盤池・水没建築ブロック
鮮明ではないが、航空映像で偶然見つけたそれが「確かに実態を持つ何か」であると裏付ける写真の撮影ができた。もっとも距離が遠く、正体の解明には程遠かった。

なお、更に水位が低いときには上記の物件より更に手前の半島の先にコンクリート塊が観察される。[2010/11/23]


この物件に関しては以下の派生記事に詳しい。
派生記事: 常盤池・水没コンクリート構造物
正体解明のためには、何処から手をつければ良いものだろう…
次の策略を練りながらも当面は今走っている市道の終点に向かった。
時期柄、至る所で満開のサクラを観ることができた。


それにしても通行車両が多い。
入口までの市道常盤公園開片倉線は幹線市道だから分かるとして、楢原線はピストン市道…この先にあるものは主要企業のアパートや寮くらいのものなんだけど、それだけでこんな車が通るものだろうかと思うくらいだった。


興味の対象は専ら常盤池の畔、つまり進行方向の右側にある。しかし一般論として自転車は左側通行…気になるものを見つけるたびに道路の左右を行ったり来たりになる。
一見長閑なローカル市道なのに、しょっちゅう前から後ろから車の往来があるので、反対側へ移るたびに一旦停止させられたり…如何にもテンポが悪い。写真を撮るにも連続して車が往来するんで、その都度カメラを構えて待つようになった。なんかストレス溜まる道だなぁ…(ぶつぶつ)
天気が良いし花見の時期だったのでたまたま車の往来が多かっただけかも

うねうねと曲がった楢原線は、宇部興産(株)常盤寮の門の前で大きく左へ曲がっているように見える。
しかし終点の到来は、時として極めて唐突だ。


宇部興産(株)の常盤寮正門。この手前が楢原線の終点となっている。
道路もトラフィックペイントも続いていながら、カーブの途中で終点を迎えるというわけだ。

常盤寮の入口。当然ながら部外者立入禁止になっていた。
この先は私有地で何の用事もない自転車隊は近づいてカメラを向けるのも自重しておいた。


ついでながら、終点からカーブを曲がった先はこうなっていた。
幅員がやや狭まり、地元管理とされる道が真っ直ぐ伸びていた。その先にもアパート群が建ち並んでいた。


市道楢原線の経路図をトレースしてみた。


冒頭の地図で調べると、カーブの先にある細い道を通って再び市道常盤公園開片倉線に戻って来れる経路が存在する。順当に経路を設定するなら常盤寮の前で左に曲がり、V字を描くように市道常盤公園開片倉線に戻るまでを認定市道としそうなものだ。市道の終点がどうしてこの中途半端に思える場所に設定されたのかは謎である。

とりたてて特徴のない市道だったが、これにて走破完了。
常盤寮の入口を背にして終点を撮影。
水位が低ければ終点付近左側の沢から降りて水没コンクリート塊に接近できる


初回走破時の自転車隊も来た経路を引き返さず、そのまま道なりに進んだ。地図で確認はしていなかったが多分メインの道まで戻れるだろうという感触はあったので…

付け足しだが最後に本路線名に登場した楢原について派生記事に書いたのでリンクで案内しておく。
関連記事: 楢原について
【路線データ】

名称市道楢原線
路線番号498
起点市道常盤公園開片倉線・押しボタン式信号
終点宇部興産(株)常盤寮入口
延長約600m
通行制限特になし。
備考

延長など各データの正確性は保証できません。参考資料とお考えください
出典および編集追記:

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