市道藤曲門前線・横話【2】

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《 宇部興産窒素線鉄塔・No.81 》
現地踏査日:2010/2/21
記事公開日:2013/11/20
かつてこの場所には窒素工場向けの宇部興産特高線が通っていた。
ほぼ同じ場所で撮った現在の写真はこのリンクを参照


このような感じで、坂を登っている途中で民家の脇に独特な形の小さな鉄塔が見えていた。


鉄塔の位置図を示す。


鉄塔は民家の畑の中に建っていたので、これ以上接近して撮影できなかった。


鉄塔を建てる用地は私有地にも及ぶ。恐らく借地料を地主に支払っているので、鉄塔自体は宇部興産(株)の所有であるが、誰でもそこへ接近して良いわけではない。

鉄塔の支柱部に赤い札が見えている。札に鉄塔番号が記載されているのだが、撮影はできていない。しかし隣接する了善河内墓地にある鉄塔番号からこの鉄塔はNo.81であることが判明している。
特高線は2013年7月に中国電力への売電転換によって不要になり、この記事を書く現時点では終末部の一部鉄塔を除いてほぼ全部撤去されている。No.81も既に鉄塔は存在しない。基礎部は判っていないが、恐らく跡形なく撤去されているものと思われる。

厚東川発電所側 厚東川発電所側に移動 窒素工場側に移動 窒素工場側
No.80No.82


《 昔のごみ箱? 》
本路線の大きな右カーブのところで古めかしいコンクリート構造物を見つけた。


真偽の程は別として、ぱっと一目見たときから私にはこれが昔のごみ箱に重ね合わされたのである。


全体が立方体をしていて、上部と側面が空いている。特に前面は板を差し込む溝のようなものが造られているのが分かるだろう。
このようなものを確かに見かけた記憶がある。かつて恩田に住んでいたとき、近接する長沢鉄工所社宅に同様のものが備わっていた。

使い方は多分側面に板を差し込み上からごみを投入するのだろう。上部には蓋がついていたと思う。一杯になったら側面の板を外してまとめて取り出した。こういうものが社宅各戸の軒下に置かれていたような気がする。

もっともごみ箱ではなく別の用途に使っていた構造物かも知れない。


ただ一つ言えるのは、同種の構造物は絶滅種という点だ。私もこの現物に出会わなかったら、かつてコンクリート製のごみ箱らしきものが存在していたことすら思い出せなかった。
あるいはごみ箱ではなく別の名前を持っているものかも知れない。

《 藤山八十八ヶ所 ・第76番 》
本路線の最後の民家入り口、舗装路が未舗装路に変わる手前に藤山八十八ヶ所の第76番が存在する。


民家の庭先に建てられている。弘法大師の格納された祠は見るからに新しく、更新設置されたようだ。


弘法大師像の台座に第七十六番と右書きされている。
「六」の文字が欠けていて不鮮明だが漢字体からして六だろう


藤山八十八ヶ所が四国の本場お遍路さんを手本に造られたのは疑いない。
祠に納められているのは弘法大師と薬師如来で、双方備わっている場合と片方だけの場合がある。祠のスタイルも屋根のデザインや素材などで少しずつ違っている。

現在では個別に管理されているものの、八十八ヶ所すべてを廻ろうとする参拝者は皆無である。お遍路信仰を迷信だとか時代遅れと片付けることは容易だが、祠のある場所は紛れもなく昔は人の流れが有り得た道筋と言える。平成時代の今、昔の道がどのようであったかを探る一つの題材としてテーマ踏査として設定し、そのすべてを探ろうとするのも面白い試みではないだろうか。

《 桃山流量計・その1 》
本路線の押し上げ管斜路を過ぎて舗装路が始まったところに最初の流量計が存在する。


アスファルト舗装路を避けて端にコンクリート小屋があり、そこに鋳鉄蓋が見えているので、管が小屋の下を通っていることが分かる。


鋳鉄蓋には流量計とだけ記されていた。
中山浄水場から押し上げている上水を計測するためのものだろう。


小屋には窓とアルミドアが付属しているだけで、何の設備であるかを示すものはいっさいない。


流量計の小屋を過ぎた先では、やや市道寄りに同じく鋳鉄蓋が存在する。


鋳鉄蓋は舗装路面の上に設置されている。
一条ではなく二条以上埋設されているのかも知れない。


以上の記事は、将来的に上水カテゴリを作成したときには移動される予定である。

《 郷土愛の立て札 》
上記の流量計室を過ぎた先に私設と思われる興味深い立て札がある。
写真は振り返って撮影している。


木の板を白ペンキで塗って文字は黒い太字で描いている。


書かれている文言はご覧の通りだ。


ペットの糞の始末をせずに散歩させるのを見かねてどなたかが立てたのだろう。

この立て札は私が初めて訪れた4年前から存在していた。これは4年前に撮影した映像である。
まだマジックの文字が濃いのが分かる。


私設の立て札の如き私的な設置物は基本的に物件とはならないのだが、なかなかに共感を呼ぶ立て札だったので例外的にここで写真と共にお伝えした次第だ。

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