市道崩金山線・横話【2】

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ここでは市道崩金山線の派生的な記事をまとめて収録する。
《 藤山八十八ヶ所・第74番 》
現地踏査日:2013/11/23
記事公開日:2013/12/19
本路線の終点側近く、下り坂が始まるあたりの山手に第74番の祠がある。


位置を示す。


この道は地元管理か私道だろう。
更に高台へ向かう道が続いていた。


祠は建築ブロック造りで見た目も新しい。後年建て替えられたものだろう。


弘法大師像の台座部分には七十四番が明瞭に読み取れた。


線香が備わっており活けてある花も新しい。
ここはしっかり看ておられる方があるようだ。


屋根の正面部分には文様が遺っている。
この部分は当初からあったものを埋め込んだのだろうか。


建築ブロック2個分の祠としては標準サイズである。


市道よりもかなり高い位置にある。
昔、家があった近くに祠を設置したためだろう。
この祠を撮影している間に空き地へ車が停まった


発見の難易度はそれほどでもないが、市道を起点側から辿っていると見落とすかも知れない。
《 宇部興産窒素線鉄塔・No.80 》
現地踏査日:2009/12/13
記事公開日:2013/12/15
本路線の終点に近い集落の中にかつて窒素線のNo.80鉄塔が存在していた。


鉄塔の存在していた位置は概ねここである。


耐張型でNo.81側の碍子はダブルで配している。
四方に支持線が伸びている。


薄汚れた銘板はアラビア数字の文字が大きい標準タイプだ。


設置年月の表記もアラビア数字の標準タイプである。


終点側から見たところ。
支持線の一部は市道の反対側まで伸びている。このため大型車両は物理的に通行できない。


この記事を書く現時点では既に鉄塔は元より基礎部分も丁寧に除去されていて、現地ではかつて何処に建っていたのかを知るのも困難である。
最近行ったトレースでも鉄塔跡に気付かず通り過ぎてしまっている

厚東川発電所側 厚東川発電所側に移動 窒素工場側に移動 窒素工場側
No.79No.81


《 藤山八十八ヶ所・第73番 》
現地踏査日:2013/11/23
記事公開日:2013/12/19
本路線の終点に近い最後の下り坂の途中に藤山八十八箇所の第73番御堂がある。


73番御堂の位置を示す。


祠は全体がレンガ製で見るからに古そうだ。造られた当初のものだろう。


お大師様と釈迦如来に被せていた毛糸の帽子があるのみで、最近供えられたものは見当たらない。荒れ果てた様相ではないが今は看る人が居ないのかも知れない。


釈迦如来の台座はそのまま御堂の中に置かれていた。
石像の丈が高く天井につっかえるため台座の上に載せられなかったようだ。


屋根部分はセメントを塗りつけているようである。


御堂の入口部分には余ったレンガが並べられていた。
影を提供する大木が印象的である。


この市道を初めてトレースした4年前にも祠の存在には気付いていたらしく写真を撮っている。
ただし初回公開の記事では言及していなかった


初回の撮影時では御堂は基礎部分が傾いてしまっていた。現在は水平に据わっているので基礎部分だけ改修したらしい。

写真のように73番の御堂は下っていく本路線の途中から分岐している。御堂の背面は雑木に隠されているので、終点から辿った場合は周囲に注意していないと見逃してしまうかも知れない。
《 崩について 》
記事公開日:2014/1/1
崩(くずし)とは大字小串にある小字で、鎌田橋を渡って幽霊坂に向かう道の左側になる。同名の字は市内ではここ以外に存在しない。
崩の字を伴う地名は、読み方として「つえ」[1]「つい」「くえ」などがあるが、いずれも急斜面や崖の近くに与えられがちだ。露岩が少ない割には急斜面が多く崩れやすい地質に由来するように思われる。ただし、元の音「くずし」が先行して後から現在の漢字が当てられたのなら何か別の由来があるのかも知れない。昔から土砂崩れが目立ったなどの話は聞いていない。また、この小字は常に「崩」の漢字一文字で表記され「崩し」などと他の表記がなされた例を知らない。[2]

なお、認定市道としては本路線の市道崩金山線以外に現れるものはない。しかし実際にはこの市道の起点は崩ではなく大場山であり、終点も金山ではなく赤岸である。このような路線名と実際の区間に違いのある例は割と多く、後年の路線区間の分離や編入などによるものだろう。かつては鎌田橋を渡った先に起点があったのかも知れない。

護国神社は維新山に存在するのだが、明治維新との兼ね合いから崩招魂場と呼ばれていた時期がある。本参道の西側にある古い鳥居の横には崩招魂場と彫られた石碑が今も遺る。
「いしん山」という地名自体は明治維新より前の江戸期から既に存在していたことが知られている
出典および編集追記:

1. 小野の宇内付近には崩ヶ迫(つえがさこ)という地名がある。

2. 同地区付近の電柱に「崩山」ないしは「クズシヤマ」と表記されたプレートを確認している。

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