市道北小羽山9号線

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現地踏査日:2009/9/29
記事公開日:2012/2/9
思わず「そんなのアリ?」って言われそうな市道を見つけてしまいました。

市道と言えば、県道とか国道よりはちょっとランクが下で、適当に車が走っていて、程ほどの長さがある、市の管理する道路ってイメージがあります。他方、前編の市道図書館線のように、単一の目的地へ到達することを意図した路線もあります。

今回の路線は、図書館線と同様の「ある場所で行き止まりになる」道です。だけど自転車隊はもちろん、恐らく誰が見ても市道とは思えない…いや、むしろ道路であることすら認めたくないと感じられる道です。

路線名から分かるように、この市道は北小羽山に存在します。小羽山地区は市営住宅や県営住宅をはじめ、多くの住宅が入り組み碁盤目状に道路が整備されていてその殆どが市道認定されているので、重複を避けて「〜2号線」「〜3号線」…のような命名がされています。

さて、北小羽山9号線の起点ですが、ズバリここにあります。
小羽山方面に縁が薄い方は分かりづらいかも知れませんけど…


自転車隊がカメラを構えている現在位置は下の地図の中心点になります。


ここから坂を下っていく道は市道南小羽山線で、信号のあるT字路で左右に伸びているのは小羽山地区を縦貫する市道小羽山中央線です。この辺りは人や車がよく通る小羽山地区でも中核的な場所です。

さて、問題の市道北小羽山9号線は今いる市道南小羽山線から派生する形で伸びているのですが…

…と言うことは…

まさか…
これってことはないよね?


「そのまさかです…」

………。

ちょ、ちょっと待ってよー!

これ…誰がどう見たって道路じゃないよ。
スーパーの駐車場でしょ?
右側は駐車している車のお尻が出ているし、左側は既にスーパーの軒先ですよ?

そんなこと言ったって…
自転車隊…知ってしまったんですよ。ホントのことを…


だから予備知識として与えられた通り、終点に向かって突き進みます。

この周辺はスーパーとクリーニング店および周辺の契約店舗の共同駐車場になっていて、周辺をうろうろしている車の殆ど全部が駐車場の出入り目的です。
自転車隊も車も全然、市道を走っているって自覚がありません(苦笑)


振り返って撮影。
当然、さっき写した起点の入口が見えています。市道って言われてもセンターラインはない…そもそも駐車場と市道の境目すら分からない^^;


まあ百歩譲って市道であると認めるとして、一体何処へ向かっているのでしょうか?

目的地はここでした。

正面にポストコーンが植えられ、そこから先への車両進入を阻止しています。
正面にある建物は…


小羽山ふれあいセンター
ここが終点となっていました。

終点から振り返って撮影。
ここからでも起点の入口が充分に見通せます。精々100m程度…世間を大いに湧かせた陸上競技短距離のウサイン・ボルト氏なら10秒アンダーで走りきってしまう距離ですな…


蛇瀬池のレポートを書いたときもそうだったように、私は仕事柄よく小羽山地区を訪れます。そこで小羽山近辺にある市道は頭に入れておこうかなと思って道路河川管理課で地図を閲覧していて、偶然にこの区間が認定市道と知ったのです。

しかし…
何でまた、こんなスーパーの駐車場と境界もハッキリしないこの通路を認定市道としたものだろうか…

これまで道路河川管理課の地図を見てきた限りで言えば、学校や市民センターなど公共施設が他の市道から離れて存在するとき、目的地に到達するまでの経路を認定市道とするケースが結構あるようです。この路線もふれあいセンターへ向かう経路を市の管理とするために後から認定市道にしたのかも知れません。
それと言うのも路線の番号が異様に飛んでいるからです。廃道同然の市道北小羽山4号線が538番ですから、順当に行けばこの路線は543番になるはず…しかし実際には829番なので認定時期が違います。

ただ、小羽山ふれあいセンターまでの通路を確保と言っても、実際には駐車場みたいなこの場所を通らなくても市道小羽山中央線側に正面玄関があります。この市道を通って行き着くのは、ふれあいセンターの裏口側です。
ほぼ同じ時期に小羽山中央線から撮影した写真


現状を観る限り、どう思っても単一敷地に拡がる駐車場です。駐車場に区画ラインはありますが、経年変化で掠れているせいもあってどの車も邪魔にならないよう適当に停めている感じ。
車で出入りするどの買い物客に尋ねたってここ市道なんですよって言っても信じてもらえないのでは…

市道ってことになると、駐車場に沿って設置されたこの側溝も市道の付属物ってことになるんだろうか…


この市道の経路図を示します。
今回も超マイナーな市道なので、市道北小羽山4号線と同様、国土地理院の地図には現れません。そこで拡大地図に書き込んでいます。


いやはや、経路は地図で示すまでもなく単純です。

もう一つ思った他愛ないこと。

ここに限らず、駐車場でのお客同士の追突事故なんて珍しくないことです。騒動に巻き込まれるのを警戒して、大抵の駐車場には「衝突事故について弊店では責任を持ちません」などの掲示板があったりします。

だけど、もしこの出入口部分で駐車場に出入りする車の衝突事故があったら、公道上での事件ってことになるから厳密には「交通事故」扱いになるのかなあ…

穿った見方をすれば、駐車場契約店舗と客との無用なトラブルを避けるためにふれあいセンターまでの進入路を認定市道としたのかも…なんて思ったりします。
ともあれ、実際に現地を走ることによって見つかる発見が多い中、路線図を閲覧することによって初めて見えてくる事実もあったのでした。
【路線データ】

名称市道北小羽山9号線
路線番号829
起点市道南小羽山線・大和入口前
終点小羽山ふれあいセンター
延長約100m
通行制限特になし。
備考実質的にスーパー大和などの駐車場を兼ねている。

延長など各データの正確性は保証できません。参考資料とお考えください
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記述項目が少ないので関連する派生記事を掲載する。
《 大和小羽山店 》
記事公開日:2014/6/29
大和小羽山店は、北小羽山町2丁目に存在するスーパー大和の支店である。


ただし当時の店舗は市道小羽山中央線沿いにあった。その後店舗が手狭になったので、現在の位置に移動し旧店舗は大和のSM(スーパーマーケット)事業部になっていた。[1]

1階の一部をクリーニング店が入り、2階には美容院など数店舗が入っている。小羽山の斜面を切り崩し平坦地を造る形で店舗が建てられているので、市道南小羽山線に沿って歩けば地山の状態で2階部分に行ける。店舗の左横には階段も設置されているが、この階段は夜間など営業時間外には門扉が施錠される。

市道小羽山中央線の近隣センターバス停付近から撮影。
隣接するクリニックへの斜路を経由して駐車場まで歩いて行くことができる。
四輪での大和駐車場への乗り入れはできない


冒頭の写真でも分かるように駐車場は非常に広い。開店当初は相応な買い物客があったと思われるが、車が生活の足となった平成期からは小羽山地区を降りて市街部まで買い物へ行く居住者が多いらしく、最近では駐車場が埋まることが殆どない。しばしば待ち合わせや営業サボリの社用車が待機している。しかし移動の足に乏しい高齢者には貴重な買い物場所となっている。

小羽山店舗との個人的関わりはそれほどない。この方面で仕事に訪れたときたまにパンなどを買って帰る程度である。駐車場や道路から見える場所にお手洗いがあり、営業時間中は利用できるので重宝する。
出典および編集追記:

1. 小羽山市営住宅在住者による談話。なお、SM事業部は現在はなくなりその後リサイクルショップが入っていた。2014/6/29現在では空き店舗状態になっている。

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