市道小羽山中央線

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記事作成日:2016/5/6
最終編集日:2021/12/12
市道小羽山中央線は、県道琴芝際波線の小羽山入口バス停付近から小羽山ニュータウンを経て市道高嶺中山線(通称テクノロード)に接続される認定市道である。
写真は小羽山中央公園前の三差路。


現在の経路を地理院地図に重ね描きした画像を示す。は起点、矢印は終点を表している。
経路のGeoJSONデータは こちら


起点より終点までの経路は、うべ情報マップに示されている。[1]起点より数十メートル先に旧県道の経路を取り込んだ枝線部分が存在する。

全線センターラインを有する対面交通で、東小羽山町5丁目から終点までの200m程度に片側しか歩道がない部分を除いて上下線に幅広の自歩道が整備されている。
小羽山ニュータウン全体の中核的路線となっているだけではなく、市街部から白石を経由し善和や西岐波方面と連絡するルートとして利用価値が高いため、交通量はかなり多い。県道改良により延伸された起点からと市道南小羽山線を経由するために外れる区間を除いて全線バス路線となっている。
《 歴史 》
戦後の小羽山墓園の建設後は山野しかなかったエリアを広範囲に開拓造成して誕生した小羽山ニュータウンと相携えて生まれた昭和50年前後の道である。北側で接続されるテクノロードと同様、殆ど人が分け入ることのない山野を切り拓いて建設されている。

昭和49年度の地理院地図映像による小羽山地区の全体像である。


本路線の最大難所である蛇瀬橋はまだ橋脚部分しか見えないが、大方の線形は見えている。造成自体は既に東小羽山地区まで及んでいるが、北側のテクノロードはまだ線形がまったく見えていない。テクノロードの建設は本路線よりもかなり後のことであり、本路線も最初期は東小羽山の市営住宅および県営西山住宅前が終点であった。

この時期の映像で既に大方の道路線形や造成に伴う区画割りが定まっているため、造成以前の里道の殆どが喪われている。殊に東小羽山側は地形自体が大きく改変されていて当時の一部でも遺っている里道は造成エリアの端に限定される。
《 経路の概要 》
起点より蛇瀬池の堰堤付近に到達するまでは、小羽山の南中腹に沿って進む線形である。この部分は山地部分を切り崩して出た流用土をまこも池から蛇瀬川に注ぐ沢(河川名は不明)へ押し出した盛土上に造られている。この沢は個人の田畑と水路のみが存在し、里道は元から存在しなかったか完全に喪われている。平成期に入って小串台との境界にあった沢地も埋め立てられ、新興住宅地といか土公園になっている。

小羽山ニュータウンより低い場所から登ってくる道は、中心部に至る一つ手前にある市道真締川南小羽山線のみである。真締川西通りと小羽山を連絡する道であり交通量が多いので、十字路の信号機は双方の交通量を考慮しない固定サイクルタイム方式である。

この十字路を過ぎて後述する小羽山の中心部分に至るまでに直線路ながら若干アップダウンがある。これは南小羽山の造成時に削った土砂を沢地側へ押し出した部分である。元々の地勢を拡張する形で土砂を押し広げたため、小さな沢を横切る部分で若干の下りが生じている。


再び緩い登りをこなした先に小羽山の中心部分となる三差路がある。冒頭に掲げた写真は北小羽山側であり、この周辺に小羽山ふれあいセンターや派出所、大和小羽山店、金融機関が集まっている。ここに市道南小羽山線が接続する。この三差路の交通制御に問題点がある。(→改善を要する箇所

中心部から進んで小羽山郵便局の手前辺りが蛇瀬川の刻む谷地の端である。ここまでが南・北小羽山町で蛇瀬橋を渡った先は東小羽山町となる。蛇瀬橋の北小羽山側は橋の長さを切り詰めるために盛土している。蛇瀬橋は施工当時としては市単独で架けたもっとも高い橋脚を持つ橋かも知れない。橋は蛇瀬池の本土手より若干下流側を跨いでいる。蛇瀬池の余水吐下に架かる石橋も蛇瀬橋と呼ばれているようで、この橋を経由する道は小羽山ニュータウン以前は西山の北側を経由して山を越えて末信に至る里道だった。この里道は蛇瀬橋の東小羽山側橋台付近で盛土により消失している。

東小羽山入りした直後、左カーブを伴う猛烈な上り坂となる。東地区の方が標高が高いためであり、造成をもってしても解消できなかったようで現在でもバスを始めとする交通のネックとなっている。殊に東小羽山地区から蛇瀬橋に下ってくる殆どの車が制限速度である40km/h をはるかに超えるスピードで走っている。


この坂の麓と蛇瀬橋の間に小羽山小学校の入口があり、児童の登下校路となっているため押しボタン式信号機が設置されている。


東小羽山にはバス停が2つ存在する。元々は本路線沿いには東小羽山バス停のみがあったが、市営東小羽山住宅および県営西山住宅に向かう入口にバスターミナルがあったものを廃止し、代わりに本路線沿いに東小羽山五丁目バス停を追加設置している。したがって奇妙な近距離間に2つバス停が存在することとなった。東小羽山五丁目バス停付近に追加設置された押しボタン式信号機もバス停設置時とほぼ一致する。


バス停を過ぎると、かなり下る形で終点に至りテクノロードに接続される。この途中の低い部分では東西に伸びる沢地を横断している。造成の土砂を押し出すことで高低差を緩和したようで、西山県営住宅の北側は窪地状に取り残されている。
市の管理地らしく接近は不可能
【 区間の変更 】
市道高嶺中山線(テクノロード)が全通した後、本路線の終点であった東小羽山町5丁目よりテクノロードまでを接続し終点が交差点までとなった。その後常藤町にあった宇部市交通局が善和牛明に移転したため小羽山路線でない回送のバスも本路線を通るようになった。

平成10年代後半に県道琴芝際波線で二反田堤の上を通っていた悪線形を解消する道路改良工事が行われ、悪線形部分を含む部分は市道小串小羽山線へ降格され、これに伴い本路線の起点が道路改良後の県道側へ移動された。また、本路線より北側の旧県道区間は本路線の枝線として管理されることとなった。

この枝線部分はガードレールで塞がれており四輪の通行ができなくなっている。
写真は小串小羽山線の終点側から撮影。


県道琴芝際波線の小羽山入口三差路は、小串から登ってきて右折して小羽山方面に向かう車を円滑化するため、時差式信号で中山方面からの青信号が短い。枝線の県道接続部分に「この先行き止まり」の表示板がないため、小羽山に向かうのに三差路をショートカットして本路線の枝線へ入り込み、通り抜けできないと知ってUターンする車が未だに多い。

県道の道路改良区間が供用された直後は、この枝線は通行可能だったという報告もある。通り抜けできなくされたのは合流地点での接触事故が多かったことと地元在住者の要望もあったとされる。
南小羽山町在住者による情報
《 改善を要する箇所 》
ここでは、本路線の安全性・利便性を高めるために多額のコストを要さずに可能な改良項目を列挙している。以下の提案は現地を観察した上でのまったく個人的な提案であり、自治会や地元在住者の意見を取りまとめたものではない。
【 設置された信号機の動作見直し 】
本路線には市道真締川南小羽山線の終点十字路(以下「南小羽山交差点」と記述)に設置された信号機と、小羽山中央公園前のT字路(以下「北小羽山三差路」と記述)に設置された信号機が常時動作であり、小羽山小学校前と東小羽山市営住宅前に押しボタン式信号機が設置されている。南小羽山交差点ではサイクル動作、北小羽山三差路は市道南小羽山線より本線に出る側の反応式信号機となっている。

押しボタン式信号機はリクエストに応じて動作し、使用頻度は学童の登下校時が殆どなのでそれほど問題はないが、常時動作している信号機の連携が悪く、本線の往来を明白に阻害している。特に北小羽山三差路の感応式信号機の動作は改善を要する。

市道南小羽山線からの本線への流入は単発的であり、車が三差路の手前に停車すると上空の感知バーが反応して本線の信号を赤に変える。
充分に停止線まで近づいていないと感知バーが反応せず信号が変わらないことがある


本路線の交通量は南小羽山線よりもかなり多いが、信号機で制御されなければ本線への退出が困難というほどではない。このため本線の交通量が殆どない時間帯でも赤で停められ、南小羽山線側からたった一台の車が退出するだけで延々と待機させられる現象が非常に頻繁に起きる。そして本線が青になった頃にまた南小羽山線側から車が来て無駄に待った挙げ句本線へ退出し、本線側の流れも停められる…といった本来の信号機の効用にまったく反した無駄な動作を延々と繰り返している。

北小羽山三差路に信号機の必要性を感じない。撤去することを提案する。小羽山小学校の学童が南小羽山線を横切るときの安全確保という意見はあるだろうが、そもそも往来上は歩行者が絶対優先で車両側に注意義務がある。横断しようとしている人があれば停止すべきであり、これは公安の指導により近年漸く守られるようになってきた。また、地元の高齢者による危険箇所での見守りも行われている。歩行者の安全確保は当然だが、車道の円滑な往来も必要である。存在することで円滑な往来が妨げられている信号機は撤去すべきである。

市道南小羽山線の起点側も三差路となっているが、そこは(本線に対して斜めに接続されていて北小羽山側から来る車が見づらいにもかかわらず)最初から信号機は設置されていない。
これは北小羽山三差路と比べて主要な金融機関などがなく、交通の往来が相対的に少ないと判断されたからと思われる。


ここに信号機がないなら北小羽山三差路にも要らない。本線へ出る車は、どの時間帯であっても信号機で制御されるよりも短い待ち時間で退出できる。南小羽山交差点の信号がサイクル式で北小羽山三差路が感応式とまったく連携せず動作しているので、本線を走るにも南小羽山交差点で停められ、青で発進する頃には北小羽山三差路の信号が青から黄に変わるのが見える…といった現象が頻発する。

一連の信号機は、夜10時頃を過ぎる頃に本線が黄の点滅動作に変化する。現在の信号機の設定は、かつて小羽山団地に居住者が非常に多く車の往来もあった時代のままであり実態に即していない。まずは点滅状態にする時間を午後8時以降のように早め、将来的には信号機そのものの撤去を提案する。

近年の傾向として、公安は交差点に設置された一灯式の黄と赤の点滅式信号機を撤去している。この理由はドライバーがどちらが優先道路か周知したことよりも電気代の節約にあるという。常時点灯している信号灯の電気代は膨大である。この場所に限らず交通実態に合わない信号機の撤去を進めて欲しい。
【 交差点付近の車道幅員の拡幅 】
先述の問題にあわせて、一連の信号機がある前後の交差点を拡げる応急措置が欲しい。本路線には県道琴芝際波線接続部に進行方向別のレーンがあるだけで、どの交差点にも右左折レーンがない。特に問題となるのは北小羽山三差路を東小羽山側から来て市道南小羽山側へ右折する流れである。右折車が充分にセンターへ寄っていないと、直進車両が進めない。夕刻時は交通量が多くいつまでも直進できないところに南小羽山側から退出する車両が来ると、信号が感応して本線が赤になってしまう。三差路内に入って待機していた車が右折した後で直進車両が一台も進めないまま信号待ちという事態が起きる。

正規の右折レーンを造ることは物理的に不可能なので、中央公園側の自歩道を少し削って三差路前の車道を拡げれば、直進車は右折車をやり過ごせるから滞留が起きにくくなる。自歩道は幅2m以上あるが、学童以外でそれほど大勢の歩行者や自転車通行者はなく、これほどの幅は不要である。自歩道の縁石を削って路肩舗装を行い、縁石を据え直すだけなので簡単な工事である。

遺憾ながら、小羽山地区が再び小羽山ニュータウン当時まで人口が再度急増する可能性はない。本路線も最初期は東小羽山が終着地であり、完全に小羽山地区居住者向けの道路だった。その後テクノロードが完成し本路線も延伸されて国道490号へ出られるようになってからは、小羽山地区に用事がなく単なる通過地とする車両が大多数となった。しかし本路線の規格や附帯設備の殆どが昔のままなので、現在の交通実態に合わせて諸々を見直す必要がある。
《 Googleストリートビュー 》

枝線部分は航行操作はできないが、市道小串小羽山線の終点接続部から眺めることができる。
《 近年の変化 》
・2014年9月に本路線と市道真締川南小羽山線終点の十字路角地にコンビニエンスストア(ファミリーマート)の建設が始まり翌月に新装オープンした。写真は建設中での撮影。


この場所は長いこと空き地状態になっていた。以前はガソリンスタンドがあったとされる。
市道真締川南小羽山線から斜面に鉄骨の基礎構造が遺っているのが見える

・本路線終点の正面にあったスポーツクラブZEOS宇部は、フィットネスクラブHBACC(ハバック)と名称を変えている。

・2019年3月までに終点の交差点右側にあったローソン東小羽山店が閉店した。永らくエイブルによりテナント募集の掲示がされていたが、2020年9月に宅配弁当ライフデリが入店している。
写真は改装工事の様子


2階の福島建設事務所は従来通りである。

・2021年後半の情報。東小羽山五丁目バス停の横にある旧バスターミナルが払い下げられ住宅地になる予定である。小羽山中央線がテクノロードまで接続されてからも東小羽山で引き返す便の転回所兼バス停として運用されていたが、この路線がなくなり小羽山中央線沿いに五丁目バス停が移動した後に閉鎖され、車が入り込まないように入口部分がバリカーで塞がれていた。バス転回所時代の写真はないが、閉鎖後の状況は写真で記録されている。
起点から終点までを自転車で走ったときの時系列レポート。全3巻。
現在の市道レポートスタイルを確立する以前の作成なので派生記事リンクが存在しない。本編を2巻で構成し後年の変化と補足事項を後続の1巻にまとめた変則的スタイルとなっている。
その他の派生記事を追記する折りに分割整理する予定
派生記事: 市道小羽山中央線【1】
出典および編集追記:

1.「うべ情報マップ|地図表示
《 個人的関わり 》
車や自転車で通るようになったのはアジトを市街地へ移してからのことである。
現在では週に最低一度はかならず車で通る重要路線となっている。昼間に訪れる必要があるときは、自転車で向かうこともある。しかし東小羽山方面まで自転車で行くことは稀で、小羽山小から先の上り坂がきついため、往路は市道西山線を押し歩きなどで利用し帰路に通る程度である。

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