市道大小路南側線

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現地踏査日:2012/4/6
記事編集日:2014/12/3
市道大小路南側(おおしょうじみなみがわ)線は、琴崎八幡宮に近い大小路から時雨川の属する沢を南側方面へ遡行する市道である。

Yahoo!地図で起点をポイントするとこの場所になる。


起点から進行方向を写している。これだけでは何処の道かも殆ど分からないだろう。


この市道の接続部から北を撮影している。
前方に見えるのは琴崎八幡宮の鳥居である。



反対方向を撮影。
この道は市道山門参宮通り線で、前方に見える欄干の赤い橋は、平成期になって架け替えられた渦橋である。
元の欄干や橋自体はこの先にある御旅所付近に存置されている
これから辿る市道は左側への分岐になる。


前もってお断りしておくことに、この市道に関して特に注目すべき物件が見られるわけではない。
私に関してはあるコアなネタを調べるときに通るマイナーな市道だ。このたび調査を実行し、経路がそう長くないので市道レポートを兼ねて起点から撮影しておいた次第だ。

さて、スタートしてすぐに見られるこの部分だが…


勘違いかも知れないが、昔は起点の位置が違っていたのではないかと思う。
今は家が一軒建っているあの場所だったような気がするのだ。

振り返って撮影している。
ガードレールは市道沿いではなく時雨川の方に真っ直ぐ伸びている。かつて市道はこの方向だったのでは…と考える理由だ。
実際のところどうだったのかは分からない


まあ、とにかく進んでみよう…

道中、どっちが市道だろうか…と迷う分岐は多い。しかし基本的に市道は時雨川へ寄り添う形で遡行する。


時雨川は市の管理する準用河川で、川と言っても今では両護岸がコンクリートで固められている。


住宅地の中を進み、市道はコンクリート床版の橋で対岸へ移る。


住宅地がなくなり田畑が広がる頃、再び市道は時雨川を横断する。
ここで対岸からの別の小さな流れと合流している。


時雨川を一旦渡るものの鋭角に折れて再び渡り直す枝道がある。


地元管理の道で、普通車が通るには狭い。
本路線とは関係ないが大小路2丁目、地元では渡りと呼ばれる地域に向かう道である。
派生記事: 渡り水路沿いの道
さて、この辺りは比較的広い沢を遡行しているのが分かる地形になる。
市道からみて琴崎八幡宮側の丘陵部に、常盤用水路関連の構造物が見え始める。


記事はネット上ではなく別冊での公開を予定している。
派生記事: 常盤用水路・No.3呑口(琴崎呑口)
常盤用水路は常盤池に灌漑用水を送るための水路で、遙か遠く末信にある潮留井堰から引き入れた厚東川の水を送っている。
近代化産業遺産に指定され、現在も灌漑用水の需要期および常盤池の水位低下が著しいときは通水している。

常盤用水路はサイフォン構造で沢の下を通されているので、地表部からそれと分かるものは少ない。
しかしこの場所には常盤用水路関連とされるある構造物が存在している。この記事を書く最近になるまで分からないままだった。


この記事もネット上ではなく別冊での公開を予定している。
派生記事: 常盤用水路・時雨川排水竪坑
沢の幅が次第に狭くなっていくことで奥に近づいていることが分かる。しかし勾配はきわめて緩やかで坂道とは意識されない。また、沢の奥にも住宅がかなり建っており、ひなびた沢地という印象はない。


この辺りの時雨川は毎年春先から夏にかけてホタルが観られるという。
派生記事: 時雨川のホタル生息地
本路線はこの近辺で唐突に終点を迎える。
市道路河川管理課の保有する地図によれば、正確な終点は進行方向左手に事業所のある前、道路幅の狭くなる場所とされている。


この辺りと思われるのだが、現在は事業所はなく下水道工事現場の詰め所となっていた。


終点から振り返って撮影。
時雨川は起点付近よりも幅狭になりながらもなお市道に接して流れていた。


この近辺に関して国土地理院の地図表記には一部誤りがある。終点から更に先、時雨川を辿って同規模の道があるように記載されているが、実際は入っていくのも憚られるような農道以下の細い通路しかない。車で国道490号の南側交差点まで抜けることは不可能である。[1]
水路から先は道がなく荒れ地で行き止まりになっている


また、終点より沢の対岸を経て琴崎八幡宮参道の入口へ戻る道は存在し、車も通れる幅は一応ある。


しかし冒頭のYahoo!地図ではこの区間の一部は点線表記されており、私道の可能性がある。
実際この日の帰りに通ったとき、点線区間の山手には地元で何らかの紛争が起きていることを示唆する立て札を見つけた。また、本件とは関係ないかも知れないが、自転車でこの道を走っている途中、琴崎八幡宮側から入ってきた地元住民らしき車にクラクションを鳴らし警告された。
市道の終点から常盤用水路のNo.3呑口へ至るまでは実線表記されており、通行に問題はないと思われる。しかし無用なトラブルを避けるためにも、特に用事のない限り、外部からの来訪者は参道入口までの点線区間は通行しないことをお勧めする。[2]
本件については誰でも通行できる地元管理道として解決済みです

最後に、本路線の名称に現れている南側について派生記事を案内しておこう。
派生記事: 南側について
【路線データ】

名称市道大小路南側線
路線番号863
起点市道山門参宮通線・渦橋付近
終点(秋吉設備前)
延長約700m
通行制限特になし。
備考ピストン市道(地区道か私道の形で国道までは繋がっている)

延長など各データの正確性は保証できません。参考資料とお考えください
出典および編集追記:

1. この不一致は現在掲載している地理院地図では修正されている。

2. この区間は大小路自治会が管理する部落道で、道路の維持管理は自治会が行っている。ただし過去には一個人が国を相手に所有権確認の訴訟を起こしていた模様。最終的に平成7年のこと公道であるとの判断が広島地裁でなされ誰でも自由に通行する権利を有する、とされている。
ただし本編中のクラクションの件は人違いか単純な注意喚起目的だったと思われる

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