写真は敷地内からの本堂の撮影。
位置図を示す。
位置的には旧厚生年金センター(現在のココランド)に極めて近接している。言うまでもなく厚生年金の建物は黒岩観音よりずっと後になって造られたものである。
《 歴史 》
黒岩観音は梶返に住んでいた道重上人による開闢で、子安観音および馬頭観音の二体を奉ったことに始まるとされる。(写真は境内にある由来石)
梶返から黒岩は縁もゆかりもないように思えるほど遠く離れている。道重上人が黒岩近辺の土地を買ったとき、こんな辺鄙な場所の山を買ってどうする気だと訝られたようである。もっとも道重上人自身は「常盤の池や海が見えるこの山あたりも将来は人々が住むようになる」と答えたという。[1]
現在でもこの辺りは車の通過地点に過ぎない程度に民家がない場所であるが、黒岩山の裾野に厚生年金センターができてその後もココランドとして継承されてからは、市外県外を含めた来訪者の憩いの地となっている。
《 アクセス 》
現在では市道丸山黒岩小串線が黒岩観音の入口すぐ近くを通っており、ココランド入口にあたるときわ湖畔北バス停から歩いて200m程度で入口に到達できる。市道の入口には大きな看板が設置されている。
ただしバリカーが設置されていて車の乗り入れはできない。
(自転車は一応通れるが坂がきつくて漕げたものではない)
坂道を100m程度進むと本堂が見えてくる。敷地内には休憩できる東屋と簡易トイレは備わっているが、飲用可能な水道は来ていない。
(前方の山に見えているのは旧厚生年金センターの建物の一部)
すぐ裏手まで旧厚生年金センターの建物が迫って来ていて、本堂の横から現在のココランドへ抜ける道はある。ただし通る人が殆どなくかなり荒れている。かつては黒岩観音の看板がある前の道はなく、常盤池の東側から参拝するときは現在の周遊園路の近くにある道を歩いて行ったようである。
敷地内にある本堂や石碑などの詳細については以下の関連記事リンクを参照されたい。
《 個人的関わり 》
初めて立ち寄るまでにその場所と名称は聞き及んでいた程度である。後述する記事レポートでも当サイトでは当初は寺院仏閣関連を含めて物件とみなされておらず、詳細な写真を撮ることが殆どなかった。この総括記事の作成も特に黒岩観音に対する関わりがあったからではなく、その周辺に興味深い(しかし黒岩観音とは恐らくまったく無関係な)案件があって記事化を要していたからであった。
《 関連記事リンク 》
前面の市道丸山黒岩小串線を走行時に初めて立ち寄ってみたときのレポート。後続に旧厚生年金センターの記事が案内されている。時系列記事: 黒岩観音【1】
2016年にある調べものをする過程で再度黒岩観音を訪れたときのレポート。後続に旧厚生年金センターへ向かう山道および周辺の廃道についての記事が案内されている。
時系列記事: 黒岩観音【2】
出典および編集追記:
1.「宇部ふるさと歴史散歩」p.56〜57
1.「宇部ふるさと歴史散歩」p.56〜57