前編の最後にもちょっと触れたように、この名前がない交差点を前に殆どの車は本線となる直進を蹴って左か右へ逃げてしまう。体感的には若干左折する車の方が多い。
上の写真では右側にふれあいセンターがあり、カーブ内側の植え込みの中に道標が隠れていることが最近になって分かった。以下の派生記事に写真を掲載している。
派生記事: 常盤ふれあいセンター付近の道標
市道の本線は直進であり、そして私自身も後で述べるような事情により、この名前もない交差点を車で通るときは殆ど直進していた。反対側から撮影。
それまでの経路よりも通る車が相対的に減るというだけで、正規の信号機は着いている。
道幅はかなり狭くなり1.5車線相当になる。
センターラインがないし路側帯も随分前に引いて掠れたものしか残っていない。
それでも私の知る限りこの近辺は整備された方で、もう少し先には鬼門とも言える区間が待ち受けている。
家並みが切れた辺りから幅員は更に狭くなり、普通車一台ちょうど通れるサイズになる。しかも先で左へ曲がっているために見通しが悪い。
まるで溜め池の堰堤上を通るような感じでこの場所だけ道路の両側が低くなっている。両側にガードレールが着いているので完全に幅員は制限される。
対向車が来たときにはこの区間ではまったく離合ができず、もし鉢合わせしてしまったらどちらか弱い方が(?)バックを強いられる。
カーブしている上に草丈が高いので直前まで対向車の有無を知ることができない。
(思うにカーブミラーが全く役に立たない方を向いているような気がするのだが…)
路肩のアスファルトが欠けて水が溜まっている。アスファルトの上に跳ね上がった水の跡がまだ新しいことから、この場所で頻繁に離合劇が演じられていることが想像される。
こういう場所は夜間の方が安全に通行できる。ライトで早めに対向車を知ることができるからで、昼間だと目視に頼らざるを得ない。そして先の十字路からこの先までの通行量は決して少なくはない。鉢合わせを避けられるか否かは結構、運試しの要素がある。
鉢合わせ率を下げるにはこのカーブに進入する際に可能な限り右側へ膨れて先を窺うこと、離合不能区間に入ったら安全な範囲でスピードを上げることである。狭いつづら折れカーブ区間に留まる時間が長いほど鉢合わせ悲劇に見舞われる確率が高くなる。
(もっともこの情報が参考になる人は殆ど居ないだろう…^^;)
この区間だけ堰堤のようになっている理由はよく分からない。
以前は進行方向右側は普通の田んぼだったような気がする。現在は荒れ地になっていた。
特に左側は現在も沼地で、常に水が溜まっている中に草が伸びまくっている。ここを通るときウシガエルの声が聞かれた。
動画を採取したので派生記事にしておいた。
派生記事: ウシガエルの鳴く沼地
振り返って撮影。またしても車がやって来ている。私がここで動画など採取している間にも数台が行き交った。
沼地を過ぎれば直線路になるので見通しは効くが、道幅はなお狭く離合するにはお互いが相当路側に寄らなければならない。
正規のアスファルト舗装外側の至る所が窪んで水が溜まっている。
すべて離合劇によって路肩が下がってしまったためだ。
(一番外側まで舗装しないのは民地だからかも知れない)
この区間は緩い丘状で、やがて数メートルほど下って変則的な十字路に向かう。
直前で大きく曲がっているので正規の信号機の前にもう一基設置されている。
(予告信号ではない)
ここで横切る4車線の道は山口宇部道路である。かつて山口宇部有料道路と呼ばれた路線だ。有料だった時代は大沢西交差点から山口宇部有料道路が始まっていて実際の料金所は片倉付近にあったので、かつては大沢西交差点から入ったとき、有料道路の区間内なのに信号機のある一般道との十字路が存在していた場所として知られる。
(もっともそれほど珍しいというケースではない)
上の写真では分かりづらいが、向かって左側には本線に並行して車一台が通れる道がある。これが常盤小学校の正門に向かう通路だ。この交差点と共に書くべきことがいくつかあるので別途派生記事に仕立てた。
派生記事: 常盤小学校の入口通路
さて、実際のレポートでは山口宇部道路を撮影する暇がなかった。上の写真に見える通り、既に信号待ちの車があって信号が青に変わったばかりだったからだ。青時間を逃すと次の青までウンザリするほど待たされるのを知っているので、下り坂の勢いもあって一気に横断してしまった。(渡り終えた後に振り返っての写真もない…
山口宇部道路を渡った先は、市道の交通量は更に少ない。私にとっても殆ど未知の世界だ。車で通ったことは一度もなく、西岐波方面に自転車を走らせるとき数回通った程度だ。
ここで市道は二手に分かれる。
右側は市道大沢住宅線という別の路線になる。
(初回に市道をトレースするとき間違えて右を進んでしまった)
路線名の通り、かつてこの先には大沢の市営住宅があった。すべて木造平屋の集合住宅だったが、取り壊され現在は県営住宅が建っている。
派生記事: 市道大沢住宅線
(記事が書き上がり次第リンクで案内します)1.5車線相当のうらぶれた感じの道を更に下る。
道の左側は藪で、ゴミの投げ捨てが目立つらしい。
下り坂の途中で左側の視界が開け、別の道と合流するのが見える。
この合流点で振り返って撮影している。
左側が市道常盤公園江頭線の今まで走ってきた経路、右の分岐が常盤小学校の旧東門に行く道だ。
左から合流する道は市道常盤小学校線で、以前から認定市道だったような気がしていたのだが、メモから漏洩して見落とされていた。
路線自体は逆戻りして常盤小学校のもう一つの正門前まで戻るだけで大した内容はないが、沿線にある物件の存在故に道路レポートを書かざるを得なくなった。
詳しいことはこちらを…
派生記事: 市道常盤小学校線
もう一つ、最近寄せられた読者からの情報だが…常盤小学校の入口手前から山口宇部道路を横断しここまで下ってくる一本の坂には、昔から由緒ある名前が与えられているという。
派生記事を追記した。
派生記事: 馬守り坂
自転車を停めてアングルを考えつつ撮影したのはここまでだった。元から一度も通ったことのない経路である。しかも特に目を惹くような光景がなく、自分自身の想い出もない…
この分岐を過ぎると再び道幅が1.2車線相当にまで狭まる。
(自転車に乗ったままの撮影であまりにも写真が粗雑だったので差し替えました)
この先でごく小さな認定市道との分岐がある。
道があること自体は分かっていたのだが、認定市道であることを見落としてしまっていた。
(この写真のみ市道江頭線作成時における2016年の撮影)
本路線は右で、左折が市道江頭線である。ここで左折する場合は以下を参照。
派生記事: 市道江頭線
地元の住民には重要な道の筈だが、自転車を走らせる間対向車も後続車もなかった。この市道をスタートした直後のネタの濃さからしたらあまりの急変ぶりだ。
さて、終点が見えてきた。
終点として出てきた場所はここだ。
この景色には見覚えがあるだろう。
押しボタン式信号機には「宇部市大沢」の文字が見える。大沢と言えば通常この近辺を指す。
(山口宇部道路の入口となる交差点は大沢西である)
終点より振り返って撮影。
市道の接続している部分は、国道の線形改良以前の端にあたる。
(この区間で国道の内回りカーブが奇妙に広くなっているのは古い道路敷である)
スタートは華々しくデビューし、なかなか前に進まないほどのネタを抱えていながら、終点付近は私自身の関わりがなかったというそのためだけに淡々とした終わり方となった。
国道190号から分岐して同じ国道に戻る…トータルの距離からすれば大差はないだろう。
しかし部分的にならまだしも、全線を国道のショートカット路として使う人は皆無である。確かに交通量が少ないが、それに見合う程に狭い。通り慣れているドライバーなら利用するかも知れないが、知名度が高いとは思えない。
結局、ネタ的にも一般向けの利用頻度としても竜頭蛇尾の如き展開となった市道なのであった…
【路線データ】
(延長など各データの正確性は保証できません。参考資料とお考えください)
名称 | 市道常盤公園江頭線 |
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路線番号 | 13 |
起点 | 国道190号・常盤公園入口分岐路 |
終点 | 国道190号・大沢押しボタン式信号 |
延長 | 約2.5km |
通行制限 | 離合困難区間あり。 |
備考 |
(延長など各データの正確性は保証できません。参考資料とお考えください)