市道岬赤岸線【1】

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現地踏査日:2012/5/4
記事公開日:2012/6/6
岬は分かるとして、赤岸って一体何処になるのだろう…って読者は市内在住の方でも多いと思う。
例によって小字マップで調べると、確かにこの市道の終点付近に「赤岸」と呼ばれる小字が存在する。

随所で触れ回っている通り、私は恩田地区にX十年暮らしてきた。自分の暮らす周辺にどんな道や面白い物件があるかは頭に入れていた積もりだし、注意深く観察もしてきた。
しかし小字に関する予備知識は全く貧弱で、自分の暮らしていた場所と一部の地域しか知らなかった。そもそも小字自体「何だかよく分からないけど昔から言い習わされてきた土地の別名」という認識しかなく、ごく身近で馴染みのあった場所でさえ初めて耳にする小字がザラにあって当惑させられる。
赤岸が何処にあるかは市道の終点に到着することで明らかになり、そこは全く市民にもよく知られた場所だ。しかも私はもちろん同じ年数だけ恩田で暮らしたうちの親も知らないだけで、実は既に密やかにその存在を公にアピールしていた小字なのだった。

いきなりこの市道の起点の写真をお見せしよう。
ここがどこだかすぐ分かる方は間違いなく僅少な筈だ。


Yahoo!マップでこの場所をポイントしている。


写真では分岐路の中心が見えているので、北東に向いて撮影していることになる。
路線名に岬が入っているくらいだから起点は岬の近くである。より正確に言えば、この市道は宇部岬駅の横を通る市道岬駅通り線上に起点を持つ。左へスライスする道がこれから向かう市道で、岬駅通り線は右側の道になる。

さっそくだが、この分岐のすぐ左側の地区道に面して一軒の駄菓子問屋があった。
既に個人宅となっているようなので写真は割愛するが、詳細はこちらに。
派生記事: 個人にも売ってくれた駄菓子問屋
起点をスタートしてからも暫くは岬駅通り線と並走する。間にできた細長い土地は月極駐車場になっているようだ。


岬駅通り線が徐々に高度を上げていくのに対し、この市道は殆ど起伏もなく進んでいく。
道路幅は1.2車線相当程度で、路側帯などはない。もちろん歩道もない。それ以前にさっきからまだ一台の車にも出会わなかった。
そうは言うものの分岐元の路線が宇部岬駅前を通っているので、駅で乗り降りする学生は朝夕結構この道を通っている。私も大学生の教養時代、家庭教師で小野田に行っていた頃には宇部岬駅を利用していた。
車の免許取得後も自動車を持たず自転車で宇部岬駅まで漕いでいた

民家の間をすり抜けるように進み、やや大きな右カーブに出会う。


カーブを曲がると、前方に対面交通の道が見えてくる。
既に記事公開している市道恩田八王子線だ。


さて、市道恩田八王子線のところでも少しばかり触れかけたのだが、この交差点の少し手前に中学時代まで通っていた「くじ屋」があった。
詳しくはこちらから。
派生記事: 中学生のときよく通った「くじ屋」
市道恩田八王子線側から眺めたところ。
さっきから見えていた緑色の建物は交差点の手前側にあるこれだ。
くじ屋に通っていた頃にはまだ存在しなかった


市道恩田八王子線を横断すると、すぐ先の左側に協立病院がある。かつて住んでいた恩田地区からは割と近く、多くの科が揃っているので結構お世話になった。
精確に調べたわけではないが治療費が個人医院より安くて丁寧という感覚が当時あった
このたび自転車でその前を走ったところ当時と変わらぬ盛況…いや、当時どころではない。
あまりに往来が激しくてカメラを構えられません(>_<);
病院に出入りする来訪者をはじめ、タクシーで訪れる高齢者、市道の向かい側にある薬局へ処方箋を持って薬をもらいに行く人…この近辺だけもの凄く賑わっている。病院の建物も外構も昔とは変わった感じだ。

やっと人影が見えなくなってカメラを構えることができたのがこの場所だった。


この辺りから市道の進行方向右側にやや幅広の用水路が随伴するようになる。この水路は岬明神川という名前が付いており、市道の終点までぴったり寄り添う。
起点からこの場所までは水路など全く見あたらなかったのは、恐らく暗渠化され市道の真下を通されているからだろう。

ここから次の交差点に出会うまでは、この市道にあって私が最も頻繁に通っていた区間になる。
くじ屋に行くには当然ここを通ったし、それ以外でもこのお店に菓子を買いに来ることが頻繁にあったからだ。


ネガティブな内容ではなく昔の想い出が詰まっているなら、個人商店でも話題に上せて問題はないだろう。
と言うか宣伝的意図を離れて私の個人的な記録も遺したい
詳しくはこちらから。
派生記事: 中学生のときよく菓子を買いに来たお店
この店を過ぎた先にコンクリート床版で用水路を渡る枝道がある。


昔はこのコンクリート建てアパートのすぐ裏手は土の斜面があったように思う。
また、小学校高学年時代にちょっと好きだった女の子が住んでいたのがこの近辺だった。
家まで遊びに行ったことはなくこの近くにあるという記憶だけ

道幅と水路の存在は昔から変わっていない。しかし両側に建ち並ぶ家々は昔はなかったと思う。



やがて現在の市道と同程度の幅の道に出会う。
市道笹山岬台線である。


市道笹山岬台線の記事でも触れた通り、自分は前の道を左側から走ってきて右折し現在の市道を通っていた。
行き先はさっきのお店かくじ屋のいずれかだった。


ここからの区間は、家からかなり近くにありながら殆ど自転車で通った記憶のない「空白の区間」だ。


市道笹山岬台線を横切ってからは道幅が狭い。普通車は通れるが離合はかなり困難だ。
もしかするとこの用水路も暗渠化されるかも知れない。


うねうねと蛇行しつつ、前方やや広い道に出会う。



既に記事でお伝えした市道神原町草江線である。


水路に沿って民家がある。民家が水路に接している土台部分は石積みで、それなりの古さを窺わせる。


この家は市道神原町草江線が拡幅される前からあった筈だが、元は何の店だったか思い出せない。

広い道にそぐわず交通量は今のところまだ少ないが、それでも現在走っている超マイナー市道よりは多い。用心して横断した。


さてこの先なのだが…
一応、認定市道とはなっているもののこの先の目的地に明確な用件がある車以外、進攻しないことをお勧めする。見ての通り水路側に柵が無く車が通るも幅が非常に狭い。


細い道の先は胃袋状に広くなっており、最近できたと思われる民間アパートが何棟かある。住民の出入りや学生の往来が結構あるので、知らずに車で乗り入れるとまた引き返すのに大変苦労する。


この左側にある朱色に塗られたスレート葺きおよび背面にある建物はかなり古い。


詳細は次の記事に。
派生記事: 第2宇部ボウル
元から狭くやっと車が通れる幅の市道は、この建屋までが車での進攻限界になる。この先も同じ認定市道の経路とはなっているが、傍目には岬明神川の管理道を思わせる。
認定市道となった経緯ももしかすると市道五三舞線同様に水路管理のためでは…

しかし…
この市道がなかなか「魅せてくれる」のはむしろこれからの短い区間なのだった。

(「市道岬赤岸線【2】」へ続く)
出典および編集追記:

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