市道恩田則貞線【3】

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(「市道恩田則貞線【2】」の続き)


幅広の道を横切ると一方通行の制限が解け、市道は若干下りに向かう。道幅はそれほど広くもなく、普通車同士でも離合はやや困難だ。
特にこのカーブは見通しが悪く飛び出してくる自転車に注意が必要


恩田から離れる方向でもあり、自分にとってここから先の区間はあまり思い出がない。むしろこの先にある一つの分岐を除けば、街中に活動拠点を移動した現在が一番よく通っている時期と言えるだろう。

その例外とも言える経路が、そのすぐ先で左へ分かれて競技場の外周を巡る道だ。


若干下りかけた坂の途中から再び登り直すような経路の分岐路がある。幅は現在たどっている市道恩田則貞線より広いのに大型車両の通行規制が敷かれている。
市道野原線で、進むにつれて何故大型車両が通行不可になっているか理解できるような市道だ。


バスガイド風に案内すれば、陸上競技場の正面や俵田体育館方面はここで「お乗り換え」だ^^;
派生記事: 市道野原線
前編の末尾で「イレギュラーなことになっている」と述べた。それというのもこの分岐点は市道恩田野中線の起点ではないからだ。

起点は前掲の写真で国道に取り付くT字路部分(競技場前)にある。


つまり市道野原線は国道190号のT字路から始まり、僅かばかり市道恩田則貞線と重用して再び分岐しているのである。
先ほど恩田運動公園入口の前を横切るとき「幅広の道を…」とだけ書いた。国道から市道恩田則貞線にぶつかるまでは市道野原線の一部だが、恩田則貞線を横切った先で車が入れなくなっている運動公園内部のアスファルト路は認定市道ではないからだ。
常盤公園の園路のように公園緑地課の管理になっているのかも…
僅か50m足らずだが明白な重用区間になっている数少ない例だ。

ここより沢を降りる。
春のごく短い期間限定だが、この先左側にレンゲが美しい一枚の田んぼに出会うことができる。記事が公開された今観に行っても何もないが、派生記事で案内しておこう。
このレンゲ畑はもう存在しません
派生記事: 則貞のレンゲ畑
下りきった先で市道は殆ど意識もされない中川と呼ばれる水路を横断する。


沢を横切る区間は殆どフラットだ。沢の端で再び別の小さな水路を横断し、その手前に市道岬赤崎線の終点がある。


市道岬赤崎線の終点から撮影している。
ここで赤崎の沢を流れる2本目の水路を渡っている。


さて、ここから沢を脱するために市道は再び登りとなる。
この区間は極めて狭いながら特に通行規制は敷かれていない。対向車も結構あるので車ではかなり覚悟が必要だ。


高度を取り戻した先で国道190号に出会う。
またしても斜めの接続で道路幅は狭く、交通量の多い国道へ合流する見極めもさることながら自歩道の通行者への注意も必要だ。


まあ、ここから車で出るのも地元住民かよほど慣れたドライバーで、単純に市道トレース目的でわざわざ不慣れな道を車で走る読者も居ないとは思うが…早めに最終宣告を差し上げなければならない。

車での横断走行不可…(>_<);


さすがは天下の国道…マイナーなこの市道のために安泰な経路確保まで許してはくれなかった。
市道の進行方向に対して中央分離帯は割られておらず、直接国道を渡ることはできない。

2枚上の写真を見ると、市道の進行方向から若干捻れた位置の中央分離帯が空いていることに気付くだろう。これは店舗への出入りおよび国道を常盤公園側から走ってきた車が右折して市道に入るためのものである。
市道の線形に対して中央分離帯がかなりはみ出ているので、ここから車で強引に渡ろうとすれば国道の車線を逆走することになってしまう。規制が明示されていなくとも通行ルールに反することは明らかだ。したがってここから国道に出る車は左折か右折のみになる。
右折なら競技場前交差点を経由して出られるので意味がない…危険でもありここで右折する車は殆どない

自転車ならトレースはまだ何とかなる。歩行者に合わせて押しボタン式信号を経て渡ることができるからだ。


これは別の日に国道側からこの横断箇所を撮影したものだ。
横断禁止の標識が出ているので、歩行者も自転車も先にある押しボタン式信号など正規の場所から横断することを求められる。車は一つ先の宇部則貞交差点を経て右折することになる。
国道から右折でまさにこの場所へ入ろうとしている車が見えている


宇部市則貞の地名表示板が信号機に取り付けられている。
このすぐ東側には車も通れる交差点があり、その地名表示板も同様だ。


横断したところ。
ここも薄くスライスする形で交わっている。


振り返って撮影。
こちら側からは出るだけで、しかも恩田方面に曲がることしかできない。
右折するならそもそもこの細い道に入って来ないはず


国道と市道に挟まれた三角形領域にかつて則貞派出所があった。
ある小さな事件で一度きり訪れたので今でも覚えている。
派生記事: 則貞派出所
右側はセントラル硝子(株)の社有地で、現在は社員向けアパートになっている。しばしば「ソーダ社宅」などと呼ばれる。
小学生時代の級友が住んでいた記憶があるが訪ねたことは多分一度もない


別の日に撮影。ソーダ社宅の反対側である。
市道と国道に挟まれた三角地帯は店舗となっており、駐車場を介して一応は行き来できる。
私有地通り抜けとなり勧められない


この記事を書く現時点ではお弁当屋になっているが、かつてはスーパー白鳥則貞店が存在していた。
スーパーの正面は国道側に面していたので、その話は国道記事を書いたときに横話として案内しよう。
先行して独立記事を作成したのでリンクとして案内する
派生記事: スーパー白鳥
この直線路を少しばかり進んだところで通行量はやや少ないが対面交通の道に達する。市道草江五十目山線である。

終点到着だ。振り返って撮影。


最後の最後になったが、終点から逆にこの短い区間を辿ることで国道の恩田方面に向かうショートカット路が成立する。この経路は利用価値が高く、近隣住民のドライバーによって昔から利用されてきた。
派生記事: 則貞交差点のショートカット
市道恩田則貞線のルートラボである。
いくつかの沢を渡りつつも終点は20m程度の丘陵地帯にある。


なお、終点から市道草江五十目山線を横切ってまだ先が続いている。この経路は地元管理の道で、塩谷踏切が四輪の通行不可になっているため県道宇部空港線には直接抜けられない。

路線としては一本だが、この市道を端から端まで移動手段として常用している人は殆ど居ないだろう。特に車社会の発達によって至る所で交通量の多い路線に分断されたり規制が入ったりで、今では四輪が通るのも厳しい路線となってしまった。

他方、そのお陰で歩行者や先を急がない自転車乗りには昔よりのんびり通れる路線になったように思う。一部区間に私の昔の思い出を遺し、別の区間では今も則貞方面に向かう自転車には好適な近道として…
【路線データ】

名称市道恩田則貞線
路線番号436
起点市道名切笹山線・分岐点
終点市道草江五十目山線・交点
延長約1500m
通行制限市道恩田線〜野原線交差部は終日一方通行
国道190号交差部の一般車両横断通行は相互に不可
備考

延長など各データの正確性は保証できません。参考資料とお考えください

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