(同様の命名例として小野中央線がある)
市道小羽山中央線は昭和40年代後半より小羽山地域一帯が開拓されたのにあわせて誕生した。道どころか殆ど人の居住がなかった山野部に街が生まれたわけで、道路造りにも地勢と当時の設計思想が垣間見えるようである。
(路線の後半部分において特に顕著だ)
起点の位置を示そう。
この記事をかく段階では、Yahoo!の航空映像はなお現在を反映していない。ポイントされた部分は、まだ工事車両の出入口が造られたばかりの状況である。これは今からおよそ12年程度前になる。
(この記事が公開されて何年か経てば表示状態が変化する可能性がある)
県道に立ち、小羽山中央線の起点を撮影している。この写真では背中側が市街地になる。
県道より市街部に向いて撮影。
市街部からやってきた車の半数以上がこれから向かう市道小羽山中央線に右折していく。このため県道の信号は時差式になっていて小羽山方面への流れを優先的に処理している。
(中山方面から県道を走るとこの信号の青時間が異常に短いことに気づく)
詳しいことは県道の記事を書いたときに触れるが、この交差点がある場所は、元は「空中だった」筈だ。県道の線形改良に伴い、この区間を直線的に結ぶために盛土したのである。
(最大で20m近い盛土を必要とする場所があったと聞いている)
県道が新路線に付け替わった後は、走りづらい旧道区間は市道小串小羽山線に格下げされた。既にあった市道小羽山中央線の起点は新しい県道交差点に移動された。
起点となるこの場所は、小羽山地区から市街部へ向かう車が最もよく通るT字路である。
撮影位置は地山だが、交差点の停止位置あたりからは盛土となっている筈だ。
それでは、スタートしてみようか。
ここから県道の旧道部分までは若干高くなっており、地山を削り取ったらしいことが左側の平ブロックで確認できる。右奥の方からやってくる道が県道の旧道だ。
旧道区間は市道小串小羽山線の交差点という形になっていて、ここから終点までは四輪の通り抜けができなくなっている。しかし県道起点側の分岐点からここまでは別の市道が接続しており、旧道自体もバス路線にもなっているために交通量は少なくない。
この分岐点は小羽山方面から県道に向かって走っているとき、状況によってはショートカットとして利用できる場合がある。殆どの人にとっては「そこまでやるかよ(呆)」的な手段でもあるが、速いの大好き・待つこと大嫌いなドライバーには役立ててもらえるかも知れない。
派生記事: 市道小串小羽山線を利用するショートカット
起点からここまでが県道改良に伴う本路線延伸部分で、ここから先終点まではこの市道ができた当初のままのオリジナル区間である。居住人口を当初から見越して設計されていたせいか、センターラインを伴う対面通行で、両側に充分な幅の自歩道がある。全区間駐車禁止で、設計速度は40km/hだがこの速度で走っている車はまず居ない。
最初のバス停が見えてきた。
小羽山入口バス停。何だかそのまんまなネーミングだ。
小羽山「入口」という命名なのも、実はこのバス停がある場所自体はまだ小羽山ではないからだ。中宇部ないしは小串台と呼ばれる地で、小羽山の名を冠する地名が現れるのは、この先にあるやや広い左へ曲がる道を過ぎてからだ。
バス停の先、左側にこの記事を書いている6月中旬の段階でテナントが入っていない空き店舗がある。
かつてここにコンビニが存在した。
現在は県道の改良区間に移転している。
派生記事: 小羽山入口にあったコンビニ
このすぐ先、殆どの人が気にも留めない(そして実際気に留めるだけの価値もないw)ある”仕組み”が観られる。こんな所に目が向く人は殆どいないし読者の需要もないと思うが、写真を撮ってしまったので記事を書いてみる^^;
派生記事: 送電鉄塔と一般家庭向け電線
市道をスタートして初めて出会う公園がその先左側にある。広さは子どもが走り回る程度はあって、滑り台や鉄棒など定番の遊具が備わっているスタンダードな児童公園だ。小羽山よりもずっと新しく出来た住宅地なので若い世代が多いらしく、子どもたちの格好の遊び場となっている。
何よりも特徴的なのは、意味深とも思える公園の名称だ。
派生記事: いか土公園
いか土公園の前を通って左へ上っていく道(認定市道ではなく地元管理の道)はかつては存在せず、相応な深さを持つ谷地だった…と話しても信じてもらえないかも知れない。この道どころか、道路沿い雛壇状に造られた住宅地やいか土公園自身も谷地を埋めることで造られたもので地山ではない。実はいか土公園かその進入路となる道の真下には、かつて公園の付近が沢だったことを伝える遺構が眠っている。
(積極的には案内しづらい物件なので派生記事としてのリンク掲載は割愛する)
市道は高度を変えずほぼ平坦なまま進んでいく。進行方向左側が山側に、右側が谷地になる。
左へ分岐する細い道(市道南小羽山2号線)も丘陵部を登っており、右側の谷地は市道小串小羽山線との接続点あたりから始まり次第に深くなっていく。
この分岐に続き、やや幅の広い対面交通の道が左分岐として現れる。市道南小羽山線で、ここより20mくらい高台まで駆け上がり、県営住宅などの間を巡った後で再びこの市道に舞い戻ってくる。
市道は高度を変えず直線的に進む。スタートした当初から民家や商店はほぼ左側に集中し、右側は散発的に店舗がみえるか雑木林しかない。
唐突に一枚だけ過去の写真を挿入するが、市道右側の雑木林の下はこのようになっている。
高さ10m近くはあろうかという練積ブロックがあり、市道小羽山中央線はこの上を走っているのだ。思ったよりも深い沢なのである。[1]
(市道を車で走る人は多いがこういう地形だったと知る人は少ないだろう)
したがってこの市道からの分岐は当面、丘陵部に向かう左側ばかりになる。右側へ道を造ろうとするなら、10m以上ある高低差をこなす道造りが必要となるからだ。
この小さな分岐は市道南小羽山北小羽山線で、かなりの急勾配で真っ直ぐ小羽山墓園に向かっていく。
上の写真でせっかく少しばかり写っているので、ちょっと言及しておきたいことがある。ある出来事を思い出してしまったもので…^^;
とってもしょうもない内容で申し訳ない気分なので本記事に含めず、寄り道記事として分離しておく。
派生記事: 大和小羽山営業所
ここで市道をスタートして恐らく最も交通量の多い十字路に出会う。ここから急カーブ&急坂という強引な道を降りていくのが市道真締川南小羽山線で、ここが終点だ。
自分もそうだが、真締川南小羽山線を経由して小羽山へ出入りする車も多いのでこの近辺から交通量がかなり増えてくる。平坦に進んでいた市道は若干の登りになる。
そして小羽山地区の中心とも言える重要なT字路に出会う。
さて、やや淡々とここまで進んできた。この交差点で距離的にも話題的にも中間点となる。
しかし如何にもこの市道の造られた時代を思わせる道路構造がここから先で顕著だ。それは真にさほど深く考えず設計されたものなのか、それとも当時としてはそれが精一杯の設計だったのかは定かではないが…
(「市道小羽山中央線【2】」へ続く)
出典および編集追記:
1. 2015年以降この沢地に太陽光発電向けのパネルが設置された。この場所は私有地であり現在は立入禁止となっている。
1. 2015年以降この沢地に太陽光発電向けのパネルが設置された。この場所は私有地であり現在は立入禁止となっている。