市道小羽山中央線【2】

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(「市道小羽山中央線【1】」の続き)

市道小羽山中央線の中核部とも言えるのがこのT字路近辺である。
ここで右からやってくるのはまたしても市道南小羽山線で、つい先ほどいか土公園を過ぎた先で高台に向かっていた路線だ。この近辺の最も高い場所まで駆け上がり、県営住宅・市営住宅の交通需要をこなして再びここへ降りてくる。


T字路の周辺には食事処やスーパーなどが並ぶ。しかし意外なことにこのT字路の信号は南小羽山線に対して感応式に設定されている。南小羽山線から出てくる交通需要は本線に対してそれほど高くないと評価されていることになる。市道真締川南小羽山線の終点にある信号が一定サイクルで変わる通常設定となっているのとは対照的だ。
したがって市営住宅方面から南小羽山線を下ってくるとき先行車が居なければ信号は常に赤である[1]

T字路になっている正面は小羽山中央公園と呼ばれている。もっとも公園と言っても遊具は見あたらずただ広い空き地があるのみだ。しかしその広さを生かして地域のクラブで結構活用されているし、この公園が年に一度地域の人々であふれかえる日がある。
派生記事: 小羽山中央公園
振り返ってT字路を撮影。
感応式信号の宿命だが、南小羽山線から出てくる車が一台でもあれば、この信号は頻繁に変わる。小羽山中央線を通過路線として利用しているドライバーには有り難くないかも知れない。


このT字路を過ぎたすぐ先にバス停がある。


近隣センターバス停となっている。近隣センターとはバス停に隣接する「小羽山ふれあいセンター」のことだろう。確かにくてバス停のすぐりだ…^^;


バス停サインには例によってローマ字の振り仮名が添えてあるのだが…
しかしさすがにこれは…ツッコミたくて仕方がない^^;
センターは center でいいんじゃないの?
どうにかすると「キリンセンター」に見えてしまう…^^;


近隣センター前から撮影。
この周辺はバス停をはじめとして公共施設がまとまっており、小羽山中央線の沿線にあってはもっとも人々の行き交う場所である。
小羽山ふれあいセンターと郵便局が左に、右に小羽山派出所が見える。
郵便局の駐車場が停めづらい…派出所の真ん前なのでさすがに路上駐車は見かけない


昭和50年代に誕生した新しい街であるだけに、私が小羽山地区に関わる歴史は極めて浅い。小羽山に移り住んだ級友を知らないから昔からの知り合いは誰も居ない。
そんな中で小羽山郵便局は、私が小羽山という地を訪れる前から関わりのあった数少ない施設である。
派生記事: 小羽山郵便局
この近辺は住宅地周りや市営住宅などの通行需要で市の整備した道がきわめて多い。その殆どは特徴のない真っ当な道なのだが、中にはやりっ放しだったり意味が分からない認定市道がある。

左側に見えるキリンセンター(違)と小羽山郵便局駐車場の間に細い道がある。


この道は市道小羽山4号線で、郵便局の駐車場から先は車止めが設置されているため車は通れない。実質的に駐車場の延長のような存在として使われている変な市道だ。
市営住宅の居住者など歩く人はいるが、終点付近が廃道同然の荒れた状態になっている。
派生記事: 市道小羽山4号線
なお、車止めのバリカーが設置されている横にフェンス門扉があり、蛇瀬池の本土手に降りていく小道がある。蛇瀬池周りの踏査は殆ど共通してここから進入するので覚えておくと良い。
何か事件があった模様…6月中旬までフェンス門扉が施錠され立入禁止になっていた

反対側へ目を遣ると、小羽山派出所の横からも小羽山中央公園の裏手に向かって伸びている道がある。


この方向へマトモに行ける道などない筈なのだが…
一応、先を究めてみた。
派生記事: 市道南小羽山19号線
さて、市道の起点である小串台付近からずっと続いてきた丘陵地帯は、この先で終わりを告げる。進行方向にあっては郵便局が丘陵地帯の一番端にある建物で、小羽山地区全体はこの先の極めて大きな谷地で隔てられることになる。


記憶違いでなければ、この近辺に数年前まで蛇瀬池の由来を伝える説明板が立っていたと思う。最近、何故か無くなっていることに気付いた。
詳しくは以下の寄り道記事に。
派生記事: 姿を消した蛇瀬池の由来板


道路自体は平坦に進んでいるが、実のところ先の郵便局を過ぎたあたりから地山ではなく盛土になっている筈だ。可能な限り尾根の部分を延伸し、限界地点から一気に谷地を横断することで橋の延長を切り詰めている。

分断された谷地を結ぶのが本路線で最も重要な構造物とも言える蛇瀬橋である。


市道を走っているとここにどれだけの橋が架かっているかは意識されない。特に蛇瀬池側は鬱蒼と生い茂る木々に視界を遮られ、池自体は眺められない。
橋の巨大さが分かる下からのアングルの写真も含めて撮影してきたので詳しくは以下の寄り道記事を参照されたい。
派生記事: 蛇瀬橋
蛇瀬橋を渡り終えると東小羽山地区入りする。同時にそれまでは概ね平坦だった市道は一転して厳しい登り坂に見舞われる。登り坂の先方に押しボタン式信号があり、この右側に小羽山小学校がある。


今更言っても仕方ないのだが、ここは道路構造の悪さが子どもたちを危険に晒している代表的箇所だ。小羽山小学校が今の位置にあることも一つの要因なのだが、急な下り坂の麓に押しボタン式信号機付きの横断歩道を設置すればどんな危険が起こり得るかは、いくら昭和50年代半ばの昔であろうと深慮されるべきだった。

登下校の子どもたち青になったからと集団で渡り始めたとして、坂の上から下ってくるドライバーがよそ見していたらどうだろう。これほどきつい下り勾配なら嫌でも加速され停まりたくてもすぐには停まれない。恐らく小羽山小学校の子どもは、この場所に関しては他の場所以上に「青になっても必ず左右をよく見て渡りなさい」と言い聞かされているだろう。ここほどその注意が切実に必要な横断箇所はない。

同じ場所で撮った2年前の写真がある。この日は傘を差しても追いつかないほどの酷い土砂降りだった。
市道東小羽山7号線の記事に現れる雨の写真と同じ日の撮影


こういう雨降りの日だと視界は悪いし、車の制動距離はますます伸びる。
過去に小学生児童が絡む人身事故がなかったか極めて心配…

子どもの下校時にあたる時間帯にここを車で走ったことがある。危険が予想されるからか、北小羽山方面に家がある児童は左側の歩道を利用して蛇瀬橋を渡り、別の安全な場所で横断しているようだった。

小羽山小学校の入口である。
カメラは水平に構えている。あるいは家のブロック塀のレベルを基準に眺めれば急勾配が分かるだろう。


小羽山小学校は土曜日のスポーツクラブの活動拠点であり、週に一度ここにやって来ている。帰るとき校門を出て左折すると、本線はいきなり急な登りなので非力な車は加速せず本当に苦労する。
小羽山小学校の横話記事も写真付きで書いておくべきなのだが…市道小羽山中央線からはちょっと離れているので今回は見送ろう。
後日横話として編集追記するかも知れない

小羽山中央線と小羽山小学校への入口に挟まれた正方形領域は、東小羽山地区の調整池(現地の住居地図では「沈澱池」と記載されている)になっている。小学校よりも重要度の低い設備なのだが、南小羽山にある調整池を今後記事化することを思えば、対比項目として書かずにはいられまい。
子どもたちには読ませない方がいいかも知れない…
派生記事: 東小羽山沈澱池
両側に自転車通行可の歩道があるので、歩行者も自転車も通行車両に追い立てられる心配は要らない。むしろ純粋に体力が要る。


「自転車II」(初代「自転車」がやぶれたので現在はII世だ^^;)は5段変速なので、一番軽いギアでゆっくりゆっくり進む。ローギアならまだ何とかなる勾配だ。
真っ直ぐな登り坂の途中にバス停がある。


小羽山小学校バス停だ。
坂の途中で停車し、乗降客をこなして再発進するときは加速が大変だろう。車だとローギア発進は排気ガスを大量に発散するし、何よりも沿線の家は相当に喧しいだろう。下ってくる分はまだマシだが…


…と言っていると、ちょうど坂を下ってくるバスに出会った。

日々のことだから運転手は心得ている。充分手前から減速し、バス停に停まって再発進していった。


一般車両はそこまで行儀がよろしくはない。制動しようとしなければアクセルなしで勝手に加速していく。位置エネルギーだけで距離を稼げるのは確かだが、下ってくる車は例外なくスピード超過状態である。

坂のペースはとどまることがない。しかも先の方で左へカーブしている。


この高さに今の道を造った以上、もうどうにもならない。車の性能が昔より向上したとは言っても、今でもよほど排気量のある車でなければ登坂はどうかすると30km/hすら割り込んでしまうし、逆に下りは制動してもスピードオーバーしてしまう。この道路状況が改善される見込みは永遠にないと言っていい。

それにしてもここを車で通るたびに、
このきつい坂は、設計段階でどうにかならなかったのだろうか…
と感じる。
道路構造や経路を工夫し、もう少し勾配が緩やかで安全な道に設計できなかったのだろうかと思うのは自然だ。
これに関して最初ここに書いていたが長くなり過ぎたので寄り道記事としてまとめてみた。
派生記事: 東小羽山の急坂
再び縦断勾配が分かるように横からの撮影。
勾配表示は出ていないが、最大5%程度あると思う。


変速ギアのある自転車ならローギアにすれば、乗って乗れないこともないが…
完全ギブアップ。
撮影し、自転車に跨って漕ぎ、また停まって撮影し…を反復するのがそろそろ嫌になってきた。
無理して乗って漕ぐだけ疲れる。そこで自転車を降りて押し歩きした。

(「市道小羽山中央線【3】」へ続く)
出典および編集追記:

1. 午後9時頃から以降は市道真締川南小羽山線の信号機と共に点滅信号となる。

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