宇部市立図書館

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記事作成日:2019/4/27
最終編集日:2019/6/21
情報この記事は琴芝町にある宇部市立図書館について記述しています。
島地区にかつて存在した旧宇部市立図書館については こちら を参照してください。

宇部市立図書館は琴芝町1丁目にある市立図書館である。
写真は図書館閉館日に駐車場より撮影した建物の全景。


位置図を示す。


現行の宇部市立図書館(以下「図書館」と略記)の概要については、宇部市ホームページの中に掲載されている。[a1]ここでは補完的な内容を記述する。
出典および編集追記:

a1.「宇部市|宇部市立図書館
《 建物 》
図書館の開館は平成3年10月であるが、建物は同年3月に建設されたようである。玄関入口横の壁には年月を陰刻した定礎の石盤が嵌め込まれている。


冒頭にもリダイレクトを配置したように、前代の図書館は島地区の高台に存在していた。平成初期の移転であるため旧図書館を知る市民は多い。それよりは知名度がやや下がるが、現在の図書館が移転してきたこの地は、かつて全国的にも類を見ないほどの生産能力を誇っていた宇部紡績工場の跡地である。宇部紡績工場については別途総括記事を作成した。
総括記事: 宇部紡績工場
宇部紡績工場は、もし相応な形で遺っていたなら現代であれば近代化産業遺産指定が確実と言えるほどに重要な産業遺産であった。図書館の建設期が平成初期で産業遺構の保存方針が現在ほど強くなかったことと、戦災で著しく破壊されていたこともあって取り壊されたが、建設にあたって壁面など宇部紡績工場の遺構をそのまま組み入れていることからも当時より既に重要性が認識されていたことが分かる。
【 玄関・ロビー 】
正面玄関の様子。
雨避けの庇が長く伸びており、このスペースに丸テーブルとベンチが置かれている。


ロビー側より出入口を撮影。
出入口にある柱は正規の貸し出し手続きを経ず持ち出される図書類を検出するセンサーである。


このセンサーは2018年2月に図書の貸し出しが自動化されたときに設置されている。手続きが完了していない図書が含まれているとブザーが鳴り、受付に戻るよう促される。
何冊も借りたとき一部の書籍が正常に処理されておらずブザーが鳴る場合がある

玄関を入って右側に展示室があり、不定期にパネル展示などが行われる。


展示室は使用されないときは鉄格子のシャッターで塞がれる。その前のスペースを利用して図書館利用を啓蒙する活動など小規模な店舗が展開することもある。
承諾を頂いた上で撮影…スタッフは恥ずかしがって背中を向けてしまった^^;


展示スペースの反対側に2階へ上がる階段がある。その手前玄関ドアに近い側にもテーブルと椅子が置かれ、本を借りた学生たちがよく休憩している。


【 1階 】
図書館開館時には、図書や郷土資料が置かれている場所は多くの来館者が居るため撮影を行っていない。

1階の平面図は図書の案内標示板で大体を知ることができる。


この平面図からも分かるように、図書館の建物全体がいびつな形状をしている。概形では冒頭の地図でも分かる。これは現在の図書館がある場所の前身として宇部紡績工場の存在があり、その遺構であるレンガ壁の一部を取り壊すことなくそのまま図書館の外壁へ組み入れたことによる。このレンガ壁は1階の館内からも観察できるし、屋外にも図書館の駐車場から隣接する県営琴芝住宅に至るまでレンガ壁が遺されている。

カウンターの背面の壁には世界地図が描かれている。コンクリートが露出したデザインの壁なので夏場は清涼感はあるが、冬場など冷たい印象を受ける。このデザインは施工当時(平成初期)の流行とも言える。

重要な資料で禁帯出となっている書籍などが収納された郷土資料室がカウンターの横にある。利用するにはカウンターへ申し出て姓を名乗り、利用中であることを示すタグを持って入場する。出入口には双方向に動く簡素な扉が設置されていて、郷土資料室にある書籍を持ち出そうとするとブザーが鳴動する。しかし各種手続きを行うカウンターは郷土資料室の外にあるため、禁帯出の書籍のコピーサービスを利用しようとすれば必ずブザーが鳴ってしまう。館内の他の利用者に迷惑となるため、スイッチが切られていることもある。現在ではセンサー機能を備えた扉そのものが撤去されている。

コピーサービスは著作権法上の制限により、書籍なら一度の申請で全ページの半分以下のコピーしか受け付けられない。ただし二度に分けて残りのページをコピー申請することで実質的に無制限なコピーが可能である。紙媒体でのコピーは制限がある上に費用もかかるため、スマホやデジカメで逐一欲しいページを自炊することも物理的には可能である。この行為に対して特に明確な禁止はされておらず、実行者の自己責任というスタンスとなっている。
【 2階 】
講座室と会議室がある。かつてはイベント開催時以外は一般の利用ができなかったが、会議室は2017年の始めより学生向けの学習室として利用できるようになった。


各学校にも独自の図書館はあるが、放課後は閉館され利用できないため、夏季休暇以外でも学校帰りに市立図書館へ寄って勉強する学生の利用需要がある。一般利用者との住み分けは旧図書館時代から行われていたが、一部で一般と学生の共用部分もあって塞がりがちだったため学習室が設置された。

講座室は一般向けセミナーや図書館が独自に開催するワークショップなどで使われている。


音楽鑑賞向けのホールとしての利用も想定されていて、講座室の前方ステージには大型スピーカーが設置されている。以前は俵田家より寄贈されたベヒシュタインのグランドピアノが置かれていた。
渡邊塾の活動の一環としてピアノ視察の許可を得た折に撮影


新川小学校の音楽室へ放置されていたスタインウェイのピアノ(伝説のピアノ)とは異なり、このグランドピアノは状態が良く演奏に充分耐える。しかし講座室を広く使うためにピアノはたびたび移動され、その折りに壁へ当てるなどして生じた傷がある。近年では講座室で演奏会が開催されること自体が皆無であり、活用するために伝説のピアノが置かれている渡辺翁記念会館2階ロビーへ搬出された。
《 外構 》
冒頭にも少し述べたように、図書館の建物および外構はかなり特異である。これは現在の図書館がある場所にはかつて宇部紡績工場が存在していた影響による。紡績工場の建物は現在の産業道路と真締川が成す東西と南北の軸に沿わず、それより45度捻れる角度で存在していた。この理由は宇部紡績工場建設以前の地形と開作後の土地利用の方向によるものと考えられている。

戦災遺構でもあった宇部紡績工場は、象徴的なレンガ壁が新しく造る図書館の壁に取り込まれることとなった。建物が及ばない外周部分もそのまま図書館たる市有地と他社の社有地の境界となっている部分がある。

例えばメインの自転車置き場は産業道路に近い側に造られており、このコンクリート壁は当時の宇部紡績工場のものを転用している。
この壁の外側は不動産会社の管理する月極駐車場となっている。


図書館裏手側の一部のレンガ壁は加工されることなくそのまま遺されている。
同様のレンガ壁は琴芝県営住宅側にもみられる。


市道真締川東通り線からの進入路が建設されたとき、まだ遺っていた宇部紡績工場のレンガ壁をなるべく保存する方針で施工された。進入路にあたる部分は撤去されたものの、かつてレンガ壁があった場所に新しいレンガを並べることで位置情報を保存している。


レンガは道路や建物をほぼ45度で横切る形に設置されており、駐車スペース向けのペイントもレンガ部分を避けて引かれている。シンボルとして埋設されているため、駐車帯に停めるのにこのレンガを跨いで停めても差し支えない。駐車エリアの一角には図書館の敷地内に遺されたレンガと桃色レンガの復刻についての説明板があるが、注意して眺める人は殆どない。このため現在では何故レンガの帯が駐車エリアや通路を斜めに横切っているのかを知らない市民も多くなった。

図書館建屋の南側、市道真締川東通り線枝線の先には復刻された桃色レンガのオブジェが説明板と共に展示されている。


ただし宇部紡績工場のレンガ壁には桃色レンガは使われていない。同様に、かつて隣接して存在していた防長商事のレンガ倉庫も桃色レンガではなく従来タイプであった。
後述するようにこのレンガ倉庫は解体され現在はオーヴィジョンの高層マンションが建っている
《 アクセス 》
冒頭の地図では図書館への出入口は真締川沿いの道(市道真締川東通り線)しかないように見える。実際には制限がつくが、通称産業道路と呼ばれる県道琴芝際波線からの入退出も可能である。むしろ最初期は県道からの出入りしかできなかった。

この制限事項について玄関前に看板が出ている。


即ち図書館が開いている曜日や時間帯は、県道からは進入だけで退出できない。帰りは市道真締川東通り線へ退出することになる。市道側からは開館時は入退出の両方が可能である。

この制限は、当初から図書館の進入路の片側を駐車スペースとして利用しているため双方向の往来を許すと離合が難しくなること、産業道路の交通量が多くなりここから退出すると自歩道上で待機することとなり歩行者や自転車にまで危険が及ぶからである。[b1]図書館長による任意設置のため強制力はないものの、この制限は今や図書館来訪者に完全に浸透している。

月曜日などの閉館日は借りていた本を玄関に設置されたボックスへ投函する以外の用事がないので、無断駐車を避けるために奥の駐車場部分と市道の県営琴芝住宅側の出入口より先がバリカーで封鎖される。


したがって閉館日に図書を返却する目的で車で来場する場合は県道側からのみの入退出となり、市道側からは駐車場に入れないので注意が必要である。

真締川東通り線側への進入路は、図書館が開館した当初は存在しなかった。駐車スペースも現在の玄関前通路に縦列する部分と花壇に沿って停める場所だけで、奥の広いスペースはなかった。このため利用者が増えるにつれて県道への出入りで交通が交錯しがちでありかなり不評だった。これに伴い、平成13年度末までに真締川東通り線からの進入路と駐車場の整備を行った。[b2]この進入路部分は市道真締川東通り線の枝線として管理されている。

この枝線部分は当初、一般車両でも容易に離合できる程度の幅があった。しかし幅の広さが災いしたのか、この沿線に駐車する車が後を絶たず、徒歩および自転車で来館する利用者に危険が及ぶという理由で、後から歩車道境界ブロックが据えられている。


境界ブロックで幅員が狭まったため、この区間での車の離合はできなくなった。直線路なので双方からの車の動向は見えるのだが、入退出がしづらいという苦情がワークショップにおいても提出されている。
出典および編集追記:

b1. 産業道路を西から走ってきた場合、樋ノ口橋を渡って図書館へ右折入場することに制限はない。樋ノ口橋を渡ってすぐ右折し市道真締川東通り線を経由して裏から入場することも可能だが、橋の東側十字路に右折レーンがなく同程度に右折しづらいため、結局殆どの車は産業道路に面した入口より入場している。

b2.「宇部市の図書館の略年表」より抜粋。(ワークショップにて配布)
以前公開していた旧版の総括記事。
総括記事: 宇部市立図書館(旧版)

FBページ側での投稿。本記事では充分な記述がされていない宇部紡績工場についてコメントで書いている。
外部記事: FBページ|2015/5/10の投稿

図書館が琴芝町に移転した直後についての記述。
外部記事: FB|初期の図書館について
《 近年の変化 》
・図書館自体には関係ないが、2016年11月上旬に南寄りの敷地にあった民間会社の運用するレンガ積みの古い倉庫が解体された。


かなり目立つ古い建物だったので取り壊し前の写真を若干確保できている。この撮影は図書館敷地の駐車場側から行ったが、このとき紡績工場時代からあったかも知れない古い袖壁のようなものを見つけている。

・閉館時間が早いという以前からの苦情は対処され、現在はどの曜日でも午後6時より早く閉まることはない。
写真は図書館入口のガラス戸に表示されている開館時間や曜日の一覧。


ただし毎週月曜日の休館日の他に月末に行われる図書整理による閉館など、未だ予期しない閉館日が多い。カウンターでは休館日が分かるように開館日カレンダーを配布している。

・2018年2月に図書の貸し出しを自動で行う機械が導入された。従来は係員が利用者に付与されているカードと図書のバーコードを読み取り入力していたが、この手続きを利用者自身が行うように変更された。カードをセンサーに近付けて読み取らせる手順があまり丁寧に案内されておらず、初めての利用者はまず戸惑う。慣れればまったく問題ないし、多数冊借りる場合も一つずつバーコードを読み取らせる必要がなく、重ねたままセンサーのある台の上へ置くだけで手続きが完了する。ただし冊数が多いとき稀に一部の書籍が正しく処理されていないことがあるようで、正規の手続きを経たのに玄関を退出するときセンサーが鳴動することがある模様。
図書館の常連利用者による報告

・実施時期は未定だが、図書貸し出しの期間内返却を行わなかった場合のペナルティーが撤廃されている。貸し出し期間は2週間で、返却最終日までに電話や口頭などで申請することにより一度だけ2週間延長できる。このルール自体は変わっていないが、以前は最終日を過ぎて返却すると、延滞した日数だけ新規の図書貸し出しが受けられないペナルティーがあった。FBメンバーの指摘により変更に気付いている。

・2019年3月頃より(株)宇部日報社に寄稿している宇部マニアックスのコラムを収録する「サンデーうべ」が玄関を入ってすぐ横にあるラックに一定部数置かれ始めた。


同時期より(株)宇部日報社への問い合わせや要望事項が急に多くなったとの報告を受けた。また、私の手元へダイレクトに寄せられる読者からの情報提供や質問も数件あった。図書館は能動的に情報を採りに行く人々の訪れる場所であり、配布物が持ち帰られることにより新たな読者が増えているのではと推察されている。

・2019年4月下旬に第一回の「UBE読書のまちづくりネットワーク会議」が開催された。情報発信と共有の重要性を認識しているが故に、募集開始直後すぐに参加申し込みを行っている。
ネットワーク会議という表題なものの、参加者が意見交換し提出するワークショップ形式となっている。詳細は以下を参照。
総括記事: UBE読書のまちづくりネットワーク会議
全5回の開催であり、随時参加者の募集を行っている。[c1] 当サイトでは毎回の会議が終了後時系列記事を公開している。
出典および編集追記:

c1.「UBE読書のまちづくりネットワーク会議|宇部市
《 個人的関わり 》
注意以下には長文に及ぶ個人的関わりが記述されています。レイアウト保持のため既定で非表示にしています。お読みいただくには「閲覧する」ボタンを押してください。

最近は一般向け貸し出し書架の閲覧頻度が減り、郷土資料室の利用かイベント時の来訪が増えている。郷土関連に限定すれば、持ち帰りにも苦労するほどの大判書籍は別として大抵の書籍を一度は借り出して必要なページをデジタル化の形で吸い上げ(いわゆる自炊)PCに画像データとして保存している。

郷土資料室の書籍は借り出せないが、近年のものながら閲覧して興味深く当サイトの個別記事に対しての裏付けとなり得る書籍やデータを見つけている。例えば昭和40年代後半からのバックナンバーを綴じ込んだ「広報うべ」は、マイナーであるが当該資料でなければ得られない情報がよく収録されており、現在精読して必要な部分のページなどを控えている。
出典および編集追記:

d1.「平成28年度第4回 宇部市インターネット市民モニターアンケート集計結果(PDFファイル)

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