市道常盤公園開片倉線【3】

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(「市道常盤公園開片倉線【2】」の続き)

前編から継続して読んでいる方なら何だか背景だけ取り替えて同じ左カーブを撮影したように見えるだろう。
半径150m程度のカーブを経て本路線は進路をほぼ90度北側へ振る。


直線になったあたりで漸く平坦路になった。
左側には派生記事でも紹介したマンションが見えている。


平坦な道になったところで小さな十字路に出会う。
左への分岐は市道開線で、こちら側が終点だ。


この道は開マンションの足元を過ぎ、かなりの下り坂を経て赤松池の近くを通って市道沼風呂ヶ迫線へ出てくる。自転車で全線を通ったことはまだ一度もない。
中学校時代のマラソン大会では、女子は確かここで左折するショートカットコースに設定されていたと思う。課外クラブでも「女子コース」と呼ばれていて、男子部の私たちも日々の鍛錬走で時間があまりないときはここを走っていた。[1]
走る距離が短くて済むのでラッキー♪と思っていた

更に時代が下ってからの個人的想い出はこの市道ではなくむしろ真反対側に降りるこの地区道にある。
この枝道からも降りて行ったことがあるような気がする。左側のアパートは当時まだなかった。
詳細は後述する


やや大きな右カーブのところに開住宅入口バス停がある。
バス停サインのズーム写真はこちら


今となってはこのバス停名はやや分かりづらいかも知れない。先ほど出てきた猿田住宅前バス停は本当に猿田市営住宅の入口部分にある。他方、このバス停は開市営住宅からはかなり遠い…いや、実はあと数年もしないうちに開市営住宅そのものが無くなってしまうかも知れない。[2] しかし一般向け住宅地としての開住宅はもちろん健在である。

もう一つ…これは本路線の起点からスタートしたときも類似した案件があったのだが、
大方この辺りの真下を常盤用水路が通っている。
当たり前だが地表からは見えない。長さ300m程度で常盤用水路最後の隧道がこの下を通っている。他の隧道と同様、直線的に掘削されたと思われるが現在では明確に調べる手段はない。[3]少なくともこの辺りの舗装路面より10m以上の土被りがあるので山岳工法で掘削されている。まあ、常盤用水路関連はあまりに分量があるので当サイトの記事ではなく別途書籍などで解説されるだろう。
一体いつになることやら…

再び緩やかな登り坂が始まり、大きく右へカーブする。右カーブ外側に見えるのは市道開北住宅線で、坂を下って山門郵便局付近にでてくる。
右側には沢地へ下っていく道がある。


先の地区道かこの道を下った先にかつて家庭教師として受け持っていた生徒の自宅があった。個人的関わりなので詳細は以下の派生記事に書いた。
派生記事: 開地区の2人目の生徒
大きなカーブの右側から入る道があり、開公会堂の案内看板が出ている。
市道開黒岩線で、路線自体は市道丸山黒岩小串線に接続される。枝道を通ることで常盤池の半島部を伝って薬草園近くに出ることができる。
自転車で通れるのでうっかり園路まで乗り入れてしまうかも知れない


この道は開地区で最初の生徒を受け持ったときよく通った。上記の市道レポートを書く折には派生記事として記録を遺しておきたいと思う。
ただし市道それ自体は他の用事で通ったことが殆どない

この分岐路あたりから再び緩やかな登り坂になる。
道路幅はまた狭まり規定幅が取れないせいか路側帯も消えている。歩行者も自転車にも通りづらい。


「横断者注意」のロードペイントがある。
両側が住宅地で見通しが悪く車にとってもストレスな区間だ。


そして本路線は市内でも有名な部類に入る長い別の市道に出会う。
この先は自転車から車からあらゆる通行者が困難を極める場所である。
次の写真を含む3枚は同年2月の撮影である


ここに本路線を車で通ったことのあるドライバーならかなり周知されている見かけ上のT字路がある。
接続されるのは市内で恐らく最も長い路線の市道丸山黒岩小串線だ。


既に記事公開されている市道丸山黒岩小串線のこの辺りはアップダウンが多く道幅は本路線と同等に狭い。それでいて東西を連絡する幹線同然の役割を担わされており交通量が極めて多い。そうでありながら本路線の接続部には一時停止のペイントがあるだけで信号機はない。北側に開バス停が見えていながら横断歩道すらペイントされていない。
そして信号機が設置される予定も恐らくない…しかしそろそろ本当に限界かも…

この交差点に名前はないが市道丸山黒岩小串線の派生記事として開交差点を記述しているのでリンクを掲載しておこう。数年前にこの場所で採取した動画があるから、どれほど交通量が多い場所か理解する助けになるだろう。
派生記事: 開交差点(仮称)
さて…
本路線の終点片倉へ車で向かうならこの交差点を左折してすぐ次に右折だ。
現時点でこの角地は更地になっているのでここからでも片倉方面へ向かう車の通行可能な道が見えている。


即ちここを左折してすぐ次の道を右折というパターンだ。
何故か十字路になっておらずクランク状のT字路が2つ連続しているのである。


さて、車の流れはそうであっても本路線の経路設定という観点では実のところ異なっている。上の写真ですぐ右折した先の道は別の市道なのである。

では本路線はどの経路を辿っているのかと言うと…
ここを直進である!


なるほど…確かに道はある。しかしここを直進する車なんて見たことがない。大体、軽四がどうにか通れそうな幅しかないのだ。

そろそろ状況が分かりづらくなってきたから、この近辺の路線詳細図を描いた。
東西に横切る市道丸山黒岩小串線のレポートでは明言はしていなかったが、この場所の市道の認定経路は以下のようになっている。


本路線の終点となっている片倉方面へ向かう車はここで左折し、すぐ次の道を右折する。実際、この付近では東西と南北に道が伸びており、しかし実際の車の流れとは別に、本路線はここを直進する昔の道に設定されている。片倉へ行くドライバーが通る道は市道開墓地公園2号線という別の路線となっている。
市道の経路設定が実際もっとも頻繁に通行されている経路と大きく異なるのは普通にあることだ。経路の設定は市道路課のまったく管理上の問題なので、なるべく重複がなく洩れる区間もないように選定されている。この場所の場合、恐らく直進する昔からの道が認定市道になっていて、同じ経路のまま車が通れるような拡幅ができなかったため西側に新たな路線を造り、墓地公園2号線という管理上の新たな名前を与えたのだろう。

そういう訳で行き先別の「交通整理」をネット上で行うと…

まず、東西に横切る市道丸山黒岩小串線への乗り換えはこちらを。
関連記事: 市道丸山黒岩小串線【6】|交点
次に、本路線から離れてでもいつも車で通り慣れている道を辿りたい場合はこちら。
関連記事: 市道開墓地公園2号線
そういう訳で、本路線のトレースという目的ではここを直進だ。恐らく昔からのままの道という特殊な区間なので、ダイレクトに参照可能にするためにインデックスを付けておく。
《 開古道区間 》
この古道入口部分に道標が立っている。2枚上の写真でも石碑が見えているだろう。詳細はこちら。
派生記事: 開の道標
道標の横を通り過ぎて狭い道へ入る。開交差点がもの凄い喧噪ぶりだったのでホッと一息つける道だ。
時期柄、彼岸花が美しい。


狭いながらも路面はキチンと舗装されているしそれほど荒れてもいない。
これが常盤公園の横からスタートしたのと同じ路線というのも不思議な感じだ。


振り返って撮影。
昔は同程度の幅の道がずっと続いていたのだろうか。


ここで写真を撮っている間も開交差点を行き交う車の喧噪が聞こえてくる。それほど離れていないのでこの狭い道に入って来そうな気がしながら、実のところ一台も入って来ない。

この幅は普通車には…さてどうだろうか。
両側にみっしり植え込みがあって片側には蓋のない溝があるので厳しいだろう。軽四でも物理的にギリギリかも知れない。


路面には四輪が通ったらしい轍がまったく見られない。実際に通っているなら多少なりとも路側の砂はまきあげられるものである。
それでも撮影中に配達の原付がここを通った


道標のあった場所の写真でも分かるようにこの古道区間への通行規制標識は何も設置されていない。地元在住民以外には認定市道区間であることすら知られていないから、表向き地元管理道のような顔をすることで自主規制が効いているのだろう。

この狭隘区間が長くは続かないことは先の地図でも明らかだった。自転車にとってはむしろこの道の方が安泰とも言えた。元より随所で写真を撮って進む目的なので、自転車を降りて押し歩きした。

(「市道常盤公園開片倉線【4】」へ続く)
出典および編集追記:

1. この道ではなく一つ手前の市道猿田住宅線経由だったかも知れない。当時から市営住宅自体はあったが現在のような鉄筋コンクリート造りではなく木造平屋が主体だった。

2. 開市営住宅は木造平屋の4戸続きの長屋である。年4回ある定期募集では募集停止されている。

3. 上流側の隧道ポータル前はかつてカーブした開渠だったがその上にコンクリート床版が架けられ暗渠化されたため。

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