市道常盤公園開片倉線【4】

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(「市道常盤公園開片倉線【3】」の続き)

「これが同じ市道?」って思えるように狭くて交通のない道で自転車を押し歩きしている。

道路レポートでの移動手段は自転車である。そして…自転車で狭い道路に出会ったとき、その幅の狭さを表現するために必ず行うお約束がある。
自転車を横置きに停める。


曲がりなりにも横置きにできるので、片側が水路で物理的に横置きにするのも困難な市道岬赤岸線の狭隘区間よりは幾分マシだ。
そして横置き状態で写真を撮っても往来の人や車の邪魔になるかという心配も要らない道路なのだった。

先の方に出口が見えてきた。


車で通るならお馴染みな対面交通の道に出てくる。



対面交通の道のこの場所が市道開墓地公園2号線の終点だ。
したがってここから北側は再び本路線となる。実際にはそんなのを意識するドライバーなど皆無だろう。


まあ、わざわざ戻る読者も居ないとは思うが念のために枝道の終点リンクを案内しておこう。
ページのトップまでスクロールすれば起点から読むことができる
派生記事: 市道墓地公園2号線|終点
ここからはまた背後からの車の心配をしながら進まなければならない。
乗っての移動になるので幅広い道路の左側へ移って進行再開した。


市道墓地公園2号線の対面交通規格を引き継ぎ、緩やかな登りとなる。
進行方向左側に見えているのは風呂ヶ迫市営住宅の第8棟だ。


8号棟のすぐ前を通る道に出会う。
市道沼風呂ヶ迫線で、ここが終点となっている。


路線名の通り終点から辿れば沼付近(正確には沼2丁目の工学部通り三差路)に出られるので交通需要は大きい。本路線の終点側から来てここで右折する車がかなり多い。双方とも対面交通規格で接続部の三差路も割と広いので減速せずダーッと下ってきて右折する車が目立つ。

そこを過ぎるとなおも本路線は登り坂になる。しかも路側帯が消えて道路幅が狭まりまたしても自転車には苦難の道だ。


この登り坂の途中に門構えのような2本の石柱が道路を挟んで立っている。[2015/1/8]
ピンぼけだったので写真を撮り直し差し替えました


これは開墓地公園の入口を示す石柱のようである。相当に古いと思われるが年号などは見当たらなかった。詳細は以下を参照。
派生記事: 開墓地公園石碑
通り慣れている私たちからすれば本路線の行方について悩む要素はない。しかし初めて車で訪れたならどう進むべきものか迷うかも知れない。分岐路は明らかに左側の方が幅広である。

前項で開墓園の話を持ち出したことから明らかなように、本路線はここは直進である。墓園は近傍の高台にあり本路線はその中を通過している。


左への分岐路は途中に風呂ヶ迫市営住宅の各棟へ向かう枝道を含み、主にひらき台へ向かっている。
ひらき台には個人的な関わりがまったくないので詳細は調べていないが、この近辺ではかなり広い住宅地で、市営バスは本路線を避けてひらき台内部を通っている。この道は認定市道ではなく地元管理道となっている。
この場所から市営バスが出てくる映像はこちら

一般的には外部車両による地元管理道の通り抜けは好ましくない[1]のだが、ひらき台への道はバス路線になっている位なので自由に通行できる。本路線のここから先は道路勾配がきつく幅も狭いので、自転車なら少々遠回りになってもひらき台経由を考えるかも知れない。
しかし後述するように本路線とひらき台経由の道が再び合流するのは最高地点から殆ど下っていない場所である。特にこの分岐からひらき台へ向かう場合、一旦赤岸池の近くまで下り坂なので、普通に本路線を辿る以上に厳しく長い坂を登る必要がある。ひらき台を通る車両は本路線と変わらないかそれ以上に多いので、ここから片倉方面へ自転車で向かうなら腹をくくって本路線をそのまま通った方が良い。
以上の記述はもしひらき台に関する項目を作成した場合は移動する予定

…という訳で…
自転車は腹をくくってそのまま進行しましょう!


言うは易く行うは難しだ。
この坂道は起点からここまでに至る過程でもっとも勾配がきつい。ギア付き自転車なら何とかなるものの結構な距離があるし休むわけにもいかない。


この坂道部分にはセンターラインはおろか路側帯もない。それでいて交通量は一部の車がひらき台方面へ離脱するだけだから決して少ないとは言えず、背後から追い立てられるプレッシャーがある。
特にこの狭い区間で背後から車が来た場合は休むことも降りることもできない。


墓園に至るまでのこの場所は先にみた一般車両通行不能な古道を除いて最も狭い場所だ。
路肩はそのまんまねぶり付けているだけで脱輪防止に路肩標が刺さっている。この状況は私がこの道を知った当時から殆ど変わっていない。


やっと頂上と言うか平坦部に到達する。
この辺りには墓参者向けに車を停められる場所がいくつかある。それらは本路線を行き交う一般車両の離合地にもなっている。
脚力に自信のない方は始めから自転車を降りて押し歩きするのが賢明


反対側から今登ってきた坂を撮影。
市街地へ向かうときはここが最後の狭隘区間となる。車にとってもなかなかに嫌な場所だ。


本路線を風呂ヶ迫へ向かって降りる車はこの場所の下り坂がきついため、坂を登ってくる車が見えづらい。下り坂に入るまで対向車の存在が分からない。連続した数台の車とすれ違うことはそう多くはないが、下り始めはまったくの運任せだ。本当にタイミングが悪いと下り坂へ入った直後に複数台の車と一番狭い場所で減速・離合させられる羽目になる。

坂を登り切ったところが墓園のほぼ最高地点だ。
あまり目立たないが進行方向右側に市道開墓地公園線の終点がある。この道は市道丸山黒岩小串線から分岐し、開墓園の中で本路線の2箇所に分かれて接続されている。
一度も通ったことがない


思えばスタートした常盤池の本土手付近は標高が20mちょっとだった。そこから微細なアップダウンを繰り返しつつ基本的には登り坂主体で、この場所の標高は概ね68mである。[2]
遠くに見えているネットはゴルフ練習場のもので、その左のピークが黒岩山だ。


開墓園は市公園緑地課の管理する墓園の一つである。個人的関わりはなく参拝に訪れたことはない。しかしかなり広大な墓園なので彼岸やお盆はもちろん休日でも天気の良い日には墓参者が目立つ。
派生記事: 開墓園
すぐ道路の傍まで個々の墓石が迫っている。
このため昼間はどうということはないが夜は車のヘッドライトが墓石に反射しなかなか妖しい風景になる。


初めて夜この道を通ったドライバーは自分の車のヘッドライトが墓石に反射する様子が人魂のように見えて怯えるかも知れない。まあ、あまり気持ち良いものでもないだろうが、対向車の存在が早く分かって良い点もある。

黒岩山を右手に眺めつつ本路線はややきつい左カーブで進路を直角方向に変える。


カーブの外側から撮影。
やや半径が小さくきついカーブで双方から見通しが良くないので注意が必要だ。


個人的関わりはないのだがここにある面白い表示板についてどうしても言及せずには居られない。
派生記事: 場所柄なお店の看板
写真撮影が昼間の天気が良い時期だったからそれほど感じられなかったが、夜は前方に見えるこの建屋以外墓園の周囲には民家も何もないので今でも墓園内を車で通るときはかなりおどろおどろしい。そういった負のイメージを吹き飛ばしてくれる陽気さは拍手モノだ…

(「市道常盤公園開片倉線【5】」へ続く)
出典および編集追記:

1. 認定市道と異なり地元管理の道は補修に係る費用は基本的に地元負担である。外部車両が通過することで道路は傷み、近隣住民の騒音や周辺で遊ぶ子どもへの脅威となる。特にスーパーなどの事業所に乏しい地区の場合、通り抜け車両は地元在住民に何のメリットも与えない。
このような背景から、狭い認定市道を回避する広くて近道となる地区道では出入口に外部車両の進入禁止看板が設置されている場合がある。もっとも地元地区への用事の有無を判定する方法がなく、進入拒否はできないのが実情である。

2. 地理院地図の標高データによる。

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