市道神原町草江線【1】

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現地撮影日:2012/4/29
記事公開日:2012/5/1
市道神原町草江線は、市内でも交通の要の一つである国道490号神原交差点に起点を持ち、ほぼ一貫して南東に進み草江駅を過ぎて県道宇部空港線に至る主要な路線である。

後々の説明上、今回は市道の経路図を先に示しておこう。


終点はJR宇部線の草江駅を過ぎた先、即ち空港入口である。即ち市街部から空港へ向かう分かりやすい最短路線であり得る。それにも関わらず、この記事を書いている現時点では未だに空港に向かう経路として案内されていない。この路線を使って空港に向かうよう推奨する案内標識が一つもない状態だ。
多くの市民はこの事実および理由を知っている。まずはどのような案内が行われているか市道の起点周辺を観察しておこう。

国道490号の上り線側に立ち、神原交差点を撮影している。これから市道を辿るならここで左折することになる。
オーバーハング形式の青看によれば国道はこのまま直進、右折は県道琴芝際波線の起点だ。


左折方向は道があることを示す矢印があるだけで、行き先案内はない。
「恩田」と書いておくのが一番分かりやすいと思うのだが…

このまま国道に沿って神原交差点から離れる方向に移動してみた。
山口宇部空港、神原交差点を直進して4kmと案内されている。


この案内から神原交差点の間に他の分岐は存在しないから、市道へ向かうことを推奨していないことになる。

地図では空港までの道があるのに、どういうことだろうかと思われるだろう。
実際、先に答を言ってしまえば、市道を通って空港に行くことはできる。それどころかあなたが以下の条件を満たすなら、これから私が案内する市道に向かうことをお勧めする。
(1) バスや大型車を運転していない。
(2) 狭い道、知らない道は苦にならない。
(3) 近道を覚えて人に自慢したい。
安全運転は必要だが、これから向かうのは天下の公道なので通行自体まったく問題ない。堂々と胸を張って通っていける。
該当者はまあ殆どいないだろうが(苦笑)それでは行ってみようか。

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地図で起点の位置を確認しよう。


直近の神原交差点の映像である。これから向かう市道は背の方向になる。
左右に横切るのが国道490号で、正面は県道琴芝際波線の起点になる。


神原交差点は見かけ上は単純な十字路であるものの、市道・県道・国道が一ヶ所にまみえる主要な交差点の一つである。
交通量が最も多いのが国道であることに疑いはないが、市道や県道も決して国道に引けを取らない。むしろ国道より車線数が一つ少ない分だけ交通の流れは悪く、朝夕はしばしば酷い渋滞に見舞われる。
先月上旬から場所を変えて行われたガス管埋設、下水管整備工事などでは激しく渋滞した

回れ右すればここが市道の起点になる。
時期柄ツツジが美しい。


せっかく起点に居るのだから、道路の様子を撮影…とはとてもいかない。
何しろ県道と互角に渡り合う市道…交通量が多く、とても車道付近をウロウロできるような場所ではない。それどころか歩道も往来する歩行者や自転車が多く、カメラ取り出して構えるだけで思いっきり「浮いた」「怪しい(アブナい?)」人となってしまいそうだ。

そこで現在も殆ど変わらないので3年前の写真を…
交通量が多く危険なことは市も認識しているからか、歩道に自転車マークがペイントされている。


元来、自転車は車道を走行すべき乗り物であって、歩道走行は基本的に認められない。しかし広い道路を造り難い日本の道路実情があるので、自歩道なる曖昧なものが存在する。「自転車通行可」という標識が出ている歩道がそうである。
充分に幅が広い歩道や景観上の問題より標識が掲示されない場合もある

自歩道にペイントされた自転車のマークは、自転車が「通っても良い」(気持ち的には「危ないからできればここを通ってね♪」というところだろう…)ことを示しているが、通行義務ではない。このマークにかかわらず自転車が車道を走るのは違反ではない。もっとも要所要所で停車しては撮影を繰り返す”自転車隊”が車道を走るなど危険極まりないので、当然自歩道を進むことになる。

起点を出て最初に出会う交差点。直角に横切るのは市道神原町線である。
上り車線側にサンライフ宇部という体育関連施設があり、一つおいてその隣が弓道場である。


サンライフはかつて個人的に関わりがあったのでちょっと横話として遺しておこうと思う。
派生記事: サンライフ宇部
これと次の2枚は3年前の写真だ。
この交差点に設置されている信号機は、かつては押しボタン式だった。しかし横断需要が多いからか、5年位前から通常の信号と同じ動作をするよう変更されている。
信号機の下に”押しボタン式”と書かれた表示板が外されずに残っている


押しボタン式信号を過ぎた先に宇部市弓道場バス停がある。



市の中心部から若干外れたとは言っても道路沿いには店舗が多い。その先には左へ入る道のみの分岐に出会う。市道梶返線で、成り立ちは古そうな道だ。しかし狭い上にこの後出会う交差点からも行けるせいか、殆ど通行需要はない。


寄り道するには以下のリンクから。
派生記事: 市道梶返線
市道梶返線を横切った先に、かつて私が昔よく通っていたパソコンショップがあった。
現在も同種のお店となっている…スタッフは多分もう居ないだろう
派生記事: 通い詰めたパソコンショップ
続けて正規の信号機による交差点に出会う。
ここで横切るのは市道神原町沼線で、向かって右からの車の出入りが圧倒的に多い。


写真では同じくらいの幅の道の十字路に見えるが、左側から出てくる車は殆どない。それと言うのも主要な市道ながら左へ行く道の途中で車の通り抜けが困難な区間があるからだ。
市道神原町沼線のレポートを作成した折に述べよう

歩道を行き交う人がまばらになったところで車道を撮影。
道路を撮るなんて人はそう居ない…周囲の目がとても気になっていた


道路規格としては対面交通で、追い越し禁止のセンターラインがある。片側車線の幅は1車線と言うには広く、2車線には届かない中途半端な幅だ。交差点に出会うたびにセンターラインを移動し、右折レーンを確保するスタイルになっている。
この道路幅は神原交差点より反対側へ伸びる県道琴芝際波線と同等である。ただし現在もコンクリート舗装のまま供用されている県道とは違い、市道神原町草江線はアスファルト舗装である。
この市道がコンクリート舗装の時代があったか思い出せない

市道は起点をスタートしてからまったく曲がることなく平坦な道を突き進む。
そして見かけはT字路ながら信号機付きの交差点に出会う。


ここで市道清水崎恩田線が横切っている。ここでは車が通れるのは向かって左側の分岐だけで、右側は車が通れない。
歩行者や自転車は問題なく通れる
小さな交差点ながら経常的に動作する信号機があるのは、ここに神原中学校があるからだろう。

また、清水崎恩田線と挟まれた間の角にある店舗は、かつてはコンビニだった。
派生記事: セブンイレブン中央高校店
横断歩道部分にカメラを向けている。
アスファルトが新しく被せられ、自転車通行帯やゼブラも新しくペイントし直されている。


自歩道が車道に降りる部分の段差が小さくなるように擦り付け直されている。これは最近の傾向だ。
「段差を解消したので自転車は自歩道を走るように」という推奨のようにも思える

この交差点を過ぎると神原中学校のグラウンドが見えるようになる。交差点付近に神原中学校バス停がある。


ここで初めて振り返って撮影。
遠すぎて神原交差点はもう見えない。市道が完全にフラットで直線なのが分かるだろう。


神原中学校のグラウンドを囲うブロック塀が切れたところで用水路同然の川に出会う。


この川は塩田川と呼ばれており、真締川の支流の一つである。
殆ど大した由来もない川と橋だが、後々のことを考えて別記事に仕立てておいた。
派生記事: 塩田橋
さて、出発前の話を蒸し返すことになるが…
この市道は公式には空港へのルートとして案内されていないながら、密やかに「実は近道だ」と囁いたことを思い出して頂こう。

塩田橋を渡ってすぐのところに空港を案内する青看があるではないか…


飛行機のロゴをあしらった空港方面の案内看板があり、ここを直進2.5kmとなっている。
さっそく話が違う…^^;

まあ、この市道を走るのに必ずしも国道490号で見つけた空港方面の看板を眺めることを要しない。別の道を通ってここに至る可能性もあるわけで…
知らずにこの市道へ入り込んでしまったドライバーのために、実はこの道でも行けるんだよと教え諭しているようでもある。

塩田橋から100mも行かないうちに市道同士としては最大の交差点に出会う。
地図には特に明記されていないが、清水川交差点と言えば殆ど誰にも通じる位の知名度がある。


記述すべき項目が多いので、派生記事として分割処理した。
派生記事: 清水川交差点
さて、市道神原町草江線のフラットで直線的な区間はこの清水川交差点までである。どちらかと言えば単調で機能一辺倒な市道だったが、この先で変化が現れる。それと同時に、私が熱く語りたくなる地域ヘ少しずつ近づいていくことになる。

(「市道神原町草江線【2】」へ続く)

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