市道神原町草江線

市道インデックスに戻る

記事作成日:2015/5/22
最終編集日:2019/11/23
市道神原町草江(かみはらちょう・くさえ)線は、国道490号の神原交差点を起点として東へ進み、国道190号の恩田東交差点を横切って恩田町、草江を経由して県道宇部空港線に到達する認定市道である。
写真は本路線中の塩田川横断部分付近。


現在の経路を地理院地図に重ね描きした画像を示す。は起点、矢印は終点を表している。
経路のGeoJSONデータは こちら


現在の路線は都市計画道路鍋倉草江線の一部を構成しており、神原交差点より山口宇部空港へ向かう最良アクセス経路に昇格させるべく数年前より断続的に工事が行われていた。2016年3月末にすべての工事が終了し、神原交差点付近では空港までの最短経路として標識の変更も行われた。
《 歴史 》
神原交差点より本路線とは逆の西方向へ進む県道琴芝際波線、市民館前交差点より西の市道小串通り鍋倉線と共に昔から産業道路として親しまれてきた道である。

最初期には恩田、清水川から神原を経て鍋倉交差点を通り、国道190号の旧道区間から厚東川を渡って流川、丸河内、小野田市外へ至る区間を総称して産業道路と呼んでいた。[1]しかし現在では産業道路と言った場合、本路線は含まれず神原交差点から鍋倉町交差点までの区間を指すことが殆どである。[2]

現在の県道区間が整備された後も本路線の幅はそれより狭かったようである。本路線も初期はコンクリート舗装として整備されたようだが、現在ではコンクリートが表層部に残っている区間は存在しない。[3]また、神原交差点より恩田側は現在の県道区間とは時期を違えて施工されたようである。両者は神原交差点を挟んで見かけ上フラットだが、実際は県道側の方が数十センチ高いことが判明している。これは神原鉱区の耕地整理で渡内川を整備し直したときの影響を受けていると思われる。
【 路線改良 】
現在の路線のうち清水川交差点より200m程度進んだところにある恩田交差点への分岐路から国道190号恩田東交差点へ出るまでの区間は平成期に入ってからの新規築造である。この区間は起点からの産業道路仕様とは異なり対面交通ながら車線幅が広く両側の自歩道も広めに確保されている。


恩田東交差点より南側は平成初期まで普通車同士の離合も困難な狭い道であった。この区間は大正初期に造られたことが分かっている。[4]2016年半ばまでに踏切を含めて空港前まで対面交通の道が整備され、古い道路線形はほぼ新しい幅広の道に飲み込まれた。現在は勾配変わりなどで既設道路から外れた部分が僅かながら遺るだけである。
出典および編集追記:
1. 特に厚東川大橋から丸河内までの区間の改修工事が始まったのは昭和14年11月とされている。
「なつかしい藤山」p.45

2. 現代では神原交差点から鍋倉交差点までを指して産業道路と呼ぶことが一番多いようで本路線の区間を指して産業道路と呼ばれることは現在ではない。これには「産業道路」=「コンクリート舗装」というイメージが相当浸透しており、表層部にコンクリート舗装が残らない本路線の区間を外す考え方からである。

3. 市道清水川競技場線の本路線分岐点を含めて初期はコンクリート舗装だったという意見がある。しかし現状はもっとも古い舗装部分もアスファルトである。詳細は上記路線レポート記事を参照。
上記レポートでは自分でそう書いているのだが今となっては記憶に自信がない

4.「ふるさと恩田」(ふるさと恩田編集委員会)p.133
《 Googleストリートビュー 》

《 近年の変化 》
終点付近の区間で道路改良が継続していた上に全路線にわたって商業店が多いため入れ替わりなどの変化が著しい。それらのうち捕捉できているもののみ記述する。
把握し切れていない落ちは当然ある
【 恩田ふれあいセンターから終点までの拡幅工事 】
2015年に入って草江駅の両側を挟んだ区間の拡幅工事が進められた。4月までに終点側から踏切の少し手前まで路体盛土を完了、5月からは駅前の最後まで残っていた狭隘区間の工事が始まった。既存の道路高に合わせて畑地だった場所を掘削し、擁壁および雨水側溝の布設を行っている。並行して駅付近で道路敷にかかる電柱の移設も実施された。


草江駅のプラットホーム東側が10m程度道路敷にかかるため削り取られた。この変更を見越して既にプラットホームは西側へ延伸されている。一連の道路改良工事については以下を参照。
派生記事: 市道神原町草江線・未改良区間(2016/9/21)
鉄道は大量人数の輸送にかかる公共性の強いライフラインのため、関連設備に改変を与える工事の安全管理や工程管理は厳しいものが求められる。計画から着手まで非常に時間がかかるのが通例で、微細な改変の場合はコストに見合わないため放置されることも多い。市内でも前後の市道は完成していながら踏切部分のみ未改良という場所がかなりある。本路線の場合は踏切のみならず駅舎の構造にも影響を与えるだけに、鉄道関係の構造物の改変工事着手は当分先のことのように思われていた。このため前後の区間が築造されてほどなくして踏切部分の工事が進められたことは予想外だった。

市街部と空港方面との主要連絡道路に昇格して利便性が高まるので、交通量の増大が予想された。しかしこれまで不定期に自転車で本路線を通行した限りではそれほど目立った増加は感じられない。また、バス路線に指定され恩田ふれあいセンター前と草江駅前の2つのバス停が新設されたが、未だ市営バスが走っているのに出会ったことがない。(2017/7/10)
【 自転車専用レーン設置 】
2015年の4月に起点の神原交差点から清水川交差点まで上下線に自転車専用通行帯が設置された。これは宇部市内における自転車専用レーン設置の第一号である。


専用レーンの実現は、かねてから自転車の走行空間確保の重要性を説いていたうべ交通まちづくり(通称:うべこまち)の働きかけによるものが大きい。特にこの区間へ試験的に導入された理由は、産業道路そのものの道路幅が通常の対面交通仕様道路よりも幅広で自転車走行帯を確保する余裕があったこと、慶進高校や香川学園高校など本路線は通学路としての通行頻度が極めて高いこと、脇道への視認性を妨げる歩道の高木が少なかったことなどによる。

専用レーンの設置にあたって既存の路側帯やバス停ラインを抹消し、レーン幅を確保した上で路側帯を引き直し自転車通行空間には自転車のロゴなどをペイントしている。特に自転車帯の左側通行厳守を普及するために進行方向を示す矢羽根がペイントされている。レーン設置により車道幅が狭められたため、車道部の速度規制が50km/hから40km/hに引き下げられている。

現在のところ清水川交差点以南や神原交差点より県道琴芝際波線側に対してはレーンは設置されていない。今後の利用状況をみた上で将来的には産業道路に相当する区間に設置されるものと思われる。
学生の登下校時間帯は観察していないので利用実態は分からないが、一般の時間帯では自転車専用レーンを継続的に走っている人は少なく未だ半数近い自転車が自歩道を走っている。自歩道では右側走行する自転車も多く、これは現行法規として認められている。個人的には買い物の帰りや先を急ぐ必要がなく低速走行するときは自歩道、先を急ぐ場合や筋肉負荷目的でスピードを出す場合は車道を走っているので、自転車専用レーンは車道扱いとして利用している。
【 店舗関連 】
本路線は沿線の両側に商用店舗が多く、近年はスクラップアンドビルドによる入れ替わりが激しい。把握している分に限定し時期的に早いものから順に記載している。

・2015年の年明けまでに本路線と市道恩田野中線、市道恩田則貞線に挟まれた領域すべてが造成されリーベンタウン恩田2丁目という新興住宅地となった。この場所は以前はすべて畑地および休耕田だった。


・2015年の春頃までにサンライフの東側にあった社会就労センター セルプ南風(社会福祉法人 南風荘)が取り壊され、跡地にアーデント神原という高層マンションの建設が始まった。正確な入れ替わり時期は不明。


・2016年3月に市道神原町沼線交点の角地にファミリーマート宇部東梶返店が建設された。新装オープンは同月25日だった。


この角地には最初期に洋菓子(ケーキ主体)のお店ラペ(La Paix)が入っていた。その後同店舗が空港通りへ移転した後は暫く月極駐車場になっていた。

・2016年5月中旬までに神原町2の本路線南側にあった琴崎産業の建物すべてが取り壊された。跡地には同年8月よりドラッグストアコスモス神原店が建設され9月中旬までに付帯工を含めてすべての工事が完了した。ただし新装オープン時期が未定な状態が暫く続いていた。(2016/9/20)


・2016年8月末をもって神原交差点に近いカラオケ店シダックス宇部神原クラブが閉店した。シダックスによる全国レベルでの不採算店舗を閉店する方針で、同年4月より8月まで52店舗が閉店することとなった。宇部神原クラブは閉店日となる8月31日は普通に営業していた。
譲渡先の話が決まっていたようで、9月入りするとただちに店舗の改装工事が始まった。建物はそのままで激安カラオケバンバン神原店に生まれ変わる。オープンは同月17日とされている。(2016/9/15)

・2017年の春頃にローソン神原店(店舗名未確認)が閉店した。道路に面して駐車場があり店舗がその奥という配置なので道路からは視認しづらい難点があったが、利用者は相応に多かったらしく閉店を惜しむ声は多かった模様。同年10月の時点で看板は降ろされた状態で建物は今も遺っており、入口に車止めのバリカーが設置されていた。
2018年に入ってから建物の2階部分が事務所として使われていたようである。同年5月下旬までには建物を改修しHIROSHIGEという自転車専門店となっている。


・2018年の5月中旬にジャパンライフ®の建物の取り壊しが始まった。


この建物の前身はブルドッグという小物専門店で、平成10年代頃まで続いていたと思われる。

・2019年8月頃に神原中学校の建築ブロック塀がすべて取り壊され改修工事が始まっている。老朽化した建築ブロック倒壊による学童の死亡事故が問題視され、全国レベルで取り組みが始まっている。改修後はブロック積みを低くした上でネットフェンスを施工する。同種の取り組みは市内他の小中学校でも進められている。本路線に面する自歩道沿いには永らく安全管理施設が設置されていた。

・2019年11月中旬にダイソー恩田店の真向かいにある山口スバルの営業所が取り壊された。これは恐らく中央町エリア(ジョイフル中央店やインテリア城南、更に以前にはLet's 09があった角地)に営業所が出来たことの移転処理と思われる。
起点から終点までの全線にわたる詳細な道路レポート。全3巻。
時系列記事: 市道神原町草江線【1】(2012/5/1)
参宮通りと県道琴芝際波線、本路線のまみえる神原交差点について。
派生記事: 神原交差点
(記事が書き上がり次第リンクで案内します)
《 個人的関わり 》
区間によって利用頻度も関わり方もまったく異なるので、区分して記述している。
注意以下には長文に及ぶ個人的関わりが記述されています。レイアウト保持のため既定で非表示にしています。お読みいただくには「閲覧する」ボタンを押してください。

現在は車での往来は殆どなく雨天時に恩田方面へ車で買い物に行ったときの還路くらいのものである。自転車では空港方面に行くとき通っている。

ホームに戻る