市道平原浜田線

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記事作成日:2016/1/2
市道平原浜田線は、藤山歩道橋から北上し由利野峠を越えて浜田に至る認定市道名である。
写真は由利野峠付近の印象的なカーブ。
正面の坂道を更に上がったところに智光院がある


ルートラボを掲載する。


藤曲歩道橋にて旧国道190号である市道藤曲厚東川線から分岐し北上する。起点直後から一定ペースでの長い坂道となる。
かつて皿山という丘陵部の横を越える地点は字名より由利野峠と呼ばれていた。ここで中山の方へ降りていく道と分岐し、本路線は大きなカーブを2つ繰り返して下り坂に向かう。
ほぼ同様のペースで長い坂を下り、浜田集落へ入る。途中で岩鼻方面からの主要な道である市道岩鼻浜田線と合流し、最後にやや見通しの悪いカーブを曲がって浜田橋を渡り県道琴芝際波線へ接続し終点となる。

起点から由利野峠まではセンターラインのない1.4車線相当の幅で歩道は付属しない。峠より北側は平成期に至るまで殆ど民家もない寂しい道であったが、文京台の宅地開発に合わせて道が拡げられ、終点までセンターラインを有する道となった。文京台と連絡する道は宅地造成まで存在しなかったが、現在は市道東文京台線が接続され、ここを経由して本路線に流入するバス路線が設定されている。
《 歴史 》
起点に設置されている新設道路標より分かるように、市県の補助金に加えて旧藤山村の有力者である秋富久太郎氏が自前の土地と資金を寄付することで建設された道である。この道以前より藤山村から厚南方面へ往来する道は存在したが、道幅が狭く足元の悪い踏み付け道だったらしい。
一部は確認しているものの正確な全経路はまだ調べていない

最高地点の由利野峠で本路線と中山へ降りていく道に分岐する。双方とも秋富氏の時代に整備された。
自身の所有地を寄進し道路敷にあてたためか道路標から由利野峠まではほぼ直線的な道となっているのだが、峠にある中山へ降りる道への分岐点から先に著しく蛇行している区間がある。この異常な線形の理由は長らく不明だったが、昭和20年代および30年代の航空映像を解析することにより、山側へ蛇行している部分は大きな沢の先端をなぞっているためということが判明している。かつては沢筋の低い位置に溜め池があったが、灌漑用水需要が減った昭和中期以降埋め潰され、沢全体を埋める形で盛土し住宅地となっている。このため昔の地形が読み取りづらくなっている。

峠の北側にある最高地点に智光院があり、この辺りはかつて皿山と呼ばれていて早期に瓦を焼く工場が軒を連ねていた[1]と言われる。窯業の技術に長けた石州より移り住んだ人々もある。

先述の通り由利野峠より北側は文京台の宅地造成に伴い拡げられた。それまでは峠を越すといきなり道の両側に家がなくなり県道接続部の終点まで狭く細い山道状態だった。
出典および編集追記:

1. 人家の建造向け瓦で隆盛を極め、その後は登り窯による皿や鉢を焼くようになった。しかしいずれも廃業し今は殆ど残っていない。かつて「あな恐ろしや瓦屋さん 鬼の頭を黒焼きに」などと歌われていたという。「なつかしい藤山」p.154 参照。
《 近年の変化 》
・2013年夏頃より沿線にある神田池の埋め立てが始まった。2014年に入る頃には宅地造成が始まり2015年になると溜め池周辺部も含めてサンシティー藤山タウンという分譲地となり、同年中には半数以上に家が建っている。また、市道に面して分譲地向けの東平原第二公園ができている。

・2015年の夏に起点にある藤山歩道橋がネーミングライツの活用により「三和電気(株)元気藤山歩道橋」と改名され、側面の歩道橋名が書き換えられている。

・浜田付近で本路線の上空を横断している鉄塔西宇部線の箱形鉄塔が更新された。古い鉄塔は電線と碍子を外された状態で2016年を迎えたが、現在はすべて除却されている。

・2016年10月のダイヤ改正で数年前に設定された中山線のバス路線の浜田3丁目〜文京台1丁目が廃止されることとなった。[1] したがってバス停サインはいずれ撤去されることとなる。
出典および編集追記:

1.「宇部市交通局|平成28年10月1日ダイヤ改正について
《 Googleストリートビュー 》
交通量が極めて多い主要な認定市道なのだが、道幅が狭いからか今のところ映像採取走行が行われていない。(2016/8/15)
起点から終点までを自転車で辿った全線レポート。全3巻。
時系列記事: 市道平原浜田線【1】
《 個人的関わり 》
時系列記事でも書いているように、学生時代から自転車で頻繁に通っていた道である。
書くと長くなるので折りたたみ表示状態にしている。

注意以下には長文に及ぶ個人的関わりが記述されています。レイアウト保持のため既定で非表示にしています。お読みいただくには「閲覧する」ボタンを押してください。

最近ではゆめタウンいずみ方面で買い物をして東小羽山方面へ向かいたいとき、夕刻時の渋滞が酷い県道を敬遠して琴川橋を渡り市道岩鼻浜田線、本路線を経由して浜田橋へ出るルートを通ることがある。自転車の場合は上条金山線の方が峠越えの労力が少ないことが経験的に分かっているので殆ど通行しない。

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