ある程度の覚悟はしていたもののやはり藪漕ぎタスクが求められた。
今回自転車は連れてきていないが、この酷さなら自転車を押して歩くのは完全に不可能。
身体をグイグイ藪へ押し付けて強引に道を造るような進攻ぶりだ。
イバラなど攻撃をしかけて来る種の草が紛れていないのは幸いだった。あれが入り込んでいると突破に要する労力は倍以上になる。まず脚で踏み付けて足止めを喰らわせないよう処理しながらでないと、そのまま突っ込めば流血の事態になるからだ。
先方に開けた空間が見えかけていたから、長丁場になる心配はない。ここまで来たなら腕ずくで突破あるのみ…「道が失われているなら、自分で道をクリエイトする」精神だ。
(おっと…実際はそんな大層なモノでもない…ただの物好きである^^;)
先へ抜けられることが確認できて足元にも特に危険がなさそうなことが分かったので、完全に抜け出る前に再度藪の始まる場所まで戻って脱出状況を動画撮影した。
[再生時間: 48秒]
大きく笹藪をかき分けた先に目的の場所が見えた。しかし斜路へ出るまで意外にもたついているのは、股下あたりまでズブズブ埋まる笹のためであった。
はい、起点到達完了〜♪
比較的短期間に3度訪れて写真を撮っており、もはやこの場所も馴染みになりつつある。
お約束だが、今回の「被弾状況」。
初回トレース時ほど酷くはなかった。道中の殆どがほいと攻撃しない笹だったからだ。
脱出地点から起点を撮影。
確かに入っていける状況ではないが…酷い藪はごく短かった。ただ、少なくとも草木が伸びるサイクルとなる少なくとも一シーズンは誰もここから通らなかったのは確実だろう。
本路線の起点には既に記事化されている多くの道が関わるので一通り案内しておくと…
まず、藪を脱出した市道金山線の起点の反対側は市道藤曲門前線の屈曲点。
この写真では左へ曲がり斜路に繋がっている。
そして市道藤曲門前線と中山浄水場の斜路が共有する区間。
派生記事: 市道藤曲門前線・押し上げ管路【2】
右側は中山浄水場の斜路だ。この下に桃山配水池へ押し上げる上水の本管が埋設されている。
派生記事: 中山浄水場・押し上げ管路【1】
以上、案内終わり。市道崩金山線から記事を辿って読みに来られた方は、私みたいに酷い藪漕ぎを体験せずともネットの上で自由に寄り道できる。羨ましい限りだ…^^;
長居は無用だ。これは市道崩金山線の逆トレース中におけるミッションに過ぎない。自転車の元まで戻る必要がある。
再び笹藪の中へ引き返した。
起点側からは初回トレース時に記事化しているから足早に歩いた。
しかし初回トレースでも見落としていたものはカメラで注意深く拾い上げた。
人の握り拳みたいな根をした樹木。
何とも言えない外観だ。白岩公園にもこういうタイプのけったいな樹木はあったのだが…
石切場の跡だったように思われる壮大な岩場の横を通り過ぎて…
桃山配水池の方へ登っていく分岐路まで戻ってきた。
多分、再度訪れることはないと思うので別途派生記事に書いておこう。
派生記事: 桃山配水池に抜ける山道
再び背丈を超える笹の群生地へ戻ってきた。ここが普請されていなかったら進攻不可能だったかも知れない。
そして水路と市道の位置関係が入れ替わる場所があり、そのすぐ横に電柱が建っていたのだった。
この配電線が終点付近になる民家への給電目的であることは疑いないのだが、どういう経路を辿っているのか分からない。
中山浄水場の斜路にも電柱が建っているが、それは水道局の占有物件で中国電力によるものではないことが分かっている。
コンクリート柱には「オウバヤマ」の文字がみられる。
これは恐らく配電線の路線名である。漢字表記は「大場山」か「大羽山」のどちらかだろう。[1]
ここまでやり尽くせばもう充分だろう。
市道のど真ん中に停め置かれていた自転車が主の帰りを待っていた。
さて、崩金山線トレースへ復帰するか…
前方のコンクリート電柱のある場所が市道金山線の終点である。そこで右折(という感覚でもないのだが…)して崩金山線に復帰した。
ここから先の時系列としては以下のリンクから復帰されたい。
(「市道崩金山線【7】」へ続く)
本路線のトレースとしては以上だ。
最後にこの路線にも冠されている金山という地名に関する派生記事を案内しておこう。
派生記事: 金山について
時期を違えて2度トレースを完遂し、記事は比較的短期間にすべてまとめ上げた。今後は何か新しい情報をキャッチしない限り当分の間はこの市道を通ることはないだろう。道中特に見るべきものはない。壮大な露岩にしても恐らく珍しいものでもなく、わざわざ観に行く程の稀少性もない。この路線が整備される予定も全くないし、普請する人が居なくなれば限りなく自然へ還っていくと思う。むしろ認定市道ながら酷い藪状態という事の方が話題性がある。
笹藪は突破するのが大変にきついが現地は特に危険な所はない。真っ当な道を辿れている限りは大怪我をしたり山中を彷徨ってしまうリスクは低いので、失われた昔の道を歩くとか、藪漕ぎで根性を付けたい(?)なんて志向する人々には訪れてみるのも一興だろう。
(そういう奇特な方には春先から夏場の訪問をお勧めする^^;)
終
出典および編集追記:
1. いずれも「おおばやま」と読む。大場山は現在の宇部変電所敷地一帯の字名で、大羽山はその北側の字名である。
1. いずれも「おおばやま」と読む。大場山は現在の宇部変電所敷地一帯の字名で、大羽山はその北側の字名である。