市道金山線【3】

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現地踏査日:2013/11/22
記事公開日:2013/12/30
(「市道崩金山線【2】」の続き)
リベンジ・マッチ@市道金山線。
…なんて感じの再トライアルである。

経路の下調べが肝要な市道藤曲門前線をトレースする過程で、本路線の起点を通る。それほど長い道のりでもないので、ちょっと道草しようかとも思っていた。ところが
起点からは進攻不可能なほど藪化
していたことを知った。

これは記事を書き始める時点での本路線起点の映像である。
場所は市道藤曲門前線の右折点、中山浄水場の斜路の途中だ。


何処に市道の入口があるのやらさっぱり分からない。
まさかこの中へ突っ込んで行くほどの攻略意欲は持ち合わせていなかった。


その後、本路線の行き着く先である市道崩金山線も同様に起点からの進攻が不可能になっていることを知った。
双方の路線とも既にトレースは一応完了している。しかしできることなら最新の写真が欲しかった。4年前に撮影した写真を元に今の視点で記事を書いても臨場感に欠けるからだ。そこでまず市道崩金山線を終点からトレースし、見落としていたものを拾いつつ本路線も合わせて終点から寄り道してみよう…という計画を立てた。

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時系列では「市道崩金山線【7】」の続きとなる。

本路線が市道崩金山線へ到達する場所は、竹藪を抜けた先にある民家の前である。
写真には入っていないが左側に民家、そのすぐ横に市道崩金山線の山道があり、本路線を終点から辿るなら自転車を向けているあの黒い穴の方になる。


4年も経っているから詳細は覚えていないが、道中がどんなだったか位はまだ記憶にある。ずっと素堀りの水路に沿って進む山道だった。延長は精々300m程度だし既に初回トレースで自転車を連れて通っているから、今回は徒歩で偵察する。道中すべてが延々笹藪になっているとも思えないから、徒歩ならまあどうにかなるだろう…

自転車を置いてちょっと先を歩いてみることにした。
踏み跡は明瞭だし起点側みたいに藪で塞がれている様子はない。おとなしめの山道だ。


大丈夫そうなことを確認したので、自転車は「市道のど真ん中」へ駐車したまま歩き始めた。


藪の中へ分け入って撮影したらいきなりフラッシュが自然動作した。


見た目は凄そうだが初回トレース時よりもむしろ普請されている印象を受けた。初回は確かこの場所全体が笹藪で、歩いて先を伺うにも肉弾戦状態だった。
軽く背丈を超える程の笹も通路の形に沿って刈り取られていた。先ほど見送ってきたあの一軒家の方が普請なさっているのかも知れない。



恐らく本路線で唯一の分岐路と思う。
水路に石が架けられ、その上を渡って山の方へ登る道があった。


初回トレース時は逆から歩いたものの、この分岐路の存在には気付いていた。しかし今回訪れて状況が異なると思ったのは、本路線よりも山に向かう道の方がよく普請されていることだ。
この山道は恐らく桃山配水池の方へ進んでいる。本路線を素直に辿って市道藤曲門前線へ出て中山浄水場の斜路を歩くよりは若干近道だ。この方面への通行需要はいくらかあるため自主的に草刈りされているのだろうか。

本路線の経路は水路に沿う直進である。その方は草まみれになっていた。
光が遮られるせいかピントが甘めになっている。


先行きがちょっと不安になったものの踏み跡はしっかり遺っていたし道が山の影に入ると雑草も目立たなくなった。

本路線の中間地点あたりになろうかと思う。
山側にいくらか平坦なスペースがある。


この場所は初回トレースのときにも撮影している。水路のすぐ傍まで大きな岩が転がり落ちていた。そして実は初回記事を起こすとき、我ながらその写真の撮影意図を理解できなかった。
道中はずっと山の斜面に沿って荒れた道と水路が続いているだけで、こんな岩場みたいな場所があったか全く思い出せないでいた。

再度ここを訪れて概ねその意味が理解できた。
この場所で山側が大きく抉られており、道中の他の場所には見られない壮大な岩場になっていたのである。


道と水路はここで緩やかにカーブしているのに対し、斜面はずっと退いていて山肌は露岩だった。初回トレース時は水路沿いに繁茂していた樹木や藪で見落としていたのだろう。

多分、再度訪れることはないと思うので寄り道して藪を漕ぎ近くで撮影してきた。別途派生記事に書いておこう。
派生記事: 金山線沿いにある石場?
踏み跡は水路に沿って確かに続いていた。
ちょっと日の射す場所は雑草が伸びるせいか踏み跡が淡くなった。


思えばこの辺りが一番道幅が広い。
広いとは言っても地図で記載されているような普通の道ではない。少なくとも四輪は通れないし、古道としても大八車を牽いて通るのは困難だろう。


この場所は印象的なカーブだった。
道が沢の先端部分を巻いて横切っている。山側にはずっと素堀りの水路が付属していた。


最近、この水路は馬の背堤から栄ヶ迫溜め池まで灌漑用水を導くものだったのではないかと考え始めている。市道門前馬の背線に沿って伸びる水路を追跡したことがあるし、藤山八十八箇所の御堂を撮影しているとき地元の方から馬の背池の改修工事について話を伺っていた[1]からだ。
そうであればかなり最近まで現役で使われていたことになる。この酷い山道が認定市道であることも水路の管理用だったのではとも思い始めた。

僅か300mあまりの市道だからそろそろ起点が近い筈だ。
あの激藪区間が近い。


予想通り道は荒れ始めた。
適度に日照があるためにシダや笹などの繁茂を許している。


これが最近訪れたあの藪の裏側なら、先には中山浄水場の押し上げ管が埋設された斜路が見える筈である。しかしまだまったく先が見通せなかった。


踏み跡が不明瞭になってきた。
付随しているはずの水路の姿は既に藪に埋もれて見えない。


まだ踏み跡は足元に見える。しかし…
そろそろ本気で両腕をフル稼働させなければならなくなった。


どれほど続いているかは分からなかったが、先の方が明るいようにも思えるので起点は近いだろう…
何よりもまだカメラを構えて撮影していられる余裕があった^^;

(「市道金山線【4】」へ続く)
出典および編集追記:

1. 藤山八十八箇所の第81番祠を撮影しているとき隣接する民家の方から聞き取りした内容による。馬の背堤の改修は平成期に入ってからのもので、既に灌漑用水需要はかなり低下していたのに巨額を投じての堤改修工事に疑問を呈していらしたようだ。

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