市道助田平原線【2】

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(「市道助田平原線【1】」の続き)

この先がまた起点をスタートした直後に出会ったあの奇妙な線形に似ている。
カーブではない…折れ線である。そして道路沿いの家屋もこの場所で軒先が不連続状態になっている。


本路線は宇部線の居能駅すぐ横を通る。
道路に面していて駅には駐車場というか車の待機所がない。そのためしばしば駅前には送迎の車やタクシーが停まっている。


居能駅で乗り降りしたことは一度もなく、個人的関わりはまったくない。列車に乗ったまま車窓から眺めるだけの駅だった。派生記事向けに簡単な写真を撮るつもりで駅舎に入ったら、思いがけず興味深いものがいろいろ採取できたので独立記事を作成した。
派生記事: 居能駅
駅前の直線路を進むと主要な十字路を前に右側へ分岐する細い道に出会う。


路地の角に藤山八十八箇所の御堂がある。この祠は割と早い時期に見つけることができた。
派生記事: 藤山八十八箇所・第49番
本路線でもっとも交通量の多い十字路に差し掛かる。押しボタン式信号機が設置されていて渡る人も結構多い。
右からの道は市道藤曲居能線でここが終点、左側は市道居能駅厚東川線の起点となっている。


右折すれば国道190号へ、左折は厚東川左岸に沿って湾岸道路の藤曲ランプに通じるので交通量が多い。特に厚東川新橋が渡れるようになってから増えた。個人的にも妻崎方面に向かうとき自転車でかならず通るルートである。
今後の記事制作待ちだが、厚東川方面はここで乗り換えだ。記事のリンク用テキストのみ配置しておく。
派生記事: 市道居能駅厚東川線
居能駅厚東川線とのコーナーに居能郵便局がある。この局は恐らく平成期に入ってからの開局である。入口が本路線に面しているので、本路線に付随する派生記事としている。ただし利用したことはない。
派生記事: 居能郵便局
郵便局を過ぎると、同じ対面交通ながら全体的に幅が広く感じられる。線形は元から直線だったが両側に幅広の歩道を設置している。
いつ頃だったか分からないが割と最近の整備だったように思う。


この近辺、本路線の右側に一軒の旅館がありその前に著名な石碑が据えられている。書籍によって存在は分かっていたが、旧藤山村の何処にあるか知らなかった。2度目の走行でまったく偶然に見つけることができた。
派生記事: 金山温泉の石碑
温泉名の金山は中山浄水場のある吉ヶ迫に隣接する地名である。

この辺りからは本路線も素直な直線路となりかなり先の方まで見透せる。
右側僅かばかり見えている路地は市道居能2号線である。成り立ちは不明だが本路線よりも歴史は恐らく古い。


前方に国道190号との立体交差が見えている頃、左側から深い水路が本路線に接するようになる。
名称が確認できるものが存在しないが恐らく玉川だ。現在はコンクリート水路になっていて干拓時代から鵜ノ島開作の余剰水を排出する経路だった筈だ。


国道との立体交差部分は道路だけでなく各種ケーブルも鞘管に格納され通されている。
立体交差をくぐって右から歩行者や自転車は国道へ出ることはできるが、車での相互往来はできない。


殆どのドライバーは上を通ることの方が多いだろう。
橋構造をしている以上、相応な名前がある。架橋年月も昭和40年3月というところまで分かっているから、思いの外古い立体交差なのだ。車社会へ移行しつつある昭和中期、市街部を通過する車が多くなり交通需要に応えて現在の流川付近までの道路を整備する過程で盛土され立体交差となった。[1]
これほどの高低差があるので前述の通り車の行き来はできないが、数年前に自歩道が全通したとき本路線からもスロープが追加設置され歩行者や自転車なら行き来できるようになった。藤山交差点まで近いので自転車ならスロープを登ってでも国道を通った方が早いし楽である。詳細は以下の記事を参照。
謎のマーキングの話題を含んでいます
派生記事: 厚東川バイパスへの昇降路
国道との立体交差を振り返って撮影したところ。
このすぐ右側に藤山八十八箇所の一つが隠れていた。
自歩道向けの橋も最近追加設置されている


この場所の祠も分かりづらい場所にある。丹念に探し歩くのはちょっとしたパズル感覚である。
派生記事: 藤山八十八箇所・第47番
立体交差後も本路線はなお直線的に伸びる。
個人的関わりは殆どないのだが左側に藤山のふれあいセンターがある。


藤山八十八箇所に関する資料がないか確認しに最近立ち寄った。
派生記事: 藤山ふれあいセンター
さて、本路線において初めて経常的な信号機による交通整理の行われている十字路に出会う。
見かけはT字路で、順当に行けばここが終点だと感じるだろう。


横切るのは市道藤曲厚東川線で、国道190号の旧道区間である。市街部からだと藤山交差点で直進し、藤山小学校前などを通過するとここに到達する。
市道同士でありながら重要な交通拠点であり、平原交差点という名前がついている。本路線に関して問題はあまりないのだが、交差する藤曲厚東川線に関しては交差点から宇部線の平原踏切までの距離が短く、踏切が塞がると交差点付近のドン詰まりを誘発しやすい。
夕刻の列車通過時は特に酷い


平原交差点の信号のサイクルタイムはどちら側も短い。そのためあまり待つことなく通れる代わりに青でスンナリ通過できることも少ない。

交差点を渡り終えて振り返って撮影。
道路規格的に言えば、本路線も平原交差点が終点となるのが相応しい。交差点を通過する車も殆どがT字路のような流れとなっている。しかし実際には…


本路線は平原交差点が終点ではなくまだ先まで続いている。
しかも交差点から先は車一台がやっと通れる程度の狭さになる。


この区間は確かに狭い。軽四でも離合不可能なので、どちらから進行するにしても対向車がないことを確認した上でサッと通過することになる。


特に狭い区間から平原交差点側を撮影している。
歴とした市道なので、こちら側から平原交差点に出る向きにもちゃんと信号機が設置されている。


したがって終点側から交差点へ出る車が信号待ちで待機していると、こちら側へ入ろうとする車は角にある店舗の駐車帯を侵食するように通過することになる。それも信号待ち待機車が1台の場合で、2台以上になると出てくる車をやり過ごさなければ進入できなくなる。
信号のサイクルタイムが短いのはこの辺りの事情もあるのかも知れない

狭隘区間を過ぎると、今度こそは物理的なT字路部分に突き当たる。
左側に見えているのは市営住宅の第4平和荘だ。
同じ敷地の奥に同種の建物として第5平和荘がある


ここが終点。
前方は市道平原厚東川線で、岩鼻駅前を通る昔からの道である。


終点より振り返って撮影。
さすがに撮影中も車は一台も往来しなかった。


それでも実を言うと、車の場合は個人的にはこの狭い区間が一番通行頻度が高い。この近くに業務で立ち寄る場所があり、平原厚東川線だとこれより更に狭い区間が長く続くからである。

経路図をルートラボで示す。
全線通じて殆ど北上しているので縦長の地図となっている。


用途的に多くはないかも知れないが、市役所付近から岩鼻駅周辺へ車で移動するとき本路線は一つの選択肢となり得る。この場合のもっとも順当な経路は国道190号の藤山交差点で直進し市道藤曲厚東川線を経由するものである。バスもこのルートを通るのだが、藤山交差点の信号待ちがかなり長い。他方、本路線を経由すれば国道190号からの分岐点に信号はなく、道中も押しボタン式信号機が一箇所あるだけで殆どノンストップで平原交差点に到達できる。タクシーの運転手など道路事情を熟知しているドライバーなら多分この経路を選ぶだろう。
ただし本編の起点の派生記事でも述べたように、国道分岐点に信号機がないのは終点側から走ったときには大きなデメリットとなる。朝夕の混み合う時間帯は国道に出るのが大変だ。

硬い話が続いたので、最後に思いっきり脱力してしまう話で締めよう。

2つの地区を結ぶ路線や橋などの命名に、それぞれの地名から一文字ずつ取って組み合わせる方法がある。下関市の彦島に架かる橋は門と島を結ぶ橋なので「関彦橋」と命名されている。

仮に…の話だが…市道助田平原線。
もし本路線をもっと短く呼ぶために同様の「○○線」という命名を考えたら、なかなか面白いことになるのでは…と余計な雑念が浮かんでしまうのであった。
そんな略称は存在しません^^;
【路線データ】

名称市道助田平原線
路線番号57
起点国道190号・中通踏切付近
終点市道平原厚東川線・第4平和荘前
延長約1.8km
通行制限特になし。
備考終点付近に狭隘区間あり。

延長など各データの正確性は保証できません。参考資料とお考えください
出典および編集追記:

1.「なつかしい藤山」p.59
かつて地元では厚東川バイパスと呼ばれていた。旧道部分は市道へ格下げされたこともあって現在では殆どその呼称は用いられない。

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