ショートフィルムコンテスト

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記事作成日:2023/5/13
最終編集日:2024/1/4
ここでは、山口ケーブルビジョン「にんげんのGO!」における10周年企画28分の1テレビの一企画として放映されたショートフィルムコンテストについて記述する。
写真はどさけん氏によるショートフィルムが上映されているときのスタジオ収録中での撮影。[1]


放送は2023年5月5日の22時40分スタートからの枠のみだった。しかし後述するようにその内容の特異さと、後日ショートフィルムが YouTube で公開され誰でも視聴できる環境が整えられたことによりインパクトの大きな企画となった。
《 概要 》
どさけん氏と松田ディレクターが監督となり、同じ素材を元に事前収録されていた短編映画(ショートフィルム)を上映し評価を競うというものである。ここに言う素材とは宇部マニアックスという人物そのもので、あるアクションを取るところを両監督が独自に撮影していた。

このため企画の正式名は宇部マニ杯 ショートフィルムコンテストとなっている。もっとも私が勝者に贈呈するカップなどを準備しておいたわけではない。


両監督の作品の諸元は次の通りである。実際の放送もこの順番で行われた。
監督名タイトル上映時間
どさけん食べる。3分50秒
松田ウベミアンラプソディー3分55秒
どさけん監督による収録はある場所で4月21日に行われ、松田監督による収録は4月17日にロケ、19日にスタジオで追加の収録を行っていた。それぞれのショートフィルムの詳細は項目のリンクを参照。
【 実際の放送時の構成 】
以下では、実際に放送された時系列を追ってスタジオ収録時の写真や自分を含めた振る舞いを交えて記述している。

28分の1テレビを収録するメインのスタジオで、向かって左からMCの沖永さん、ショートフィルム制作監督のどさけん氏、松田ディレクターの3名が着座する。宇部マニアックスは壁に背中をくっつけて座っている。3名が「にんげんのGO!28分の1テレビ!」の掛け声と共に拳を突き上げるアクションに始まり、28分の1テレビの概要と今回のショートフィルムコンテストという企画についてフリートークする。

しかしその間も宇部マニアックスは身じろぎもせず、一言も発することなく「置物のように」座っている。これは指示されていた演出ではなくまったくのその場の流れだった。(理由は後述する)

番組では1分半のCMを挟んで、まず最初にどさけん氏監督のショートフィルム「食べる。」が上映される。この間はショートフィルムのみが流れてスタジオ内は3名の会話などの音声のみが被さる形で放映された。
写真は放映時のテレビ画面接写画像。


ショートフィルムの内容は、宇部マニアックスが市外のある場所で黙々とお弁当を食べ続けるというものである。上映後どさけん氏によってこのショートフィルムを作成した意図が語られる。この後で初めて宇部マニアックスは少し会釈して表情を顔に出している。

再び1分のCMを挟んだ後、松田ディレクターによる作品「ウベミアンラプソディー」が上映される。
写真は放映時のテレビ画面接写画像。


内容は一世を風靡した QUEEN のボーカリストだったフレディー・マーキュリーに宇部マニアックスが成りきって歌うというものである。日頃の女の子を思わせる出で立ちとは対極的な男臭い変身に加えて、全くテキトーな振り付けで「ドント・ストップ・ミー・ナウ」を歌いまくるインパクトはスタジオメンバーを湧かせた。

ショートフィルムが終了してカメラがスタジオに切り替わったとき、壁に座っていた宇部マニアックスの姿が消えている。スタジオではしばしショートフィルムについて感想を語り合い、興奮冷めやらぬ中で沖永さんがスタジオに本人をお呼びしましょう!と言って BGM が流れ始める。QUEEN の作品としても知名度が高い「ウィー・ウィル・ロック・ユー」の拍子に合わせて宇部マニアックスがウベミアンラプソディーの収録時と同じ格好をして歌いながらスタジオに入場する。
写真は放映時のテレビ画面接写画像。


28分の1テレビでは、すべての回の最後にキーワードが発表された。これを繋げてできたフレーズを書いて応募すれば、抽選でプレゼントが当たる企画が盛り込まれていた。最後に宇部マニアックスが今回のキーワードの書かれたボードを提示している。
《 サプライズに近い企画とスタジオ収録 》
ショートフィルムコンテストは28分の1テレビの一企画として放映されたが、他の企画とは異なり恐らく当初から予定されていたものではない。5月5日の22:30から放送される第4枠は、当初は宇部マニアックスに関する別の企画(分かっているが今ここでは書けない)が充てられていた。

28分の1テレビの枠撮りを含むスタジオ収録は4月30日に行われ、時間割りが事前に出演者へ送られていた。ところが当日編成部入口付近のテーブルに印刷され置かれていた時間割り一覧では、第4枠がショートフィルムコンテストに置き換わっていた。そしてスタジオ収録するときの全体の流れも作成されていた。

私が本社に到着してすぐにショートフィルムコンテストの最後の部分である「ウィー・ウィル・ロック・ユー」を歌いながらスタジオに入場するリハーサルを行った。2度ほど実施したが、前奏を聴きながら最初の歌い始めるタイミングが合わず巧くいかなかった。実際のスタジオ収録では再録が困難なのでかなり不安だった。その後、実際にはウベミアンラプソディーを収録したときと同じフレディー・マーキュリーの格好をして行うことが分かった。この演出は関係者のみ知らされていて、他の出演者にはいっさい漏らさないよう最初のリハの段階で指示されていた。

当初はMCの沖永さんがショートフィルムを上映する前に「番組の誇る名監督2名に共通の被写体をテーマとした作品を作ってもらいました。それでは画になる男、どうぞお入り下さい!」と語り、このタイミングで宇部マニアックスがスタジオに入る予定だった。この部分が削除されウベミアンラプソディー上映の後で入場するスタイルに変更された。

このため私は別にスタジオに居なくても良かったのだが、壁際に置かれた丸椅子に最初から座っておくように松田ディレクターから指示があった。
写真は丸椅子に座って撮影。MCの沖永さんを始め3人は休憩して席を外している。


実際の放映で宇部マニアックスが一言もしゃべらず身じろぎもせず「置物のように」座っていたのは、そこまで求められていたからではない。ショートフィルムコンテストでは宇部マニアックスを題材としてお二方が撮影し、その制作意図を語っている。ショートフィルムの上映前に私が何かしゃべって視聴者や出演者に主観的情報を与えてしまうよりは、何も話さず動きもしない「素材のように」座っていた方が良いと判断したからである。スタジオ収録前に何を話すかなど特段の指示がなかったのは、前述のように殆ど当日になってショートフィルムコンテストとして構成することが決まったからだろう。
【 フレディー・マーキュリー扮して入場する部分 】
スタジオ収録では、実際の放映を考慮して番組タイトル、提供スポンサー表示、CMまでを秒単位で事前に固定した上で行われる。私は最初の「食べる。」が上映され終わってフリートークが行われている間はスタジオに居たが、CMを挟んで再びスタジオに切り替わったときは姿を消している。この短い時間の間に大急ぎで着替えたのである。

実際にはフリートークからCMに切り替わった瞬間、スタジオ収録でカメラを回している松田ディレクターから「はいOKです」の声が出た。それを聞いて私はすぐにスタジオから走り出て、編成室を挟んで反対側にあるまちかどNEWSのスタジオに駆け込んで着替えを始めた。そこには津田さんが待機していた。CMとウベミアンラプソディーが上映されている時間は合わせて4分半近くで、この間にフレディー・マーキュリーの出で立ちに着替え終えて歌いながらスタジオに入れるようにスタンバイしておく必要があった。サスペンダーを取り付けるのは一人では出来ないので津田さんに手伝ってもらった。

着替えた直後の自撮り。
ポケットに入れていたカメラで自撮りするだけの充分な時間的余裕があった。


一連の挙動は秘密裏に進められていたので、着替えた後も姿を見られないようにまちかどNEWSのスタジオの扉を少しだけ開けて収録スタジオの動向を窺っていた。ウベミアンラプソディーの感想を3名が評議した後、沖永さんが「それではウベディー・マーキュリーさんをスタジオにお呼びしましょう!どうぞっ!」と言い始めるタイミングに合わせて津田さんからのゴーサインを受けてスタジオ入口まで走り出た。

ウィー・ウィル・ロック・ユーは前奏で足を踏みならし手を叩く「ドンドンチャッ!」を8回繰り返した後で歌い始める。最初のリハでは曲の始めが聴き取れず歌いだすタイミングをはかり損ねていた。本番では最初の数フレーズが不明瞭になった程度で、2番まで余裕で歌いながら着座することができた。

この部分が収録されることで、字幕スーパーやカンペ無しに記憶のみで歌っていることの証明になった。ショートフィルム自体インパクトあった中で、そのまんまな姿で変装して歌いながら入場するシーンは出演者の殆どが予想しておらず、この収録自体が出演者にインパクトを与えた。
《 放送終了後の状況 》
ウベミアンラプソディーのインパクトは相当なものだったようで、既に視聴者お二方からレスポンスを頂いている。「晩飯噴きだしたわー」という喜ばしいコメントがあり、局長は日頃からお堅いことをやっているイメージとは対照的な側面を見せるありがちなインパクトを「ギャップ萌え」という言葉で表現した。スタジオ収録が終わったとき編成室で視聴していた滝案内人の藤田さんは「このような側面をお持ちとは思いもよらなかった」と語っている。

肯定的なレスポンスが多く喜ばしいが、フレディー・マーキュリーの大ファンな方でイメージが崩れるとか、あるいは宇部マニアックスの女の子路線っぽい出で立ちを見慣れていて対極的なオトコ臭い出で立ちにショックを受けたって方があればお詫び申し上げる。個人的には男臭い身なりをするのは苦手(可愛い格好をすることなら喜んで引き受ける)なものの、大勢が喜ぶ面白いことなら何でもやってしまえるだろう。

このショートフィルム企画が生まれる背景に、同じ素材(他ならぬ野ウサギなんですが)を元に映像化表現を行うという発想が異なるお二方からシンクロニシティとして生じている点が興味深い。
《 再放送 》
先述の通り28分の1テレビの当初計画として、すべての回は一日4回時間を変えて放映される一回きりだったので、この総括記事の編集追記時点でフルバージョンの再放送はされていない。

2023年12月の隧道どうでしょう再放送分では、25日から大晦日までの2023年最後の放映分について最後にウベミアンラプソディーの音声と映像をバックに2024年の予告編が放映された。部分的ながら一日4回一週間続けて放映されたので、このとき初めて知ったという視聴者は多い。
出典および編集追記:

1. 実際の放送では画面にショートフィルムが流れる間カメラが切り替わりスタジオでの映像は入らず会話のみが被さる形なので、一緒に視聴しながら自分のカメラで撮影することができた。

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