恩田運動公園

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記事作成日:2015/11/21
最終編集日:2020/11/16
情報この記事は恩田町4丁目にある運動公園について記述しています。
恩田町1丁目にある恩田児童公園については こちら を参照してください。

恩田運動公園は恩田町4丁目にある市公園緑地課管理の運動公園である。[1]
メインの入口部分をポイントした地図を示す。


上記地図のように恩田町4丁目のほぼ全体で恩田運動公園を構成している。運動公園の名に相応しく屋外競技の代表格である陸上競技、屋内向けの体育館、水泳プールなど運動関連の設備が集約されている。都市公園としての広さは10.8haに及び、俵田翁記念体育館を含む周辺の1.2ha相当は国有地で、市が借り受ける形となっている。
本記事では運動公園にあるすべての施設に共通する事項を述べる。個別項目で独立記事が作成されているものは、項目にリンクを設定している。
《 アクセス 》
運動公園は複数の施設から構成される。屋内設備のある俵田翁記念体育館と宇部市野球場は近接して駐車場が整備されている。
写真は国道190号に面した陸上競技場入口T字路。


陸上競技場入口T字路から公園入口に至るまでは市道野原線の一部という扱いになっている。
運動公園内には非常に幅の広いアスファルト舗装路が南北を貫いているが、特別なイベントが開催されるとき以外は駐車場の入口前にあるステンレス製車止めが置かれており一般車両の進行はできない。
自転車の通行は問題ないが原付の走行も禁止されている


それ故にアスファルト舗装路ながら一年中歩行者天国状態であり、園内のジョギングや犬の散歩などで歩く人たちの姿がよく見られる。上記設備以外の来園者は、国道190号から入った先の左側にある恩田運動公園駐車場を利用する。
通路および道路としての記事を地区道の項目に収録済みである。
派生記事: 恩田地区の生活道|恩田町4丁目
最寄りのバス停としては、公園西側を通る市道神原町草江線がバス路線となっていて、野球場の西側に恩田運動公園バス停が設置されている。


このすぐ先に市道恩田則貞線への分岐がある。恩田運動公園へ直接行くなら、前方の国道190号へ出ずにここから市道へ入った方が近道である。道幅は狭いが一方通行なので対向車が来る心配がない。
《 園内にある主要な施設 》
詳細は各項目のリンクを参照されたい。
陸上競技場
東側エリアにある。周囲よりも低く掘り下げられたフィールドで、東側に本部席の建物を持つ。恩田運動公園において最も早期に造られた設備である。
写真はフィールド外西側から撮影した本部席。


陸上競技場は皇紀二千六百年(昭和15年)の記念事業として造られた。現在の陸上競技場のフィールドおよび本部席は昭和39年の山口県国体開催時にあわせて改修されたものである。本部建屋は天井などの老朽化が進み、後述する恩田スポーツパーク構想では全面改修が予定されている。
俵田翁記念体育館
東側エリアの北にある市内で最大の体育館。
宇部興産(株)創立60周年を記念して昭和34年に落成している。


その規模からインドアスポーツの公式戦や市民戦のメイン会場となることが多く、収容能力の高さから卒業式や各種イベントにも利用される。2018年度より耐震補強および空調設備の改修工事が始まり、2020年春期まで利用ができなくなっていた。リニューアル後は古いダクトが撤去された代わりに夏場でも快適に利用できるように空調設備が追加された。旧来のロビーだった空間にはボルダリングの練習設備が備わった。
プール
西側エリアにある。競技仕様の50mプールと幼児および学童向けの25mプール、徒渉プールがあってかつて市営プールと呼ばれていた。


昭和33年に競技用の50mプールが造られ、翌年に25mプールおよび徒渉プールが完成している。競技用の高飛び込み台と専用プールは国体開催前の昭和37年に造られたが、平成期に野球場が拡張される折りに撤去され現在は駐車場となっている。循環系のポンプは当時のものが補修を重ねつつ使われており、既に交換部品がなく壊れたら修復不能な状態であった。

老朽化した恩田運動公園全体のリニューアルを模索する恩田スポーツパーク構想では、プール関連施設の再構築を行うか否かにかかわらず一旦すべて取り壊されることが決まっていた。当初、プールを再建しないことを前提とした素案が2019年3月に提出されたものの、廃止の情報を知った市民からプールを存続して欲しいという要望が多く、素案の策定が保留された。結局、市内に代替プールが確保できること、現代の需要に見合うプール設備を建設することが困難なことから廃止が確定した。最終編集日時点でまだ閉鎖されたままであるが、取り壊しのための予算案は市議会を通過している。
【 野球場 】
初代の野球場は昭和16年の竣工で陸上競技場に次いで古い。平成10年に公式戦向けに改修され宇部市野球場と呼ばれていたが、その後ネーミングライツによりユーピーアールスタジアムと公称されている。


陸上競技場とは異なり試合開催時および特殊イベント以外ではスタジアムおよびフィールド部への入場はできない。入場口にはシャッターが降りている。また、一階に体育協会事務所があり、陸上競技場や俵田翁体育館の使用願いはここで受け付けている。2階はトレーニングジムとなっている。
《 園内にあるその他の設備など 》
恩田運動公園駐車場
国道190号競技場入口T字路を入った先にある公園利用者向けの駐車場。


駐車場の一角にはトイレが備わり、小さな東屋と遊具も設置されている。平成初期に野球場が改修された折りに拡張された。元は公園利用者向けの駐車場なのだが、国道沿いでアクセスが良く充分に広いため昼食や休憩目的で乗り入れたり営業サボリの駐車が多い。駐車場を利用しての荷物取り下ろしなどは禁止されている。
恩田スポーツパーク構想では隣接する通路や補助競技場と共に一旦すべて併合され、真砂土を敷き均すか芝生を植えた程度の簡素な臨時駐車場兼ソフトボールのフィールドに造り替える素案が示されている。
【 補助競技場 】
国道側入口近くの東側エリア、中央道路と市道野原線に挟まれた位置にある。ソフトボールやサッカーなどに使われている。


個人的にはこの補助競技場を利用したのは前職時代、会社の親睦ソフトボール大会に参加したときだけである。
恩田スポーツパーク構想では、補助競技場は隣接する通路や駐車場と一旦併合され、新たに少年野球のできるフィールドを2つ造る素案が示されている。この素案では現在補助競技場に沿って植えられている相応に育ったメタセコイアを伐採か移植しなければならず、利用頻度も疑わしいフィールドを造ることと引き替えにコストを掛けてまで公園から緑を減らす素案に疑義が差し挟まれている。
メタセコイア並木
中央道路のプール横を過ぎてから俵田翁体育館前までは両側が背の高いメタセコイアの並木道となっている。相当な樹齢があり夏場の新緑や秋口の紅葉は素晴らしいものがある。


中央道路の舗装は昭和期であるが殆ど車の通行がないため路面の傷みは少なく、散歩やジョギングの定番コースともなっている。ただしプール営業時や陸上競技場で大会が開催されるときなどはプール前周辺の広場を駐車場代わりに使うため、国道側のポストを開放してプール場前まで車が往来することがある。その場合でもメタセコイヤ並木の手前にバリカーが設置されるため、この区間を車が往来することはない。プールと歩道部分の間にかつて恩田方面にあった田を潤していた灌漑用水路の枝線がある。
【 三角公園 】
メタセコイア並木の手前、中央道路の右側の小さな三角地帯に遊具類と彫刻が一作品設置されている。子どもたちには三角公園と呼ばれているようである。[3]園内にある設備としてはもっとも最近になって設置された。
写真は旧来の公園の様子…写真を差し替える予定


先述の灌漑用水路はこの付近で中央道路を斜めに横切り、暗渠で遊具エリアの下を通されている。この線形は元の地形が近傍で最高地点だったことに依る。
なお、2015年12月中旬にこのエリアにあった背の高い樹木(イチョウやカイヅカイブキなど)が伐採された。遊具のリニューアルを兼ねての改定とされている。[3]2016年3月までにすべての遊具設置が完了し、同月6日にオープニングイベントが開催された。同月下旬までに恩田小学校の学童により「恩田アドベンチャー広場」という愛称がつけられた。[3]
《 個人的関わり 》
恩田町へ引っ越してきたのは昭和40年半ばなので以下はそれ以降の記憶する限りの内容となる。

注意以下には長文に及ぶ個人的関わりが記述されています。レイアウト保持のため既定で非表示にしています。お読みいただくには「閲覧する」ボタンを押してください。

現在では公園の施設利用を目的とした訪問は皆無である。常盤公園を含めた市東部へ自転車で往来するときの中継地であった。恩田スポーツパーク構想によりこのエリアが大幅に変わることが明らかなので、近年は若干遠回りになっても恩田運動公園内を通行して追加の写真撮影を行ったり、何か変化が起きていないかのチェックを行っている。
《 最近の変化 》
・2017年6〜9月にかけてプール北側とメタセコイア並木の間を仕切る建築ブロックの補修工事が行われた。ブロックは傾きかけて危険な状態になっており、5月にはロープが張られ立入禁止になっていた。


補修後は建築ブロックの段数を減らしその上にネットフェンスを立てる形状に変更されている。

・老朽化の目立つ施設の多い恩田運動公園の全面的な改修計画となる「恩田スポーツパーク構想」が提示され、2018年11月より「恩田スポーツパークに必要な機能を考える」をテーマにしたワークショップが開催された。本件に関しての詳細は以下を参照。
総括記事: 恩田スポーツパークをデザインするワークショップ
本ワークショップは2回の日程を終えて終了しており、2019年2月に市から素案が提示される。この素案を元にパブリックコメントが求められ設計に反映される。

・上記ワークショップを受けて、主催者に未だ充分な撮影記録ができていないプール関連施設の視察を兼ねた取材を申し入れた。詳細な写真撮影は12月5日に実現している。この時点では老朽化した恩田プールの取り壊しは既定事項だったが、温水プールなどの形での再建に含みが持たされていた。後述するパブリックコメントの案内がなされるまでにプール設備そのものを完全廃止することが公表された。[4]
【 2019年 】
・1月下旬に恩田スポーツパーク構想に対するパブリックコメントの募集要項が掲載された。同年2月より3週間の期間をもって募集され、3月中旬に市の考えが提示された上で下旬には最終的な構想が策定されるスケジュールとなっている。[5]

・2月に恩田スポーツパーク構想についての概要がメディアに公開されたようである。この中で既存の恩田運動公園全体をどのように配置改造していくかが示された。[6]

・7月1日、今季初めてのプール営業日を迎えた。恩田スポーツパーク構想でプールが廃止される件について多数の反対意見が寄せられているようで、来年3月に予定されていた構想の策定を先送りし、プール利用期間の7〜8月に利用者アンケートを採るとしている。[7][8]

・7月下旬にインターネット市民モニターの令和元年度第3回アンケートで、恩田市民プールのリニューアル検討に関するアンケート採取が行われた。また、宇部市水泳連盟が市民プール存続を呼び掛ける目的で署名活動を開始している。
【 2020年 】
・年明けより全国的に蔓延していた covid19 の影響で緊急事態が宣言された4月以降よりすべての公共設備が利用できなくなった。これは恩田運動公園に限らず他の体育関連の施設から公園に至るまですべて例外なく行われた。緊急事態宣言の解除後は再流行や減少を繰り返したが、最終的に感染リスクを下げる形で最終編集日現在もほぼ通常通り運営されている。

・8月中旬より閉鎖された恩田プール前の広場にプラスチック製の簀の子と配管を設置して間欠的に水が噴き出る「あそべる噴水」が設置された。covid19 の影響でときわ公園内のじゃぶじゃぶ池が閉鎖され、子どもたちが水遊びできる場を代替する措置である。


複数箇所設置されたスプリンクラー状のノズルから少量の水が噴き上がる。上水道を使用し、地面へこぼれ落ちた水は回収され公園の灌水に再利用されている。水遊び可能な9月頃まで設置されていた。

・11月11日にうべ探検博覧会のプログラムである「スポーツうべたん」として「宇部マニさんぽ」がスポーツコミッションの主催で恩田運動公園で行われた。散歩を推奨するスポーツコミッションのテーマに沿い、恩田運動公園のメタセコイア並木の秀麗さや周辺の題材を紹介する宇部マニアックスによるコラボとして実現している。


参加者枠は20名であったが、実施日が平日の午前中であったことと晩夏の台風による塩害でメタセコイアの紅葉が芳しくなかったことより、参加者は6名にとどまった。
出典および編集追記:

1.「宇部市|恩田運動公園

2.「宇部ふるさと歴史散歩」p.88〜89

3.「FB|公益財団法人宇部市体育協会(2015/12/18)のタイムライン」による。
既にあった樹木の伐採については、遊んでいる子どもたちの姿が確認しづらいという保護者からの声があった模様。防犯面も配慮したとは言えそれだけの理由で何十年も前からあった樹木を移設の検討もなく伐採処分するのは乱暴な話である。

4.「宇部市の恩田プール、今夏で閉鎖へ|宇部日報(リンク切れ)

5.「『恩田スポーツパーク構想(素案)』に対する意見を募集

6.「屋根付きグラウンドなど新設 恩田スポーツパーク宇部市素案|山口新聞

7.「廃止か更新か議論の中、恩田プール一般開放始まる|宇部日報」
最後の夏、水遊び楽しむ 宇部の恩田運動公園水泳プール|山口新聞

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