市道常盤公園江頭線【1】

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現地踏査日:2013/6/3
      2013/6/11
記事公開日:2013/7/3
市道常盤公園江頭線は、国道190号常盤公園前分岐点から常盤公園の正面入口前を通過し、山口宇部道路を横断して国道190号の大沢分岐路に至る路線である。

名前だけだと何処の道か分からないかも知れないが、市道の起点となるこの場所の写真を見れば大方の市民はすぐ理解できるだろう。


地図で起点をポイントしている。


常盤公園の正面入口前を通ることもあり、宇部市民の多くが徒歩なり車なりで一度は通ったことがある道と言えるだろう。

常盤公園自体が物件の宝庫であり、その周辺もまた特筆すべき話題が多い。そのためこの市道レポートでは前半部分に派生記事が著しく集中していながら、後半部分は本編の写真さえも極めて少ないという偏った構成にならざるを得ない。特に第一章となる本編は派生記事の分量の方が圧倒的に多いので、一度全体を通してご覧になった後、個別に気になる分野の派生記事をお読みになった方が良いかも知れない。
派生記事の整備やリンク貼りには非常に手間がかかった…sweat

国道190号との接続部である常盤公園前分岐点(交差点とは言えない三差路なのでこのように表記している)についてちょっと特記事項があるので横話に書いておいた。殆どの読者にはどうでもいい話だが、車を運転する方なら小耳に挟んでおいたら役にたつかも…
派生記事: 常盤公園前分岐点
交差点を背にして撮影。両側に歩道が付属し「やすらぎゾーン」の標示板が出ている。
また、左側の歩道端に宇部市広域の地図版が設置されている。
溜め池の名称記載が参考になった


起点から眺めたとき、右側の歩道に進出している背の高い松の木に目が向いたかも知れない。
自転車は左側通行だが、ちょっと右側の歩道へ移ってみようか。

右側の歩道から国道に向いて撮影している。
歩道上に数本が生えており、揺らいで歩道を壊してしまわないためだろうか…根元に鋳鉄の輪っかで固定されていた。


常盤池が築造されたときは岸辺の補強を兼ねて松の木が植えられた。この付近の松も夫婦池築堤のとき同じ目的で植えられたのだろう。
市東部の一部の小学校ではお別れ遠足の行き先として常盤公園が定番だった。私たちは国道を横断してこの歩道を通った。そのときの記憶をたぐれば、松の木は市道へ垂れ掛かるトンネル状態で植わっていたのだが、現在は歯抜け部分が多く昔に比べれば明らかに減っている。

常盤公園の話が出たついでだが…起点左側の歩道と国道の交点に古い常盤公園の銘板が設置されている。その背後がちょっと面白いことになっている。詳細はこちらに。
派生記事: 常盤公園の標示板と塞がれた階段
松の木の間から右側には押し黙ったような表情の溜め池が見えている。


市外や県外から常盤公園に訪れる観光客は、バスなりマイカーなりでこの市道を通るだろう。その折りに国道からも目立つこの溜め池を見て常盤池だと誤解されることが非常に多い。
これは夫婦(めおと)池と呼ばれるまったく独立した溜め池である。常盤池の余剰水を貯めて灌漑用水として無駄なく利用する目的で大正期に造られた。
多くの文献が知られ、灌漑用水や観光にも利用されている常盤池とは異なり、夫婦池に関して知られることは少なく、なかなか謎の多い深遠な溜め池である。今までに何度か訪れて精密に踏査している。詳細はこちらに。
派生記事: 夫婦池
市道と夫婦池の間にはコンクリートの用水路がある。本土手から用水を取り出し則貞や恩田方面に灌漑用水を供給する一系統で、現在も使われている。


いずれ記事で案内する。
派生記事: 常盤水路(下小場)
更にこの水路に隣接して随所に鋳鉄蓋がみられる。
国道までの間はこの水路に沿って宇部興産(株)常盤工業用水が通じている。灌漑用水と同じく常盤池の樋門から取り出した用水を管渠の形で送っている。


この工業用水の経路についても詳細に調べられている。
派生記事: 宇部興産常盤工業用水
灌漑用水の外側はかなり傾斜のある夫婦池の岸辺になっている。夫婦池が水を湛えているので殆ど意識されないが、この近辺は深いV字谷の中腹で、市道は沢の中腹に沿って遡行するような経路になっている。
夫婦池は想像されている以上に深い谷池である

さて、なかなか市道走行の方がスタートしないようだが…^^;
自転車なので再び左側へ移動しよう。


常盤公園と言えばハクチョウは今でもなお大きなシンボルである。
歩道端にはハクチョウのオブジェが設置されている。


設置時期は覚えていないが歩道整備とほぼ同時期ではないかと思う。
平成時代に入ってからのことである。


最初の直線を過ぎた先で左側から下ってくる道が交わる。
市道則貞常盤公園線で、認定市道とは意識されないマイナーな道だ。
まだ全線を通して走ったことが一度もない


この先に動物園協会事務所がある。
遙か昔に仕事で一度くらい訪れたことがあると思うがもう全然記憶にない。一般の来園者には縁の薄い事務所だろう。


この枝道との接続点より常盤公園の敷地が始まる。
フェンスで見づらいが、このすぐ内側にかつて設置されていたジェットコースターの基礎跡遺構が見つかっている。
派生記事: 常盤公園・初代ジェットコースター基礎跡【4】
この基礎跡は夫婦池の方まで伸びていて、先の常盤水路などを辿っていると随所に同様の基礎跡を見つけることができる。

カラー舗装の表面がやや色褪せた感じがあるが、自歩道は幅が広く自転車でも問題なく走れる。
また起点を出てから市道は意外に登り坂となっている。車や徒歩では分かりづらいが、自転車だとしっかり漕がないと進めない程度に体感される。


起点より進行して左側が小高い丘だったが、この辺りからフェンスの内側が少し開けてくる。
現在、常盤公園の動物園区域が再整備中である。
この辺りはヤギやペリカンの飼育ゾーンだった


常盤公園の動物園ゾーンの変更についてはいずれ常盤公園の項目で述べるが、平成24年3月に基本計画が策定され、一部は平成26年に公開されることになっている。計画によれば、先ほど終点をみた市道則貞常盤公園線のところから正面入口裏手までが対象となっている[1]ようだ。したがってもう1年ちょっとしないうちに市道沿いの景観は間違いなく一変することになる。
市道沿いのジェットコースター基礎跡は完全に消失するはず

市道はここでゆるやかに右カーブし、直進するとそのまま常盤公園の駐車場に入るようになっている。


昭和期世代の市民なら多くの方がご存じと思われるが、昔は市道と駐車場の位置関係が完全に逆だった…と話せば思い出して頂けるだろうか。
詳細はこちらに。
派生記事: 常盤公園・正面駐車場
現在は市道は正面入口からやや離れ、夫婦池寄りのコースとなっている。
ここに市営バスの停留所がある。


そのままときわ公園バス停である。


このバス停を経由する系統は2路線あり、いずれも萩原方面に向かう。かつては宇部新川駅から常盤公園行きのバスがあったように思う。


市道はバス停を過ぎて大きく左へ曲がりT字路に向かう。
カーブの内側一杯まで駐車スペースとなっているので、バス停を過ぎた先で自歩道は右側へ移行する。


市道名から本線が向かうのは右折だと分かるだろう。


先ほどからチラチラ見えかけていた紅白の高い塔が正面近くに見えてくる。


石炭記念館で、昭和中期まで使われていた炭鉱向け巻き上げ機を分解しここで再組み立てすることで実現した。石炭記念館は園内にある設備なので、派生記事としてではなく常盤公園のカテゴリから記事が書き上がり次第案内しよう。


T字路の正面には行き先案内板が設置されている。
それなりに交通量が多いので停車して考えている暇はないが、左折は「ときわレストハウス」と「中央西駐車場」、右折は「ときわ湖水ホール」と「東駐車場」だ。
上記リンクをクリックすれば瞬時に目的地へワープ可能…これがネットの強みだ^^;


正面駐車場の派生記事でも述べているように、かつての市道は正面入口側に寄っていた。そのため市道の取り付け部はT字路ではなく変則的な形で、西駐車場方面へ車で移動するとき殆どUターンに近い鋭角な切り返しを要した。特に大型車両では大きく外に膨らんで転回しなければならず不評だった。駐車場との位置交換でこの問題も合わせて解消された。

さて、江頭方面へ向かうので市道の行き先はここで右折だ。
なかなか途中に寄り道物件が多かったが、この状況はもう暫く続く。実はこのT字路のすぐ右側端にも…
派生記事の整備がホントに一苦労だ…sweat

(「市道常盤公園江頭線【2】」へ続く)
出典および編集追記:

1.「ときわ公園MAP」パンフ裏面の”ときわ公園の動物園ゾーンが生まれ変わります!”による。

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