市道常盤公園江頭線

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記事作成日:2015/8/16
最終編集日:2018/7/14
市道常盤公園江頭線は、国道190号の常盤公園入口分岐路から夫婦池の西岸を進み、常盤公園の正面玄関前を通って江頭へ向かう路線である。
写真は国道190号から撮影した起点付近の様子。


起点から終点までの全線にわたる詳細な道路レポートは既に公開済みの以下の時系列記事を参照。(全3巻)
連載記事: 市道常盤公園江頭線【1】
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起点から市道丸山黒岩小串線との十字路まではセンターラインで区切られた対面交通で自歩道が両側に備わっているが、交差点から先は普通車同士の離合も困難な狭い道となり、そのまま終点江頭にて再び国道190号に合流する。
道路規格に呼応して道幅の狭い区間は交通量が少ないが、現在の国道190号が整備される以前の時代は梶返や恩田から床波方面へ向かう街道並みに重要な道であった。後述する馬守坂という名の遺る坂道は、行商人が頻繁に往来していた道であることを窺わせる。
《 概要 》
道路構造や車の通行状況から本路線を起点〜亀浦バス停と亀浦バス停〜終点に分けた。この区分にしたがって概説する。
【 起点〜亀浦バス停 】
常盤公園の正面玄関へ行く道として市民によく知られる。車では分かりづらいが、起点を過ぎて正面玄関前までは緩やかな登り坂となっている。進行方向右側に見える夫婦池の西岸をなぞるように進み、地勢的には塚穴川に刻まれた深い谷の西側斜面に沿いつつ高度を上げている。現在こそ対面交通に自歩道も整備された道であるが、古くからの道ではなく石炭記念館横へ至るまでの区間はおそらく常盤公園の正面玄関を整備した折りに新規に造られた道である。常盤公園動物園以前の常盤池への往還路は、市道恩田則貞線を経て現在の園内を通っていたようである。

常盤公園正面入口前はバス移動の根拠地でもあるため、道路幅が広くとられ自歩道は自然色アスファルト仕様となっている。


この場所は本路線において付け替えが行われた唯一の区間である。初期の本路線は正面入口前を通っていて、駐車場と道路の位置関係が逆になっていた。駐車場に車を停めた来訪者が交通量の増え始めた本路線を横断しなければならず危険であることが付け替えの理由である。

石炭記念館前で本路線は右折し、左折側は市道常盤公園開片倉線という別路線になる。しかし道路線形としては石炭記念館前をそのまま通り過ぎる区間が直線となっており往来もその流れが一番多い。


飛び上がり地蔵尊の前を過ぎるとクランク状の道路線形で常盤池の南岸をなぞる。この区間が常盤池に湛えられた水を支える本土手があり、本路線は本土手の上を拡張する形で道路を通している。この施工は昭和30年代とされる。この拡張で車が往来しやすいように本土手の上を1m以上嵩上げしている。
本土手が築堤されて人馬が通せるようになってからは、かつて堰堤上を真っ直ぐ渡り、西側で直角に屈曲して常盤池の余水吐から流れる荒手を横断していた。現在の道路は車が通りやすいよう西側の直角クランクを和らげてカーブさせている。それでもなお車では減速しなければ通りづらく、後年造られた自歩道はスペースを確保できないため堰堤からの張り出し桟橋形式で造られている。この辺りの情報は本土手の項目に詳しい。
総括記事: 常盤池・本土手
荒手を横断するとかなり急な上り坂になる。元々常盤池を挟んで西岸より東岸の方が高く、本土手に合わせて擦りつけたことによる。

この坂を登り切ったところでもう一つの昔からの主要な道であり現在の市道丸山黒岩小串線に出会う。交差点としての名前は与えられていないが、重要な公道の交わる重要な地点と認識されていたようで常盤ふれあいセンター横には茂みに隠れるように道標が設置されている。また、この道標付近にかつての周防国と長門国の国境ラインが通っている。
【 亀浦バス停〜終点 】
常盤ふれあいセンター前の十字路を過ぎると幅員が狭まりセンターラインを欠く1.2車線相当の道となる。この道は明治期に新しく造られたもので、それ以前からあった江頭方面への道は常盤ふれあいセンターより南寄りから後述する補助溜め池へ出る直線路である。最後の民家が切れた先に補助溜め池の堰堤上を通る区間があり、見通しが極めて悪い上に離合不可能な幅しかない。この区間の交通量は飛び上がり地蔵尊付近より格段に少ないのだが、それでもしばしばこの狭い区間で対向車に出会う。

この途中で山口宇部道路を横切る。
山口宇部有料道路だった時代から信号機付きの十字路で、すぐ手前左側には常盤小学校へ向かう道がある。


山口宇部道路で分断された格好になっているので分かりづらいが、最高地点から続いていた下り坂は十字路を過ぎた先で更に加速する。江頭側から本土手方面に向かうとき最初に迎える長い坂道で、人や荷物を載せて歩かせるには馬の負担が大き過ぎるため坂の手前で荷を下ろした由来から馬守坂という名前がつけられている。
山口宇部道路を横断した後もなお下り坂が続き、途中で市道大沢住宅線の分岐を過ぎる。常盤小学校への登下校路となる市道常盤小学線と合流してからは平坦路となり、そのまま国道190号の江頭にて合流し終点となる。多くの車が山口宇部道路で右左折していて、この区間を通る車はとても少ない。
《 Googleストリートビュー 》

《 個人的関わり 》
特記事項と同様2区間に分類して述べている。

注意以下には長文に及ぶ個人的関わりが記述されています。レイアウト保持のため既定で非表示にしています。お読みいただくには「閲覧する」ボタンを押してください。

起点から終点までの全線レポート。全3巻。
時系列記事: 市道常盤公園江頭線【1】
《 詳細レポート後の変化 》
・2015年3月21日に常盤公園の動物園ゾーンがリニューアルオープンした。暫定開園であり更新工事は二期工事が継続している。これに伴い本路線からの景観が大幅に変わっている。二代目ジェットコースターの索道は撤去され基礎も市道沿いの一部にしか遺っていない。工事で景観が変わるため一連の工事が終了するまで要経過観察案件として現地を訪れる都度、写真を撮っていた。

・上記とほぼ同時期と思われるが、本路線の自歩道に設置されているハクチョウの陶器モニュメントが純白に塗装し直されている。


以前はごま粒状の文様が入った陶器製だった。一部は経年変化で錆びが浮き出ているものもあった。これは市内のハクチョウ殺処分事件の後、慰霊碑建立を主張してきた市民グループによる要請で塗り直されたものである。常盤公園への玄関口に至るメインの道なのに錆びも浮き出た状態で放置されているのは如何なものかと再三再四訴えてきたのに長らく放置されていたという状況説明がなされていた。[2](2017/1/1)

・2015年の初夏に本路線の起点から常盤公園正面入口までの区間に対して「ときわ公園通り」という名称が与えられた。この名称は公式なものであり、国道190号常盤公園前分岐点に通りの名称を記した標示板が設置されている。
標示板の拡大写真はこちら


同じ時期に浜バイパスに対しても「山大病院通り」という名称がつけられた。

・2016年3月21日のときわ公園動物園のグランドオープンに向けて市道に面したエリアの整備も急ピッチで進められている。市道沿いへ部分的に遺っていた二代目ジェットコースターの基礎は遊園側にあったものはすべて完全に撤去され新しい石積みに変わった。夫婦池側にある基礎は変化はない。
グランドオープン後は現場ハウスも撤収され今後は当分の間は景観は変わらないものと予想される。

・2016年12月頃に馬守坂の江頭寄りカーブに「みまもり地蔵」が設置された。


この場所は私有地で、地蔵様も個人による設立である。見通しの良くないカーブで事故が多いために据えられたのかも知れない。

・2017年1月より常盤ふれあいセンター裏手の本路線に面したエリアの駐車場整備工事が始まった。元々花見のときなどに臨時駐車場として使われていたが、人員の配置を要するために他の駐車場と同様にゲート付きで発券されるタイプになった。
写真は供用開始前の撮影


花見で賑わい始める3月中旬までの工期に設定されていたが、3月入りした時点で駐車需要が思いの外高かったようである。そこで工事が竣工しないまま12日には18時まで時間制限なく200円で利用できる臨時駐車場として供用されている。その後正規のゲートが設置され、南駐車場として既存の他の駐車場と同条件で供用開始された。
以上の記述は常盤公園のカテゴリへ移動する予定

・本路線の起点の三差路付近で都市計画道路柳ヶ瀬丸河内線が現在の国道190号(都市計画道路則貞曹達線)から分岐する計画が策定されていた。[3]分岐地点は夫婦池の堰堤にまで及ぶ可能性があり、実現すれば本路線の起点付近は市街部へ向かう経路とバイパスの壮大な分岐点になることが予想されていた。[4]もっとも参宮通りの西梶返三差路からこの場所まで用地買収が進んでおらず、2017年後半になると路線上へ鉄骨造りの事務所が建ったり広範囲に宅地造成が行われた後に住宅が建ち並び始めた。この事実より公式アナウンスがあったかどうかを待たずに柳ヶ瀬丸河内線の都市計画道路は完全に潰えたと考えて良い。
出典および編集追記:

1.「FB|2015/8/15のタイムライン

2. 2016年10月30日にときわレストハウスにて開催された初代ときわ動物園園長就任イベントでの市民グループ発言による。この市民グループに関する記事が以下にある。
BirdNewsJapan|鳥インフルエンザ:殺処分のハクチョウ、慰霊記念碑の建立を 署名運動協力呼び掛け 宇部 /山口【毎日新聞2015年11月5日】

3.「うべ情報マップ|都市計画情報(則貞3丁目付近)」による。

4.「FB|2016/12/29の投稿

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