サイコロ歩き旅

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記事作成日:2023/10/3
最終編集日:2024/3/20
ここでは、新川地区で現在のところ2023年と2024年に開催されているサイコロ歩き旅について記述する。
写真は第一回目開催にて寿橋付近を訪れている参加者の様子。


宇部マニアックスは後述する橋カード題材の情報提供役として参画した。
《 概要 》
新川地区を流れる真締川に架かる橋を6箇所選定し、参加者はサイコロを振って出た目に応じてそれぞれの橋を訪れるウォーキングイベントである。対象となる橋はセンターから近い以下の6橋であった。
番号橋の名称
宇部大橋
やすらぎ橋
樋ノ口橋
寿橋
緑橋
新川大橋
出発点は新川ふれあいセンターで、ここでサイコロを振って該当する橋まで歩く。そこでチェックを受けて再度サイコロを振る。午前9時スタートで午前11時までの2時間でどれだけの橋を訪れることができたか、どれほどの歩数を歩いたかを競うものである。
《 開催までの流れ 》
サイコロ歩き旅のプランは、新川歴史研究会のメンバーで新川地区在住の高良氏から情報がもたらされた。地域密着型の参加イベントが盛んになる中で、子どもたちに郷土と自分の住んでいる地区に愛着をもってもらおうという意図で企画された。この時点で新川地区を貫流する真締川に架かる橋を歩いて訪れるアイデアと、カードブームに肖ってそれぞれの橋を橋カードとして制作する考えができていた。

このイベントにあわせて新川小学校でプレイベントを行いたいという意向が示され、新川地区でのイベントということもあって新川歴史研究会メンバーとして高良氏、宇部マニアックスとしての私、局長が参画することとなった。
【 新川小学校での打ち合わせ 】
イベント当日の流れと新川小でのプレイベントについての打ち合わせが5月22日に実施された。
写真は学校会議室に向かう高良氏と局長。


この会議でイベントの開催時期と内容が伝えられた。小中学生の参加が予想されるので、新川小の子どもたちが郷土に親しむ良い機会として体育館で告知イベントを実施したいとの意向があり、簡素な郷土授業を行うこととなった。

プレイベントとなる郷土授業までそれほど日数がなかったので、局長オフィスで当日子どもにトークするシナリオと映像制作を行った。
【 新川小学校のプレイベント 】
6月15日に新川小学校の体育館に子どもたちを集め、地域を再発見し歴史を知ろうという目的の郷土学習授業を行った。映像と音響は局長が構成し、実際のメイントークは宇部マニアックスが行った。


郷土授業とは言っても体育館に子どもたちを集めて映像を元にトークするオープンなものであり、途中にリラックスタイムと称して休憩タイムが設けられた。このときに流れた音楽に合わせて宇部マニアックスが即興で踊りを披露している。この突拍子もない行動を先陣切って実行したところは、恐らく後のウベミアンラプソディーで振り付け無しのパフォーマンスをそれほど抵抗感なく行える遠因となった。

授業終了後の質疑時間に間断なく子どもたちから質問が飛び、予定されていた時間をオーバーするほどだった。高良氏は自宅にある尋常小学校向けの読本や教科書、桃色レンガを持ち込んで子どもたちに現物を見せて最後にサイコロ歩き旅イベントの告知を行った。
【 橋カードについて 】
橋カードのデザイン決定と構成、実際の入稿作業は高良氏が引き受けている。
写真は選定された6つの橋に対応する橋カード。


宇部マニアックスからは橋カードに記載する諸元や橋の特徴について、既に制作済みのホームページの総括記事からテキスト引用することに許諾を与えただけである。

カード制作の先行事例としては、県が以前から進めていたダムカードや発電所カードといった公共カードがある。更に山口ケーブルビジョンでは絶景!滝見物落差1000で滝カードを、隧道どうでしょうでは隧道カードを制作していた。宇部マニアックスはそれらのカードを高良氏に提示することで橋カード制作の参考にして頂いた。サイズや角を丸くする仕様は、公共カードや山口ケーブルビジョンの制作するカードに準拠している。この仕様は、将来的に宇部マニアックスが物件カードを制作するときにも取り入れられる予定である。
第一回目実施
当初は7月上旬の開催が予定されていたが、災害レベルとなる長雨が続いたため延期され9月30日に初回が開催された。参加者は40余名で、小規模で告知も少なかったイベントとしてはよく集まった。詳細は項目に設定されたリンク先を参照。
《 第二回目実施 》
2024年3月30日の開催が予定されている。第一回のサイコロを振るルールに加えてオリジナルの彫刻クイズが用意されている。[1]当初は2023年11〜12月に予定されていたが、寒い時期でもあり気温が上昇しつつあり散歩に向いているこの時期に変更された。
《 今後の予定 》
新川ふれあいセンターの館長は、同種のイベントを年数回開催したい意向を示している。今回は橋の訪問と橋カード制作が中核だったが、新川地区内にある他の題材も含めて、参加者が実際に見つける発見的散歩も提案された。ただし年度代わりには館長をはじめとした異動があるため、今後どうなるか分からない。橋カードは数回分の実施を見込んだ数量で制作されており、来年度以降の実施にも対応可能である。

サイコロによる橋訪問に関しては、6箇所すべての橋を訪れることができた参加者にスペシャルカードを贈呈する案がでている。これは参加者募集期間中には発案されていたが、予算的に困難なため今のところ保留中である。スペシャルカードの仕様として、高級感のあるラメ入り印刷が検討されている。このアイデアは、山口ケーブルビジョン「にんげんのGO!」でかつて放映されていた絶景!滝見物落差1000で制作されていたスペシャル滝カードのオマージュである。
【 企画の提案 】
同種のイベントを年数回開催することが計画されている。新川地区の名物イベントの一つに育てるためにここに参考意見を書いておく。

初回開催ではどのようなイベントか分からず、後からこうした記事を元に概略を把握する人があるので、同一内容で時期を変えて開催しても一定の人数は集まるだろう。告知が届かなかったり、開催日時は知って興味を持っていても当日の都合がつかなかった人の再参戦が見込まれるからである。それでも参加者数が増大して名物イベントとならない限り、新しい内容を追加して盛り込む必要がある。開催するたびに参加者数が減っていくのは、運営側のモチベーション低下に繋がる。

サイコロを振ってランダムに橋を訪れるルールと、訪れた橋の数または歩数を競うという部分は変更しなくても良いと思う。ただしサイコロで同じ目が続けて出た場合などの対応は見直した方が良い。6回サイコロを振ったときちょうど1から6が一度ずつ出る確率は極めて低く、むしろ同じ目が何度も出ることが多い。チェックポイントでサイコロを振って同じ場所の目が出た場合は振り直しになると思われるが、1→6→1…のような出方になってしまうことは普通に起こり得る。このまま適用すれば歩数を稼ぎたい参加者には問題なくても、橋というスポットを訪れることに主眼を置く参加者は退屈してしまう。

真締川の橋というテーマを変えずに拡張するなら、今回の6箇所以外を訪れるプランがあり得る。ただし特徴的な橋に乏しく上流側はそれぞれが離れていて歩く距離が非常に伸びるので、精々カードのみの拡張で実地に歩くのは別企画で行った方が良い。開催エリアを拡大すると、それぞれの橋を担当するスタッフの配置や準備が大変になる。

発見的散歩という方向に拡張するなら、新川地区には特に多い登録有形文化財や史跡を解説付きで訪ねるか、昔からある路地をマップで確認しながら歩いて各自の発見を促す方法がある。前者は歴史題材好きには歓迎されるが解説員と下準備が要る。後者は各自の発見を期待する形になるので、よく分からないまま歩くだけで終了してしまうケースも出てくる。

興行的に成立する面白いイベントの条件は、参加者の自由度の高さと期待値に呼応した新たな発見、視覚的刺激を含むことにある。更に内容に限らず参加者を呼び込むためには、適時告知が非常に重要である。開催の概ね半月前頃から告知すると良い。1ヶ月以上先だと宇部祭りのような大掛かりなイベントでもない限り記憶が薄れてしまう。ありがちなケースとして、FBなどのSNSでイベント開催の告知がなく実施状況だけが後日タイムラインに上がってしまう事例である。開催日時が事前に分かっていたら参加していたのにという取りこぼしが起きてしまう。

近年、市の派生アカウントであるチイキのチカラなるFBアカウントと配下にある各地区のふれあいセンターがこの種のイベント告知を精力的に行っている。開催しますの事前告知と開催しましたの実施状況報告は相携えて行われなければならない。今後は各地のふれあいセンターが持つアカウントからの情報発信が期待される。

事前の参加申し込みは、参加賞を設けるとき予算の兼ね合いで参加者数を限定したい場合にのみ有効である。参加賞なしか低額で数多く準備できるものであれば、当日の飛び入り参加可能にするのが良い。人だかりが出来ていて何やらわさわさとやっていると、通り掛かった人の一部が関心を示し、更にそのうちの一部が参加したいと思うようになる。イベントに限らず一般の講座でもそうだが、興味を持って覗いてくれている人を人数制限などの理由で追い返すことは可能な限り避けたい。

同種の地区ウォークイベントは、小羽山地区ではものしり博士づくり計画の一環として既に実施され、同地区内にある社団のLFDXアテンダントも小羽山散歩五七五を実施している。こうした取り組みは無償ではなく地区の協議会や財団による補助事業として行われてきた。郷土再発見の流れからこの種の取り組みが他地区へ波及することは確実であり、それを見越して宇部マニアックスは早期に市内全体を対象とした題材採取を行ってきている。
出典および編集追記:

1.「FBページ|新川真締

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