宇部マニさんぽ【宇部市スポーツコミッション】

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記事作成日:2022/4/3
最終編集日:2024/3/24
情報この総括記事は記述内容が増えたので、各項目を独立記事に分割作業中です。記事の移転先は項目タイトルに設定されたリンクを参照してください。

ここでは、宇部市スポーツコミッション(以下USCと略記)による散歩イベントの定番プログラム宇部マニさんぽについて記述する。山口ケーブルビジョン「にんげんのGO!」で放映された宇部マニさんぽについては こちら を参照。
《 定番化までの背景 》
USC主催のプログラムは、ローカルツーリズム(地方再発見をコンセプトとした企画)の母体であるうべ探険博覧会(略称「うべ探」)において、身体を動かす運動を取り込んだものを企画担当している。うべ探そのものは十年近く前から存在し、個人や団体の企画を募集し運営していた。[1]しかし採算ベースに乗るプログラムを提供するのは困難なことから、現在ではほぼすべてのプログラムがUSCによるものである。プログラム告知用に配布されるパンフレットもスポーツうべたんと銘打たれている。

スポーツと言っても特定の競技に限定されるものではなく、身体を動かすことで足りる。目的地まで歩いて現地で何かをしたり途中の景観を楽しむというものが多く、歩いて足腰を鍛錬することを推奨する健康保健センターも参加者に健幸はつらつポイントを付与している。

宇部マニアックスとUSCとの最初の接点は、おそらく独自企画で黒岩天神を訪れる際の写真について相談されたときのことであった。このプログラムの立案背景については分からないが、FBのメッセージ経由で黒岩観音の写真がないか尋ねられた。その時までに現地を数回訪問していたので、写真を提供し現地の概略についても情報提供している。

USCから散歩企画についての依頼があったのは2020年の夏である。covid19 が当時の最悪期を過ぎて、家に籠もるよりも感染対策をして積極的に外へ出ることが勧められ始めた時期だった。ただ歩くだけでは参加モチベーションが高まらないので、参加者が地元の題材を再発見できるような企画が求められていた。宇部マニアックスは散歩プログラムを運営した実績がないが、市内各地にある題材は多数持っていた。物件を解説したり沿線になるものを眺めるのに散歩は好適だったことから、USCを通じての散歩イベントが立案された。

春は花が咲く時期であり、秋は紅葉である。そこで恩田運動公園メタセコイア並木が秋に色づくのを思い出し提案した。これが第一回目の散歩企画となる。
《 2020年秋 恩田運動公園 》
メタセコイア並木のあるプールと陸上競技場から野球場が近い。野球場の建物の中には会議室があり、参加者が荷物を置いたり簡素な説明を行うのに好適だった。
写真は参加者の集合場所として使われた会議室のホワイトボードに描かれた案内。


内容としては色づいたメタセコイアを愛でるだけだった。現在の視点からすれば極めて単純な企画だが、先述のように covid19 から半年が経過し、家に閉じこもりがちな高齢者に外へ出て歩くことを促す趣旨だったことに依る。まだ参加者が集まって会食する状況ではなく、単に歩くだけなため参加費も200円と低コストに抑えられていた。

この年は夏場の台風で潮風を浴びたせいでメタセコイアの紅葉は著しく悪く、これは市内何処の紅葉の名所も同様だった。紅葉が期待できないことが事前に分かっていたからか、参加者は定員割れした。ただ歩くだけでは物足りないので、適宜脚を停めつつ参加者向けに陸上競技場恩田プールの成り立ちと周辺地域の地名などを即興で説明した。大声を出さずに済むように、説明はUSCの所有する携行用スピーカーを使って行った。
【 参加者によるレビュー 】
スポーツうべたんを含めてすべてのうべ探企画では、終了前に参加者アンケートを採るようになっている。
接写画像はアンケート用紙。


このアンケートは主催者側が次回以降の運営の参考にするもので、現地案内する人(パートナー)には一般には提供されない。しかし企画する側も参加者の要望を次回以降にフィードバックしたいので、後日USCに出向いてアンケートのコピーを入手している。
画像はコピーの接写。


歩くだけの単純な企画であり、しかも目的のメタセコイア並木の紅葉は酷い状態だったにもかかわらず参加者の評価は良かった。同様の散歩企画があったら参加したいという声もあった。

この成果を受けて、このシリーズを定番化するために翌年の春向けに好適な散歩コースが構成できるか尋ねられた。春の開催は4月で菜の花やサクラが美しい時期である。そこでときわ公園の山炭生の鼻にあるサクラ並木と菜の花を愛でる散歩を提案した。この企画がそのまま翌年の春に実施されることとなる。
《 2021年春 ときわ公園山炭生の鼻 》
パンフレットの表紙。
なお、表紙の背景に使われている写真は宇部マニアックスによる提供である。


該当プログラム。


菜の花とサクラは個人的にあの場所以外最適地を思い付かなかった。ときわ湖水ホールから適度な距離があるので、受付を湖水ホール内で行って山炭生の鼻まで往復するコースを設定した。

屋外となる散歩企画は天候に左右される。当日の天気を週間予報などで見ながら判断する参加者が多いせいか、受付開始からの出足はあまり芳しくなかった。しかしFBなどSNSでイベント告知を行った後で締め切り間際に続々と参加申し込みが続いた。ほぼ同じ時期に白岩公園のNHKお便りさんぽに情報提供した方が駆け込み参加することで、最終的に定員満杯となった。
【 実施状況 】
開催日となった2021年4月1日はこれ以上ないという好天に恵まれた。この回も散歩のみで食事や資料配付はない代わりに、マイクとスピーカーを携行して主要な話題性のある場所で立ち止まって説明を行った。論瀬や兵右衛門屋敷といった入り江や地名では参加者向けに成り立ちを話した。

地名を説明するとき「兵右衛門屋敷(ひょうえもんやしき)」と話すだけでは参加者はどんな地名か分からないと思い、直前になって説明が想定される地名を用紙にマジックで記載し持参した。
写真はこのとき使った自作の掲示用紙。


山炭生の鼻は菜の花とサクラが同時に満開という好条件だった。


山炭生まで歩いてきたので、石炭採取の初期の事例である炭生跡まで案内し、周遊園路として削られた斜面に泥炭が採取できることを示した。今や石炭とは無縁な日常生活で燃える石が今も採取できることに子どもたちが興味を示し、いくつか拾って帰っていた。

このときの参加者アンケートの満足度もきわめて高かった。同種の企画がもっと各地で増えて欲しいという要望もあり、レビューのコピーをスポーツコミッションで受け取った時点で秋のプログラムを考え始めていた。
《 2021年秋 日ノ山登山 》
パンフレットの表紙。


該当プログラム。


次の企画として白岩公園を考えていたが、秋口は山道に草木が生い茂りクモの巣を被ることも考慮して来年の春行うことにした。第三弾となる日ノ山登山企画はUSC側の提案である。

日ノ山は数回登っており、山頂付近の焼火神社や瀬戸内海の眺めなど解説可能な部分はいくつもあった。しかし宇部村エリア主体で活動している身には東岐波地区は離れており知見がそれほど多くなかった。参加者が満足できる解説ができるかという不安があった。
【 実施状況 】
かなり負荷のかかる登山企画なので、参加者に高齢者層が多いことを勘案してこの回は本番前に初めて実際に歩いてみてタイムライン計測を行った。余裕があれば帰りは日の山自治会集会所のある海側へ降りることを考えていたが、途中で説明しながらゆっくり登山することを考慮して同じコースを戻ることとした。

参加者を考慮してUSC側で11月11日と18日の2度を設定していたが、11日は早くから週間予報で雨だった。当日は止んだものの前日にかなりの量が降っており、足元が悪く滑りやすいことから中止された。11日申し込みの参加者から数人が18日に回っただけで、結局18日は定員より若干少ない人数での開催となった。

天候は良かったが若干霞みがかかっており、遠景は標準的な眺めとなった。
写真は山頂での撮影。


山頂から少し下った焼火神社からの瀬戸内海の眺めは参加者を堪能させた。心配されていた随所での説明は、東岐波地区関連に限定せず宇部村エリアまで誘導することで充分に行えた。

例えば千畳敷から東岐波集落の遠景を眺めていて、参加者から山裾に見える円形の塔は何かと質問された。これは西岐波中継配水池であり、側面にカッタ君のイラストが描かれていることで知られる。利水に関しては以前から知見があったので、名称だけでなくその役割も説明することができた。登山や散歩題材とはおよそかけ離れているが、納得のいく回答を提示することで参加者の満足度を得ることができた。

下山後は茶宗天地にてお茶休憩という今回は初めての休憩ポイントつきの散歩となった。各自が寛ぎたいと思うので、お茶休憩ではあまりしゃべらずお茶を飲んだり外のテラスで海の眺めを満喫したりと参加者の意向に任せた。テーブルを囲んで話をしたい参加者には、尋ねられたことを逐次回答した。また、サンデーうべのコラムを数部携行していて興味のある参加者に贈呈した。

茶宗天地へ訪れたのは今回が初めてだったが、それ以前に店主と常盤公園のマルシェで面識はあった。なお、同じ内容のプログラムを2022年春にUSCの単独企画で開催されている。
【 参加者によるレビュー 】
この回のアンケートは県が推進しているナナシマチのイベント仕様であり、同時開催されている「ゆめ散歩プログラム」に関する設問も含まれていた。このため日の山散歩の参加者レビューは人数分ほどのコピーですべてを接写して載せるのは大変なので、参加者の感想の自由回答部分を抜粋して掲載する。
・最高でした。
・楽しく参加させていただきました。
・宇部に関するいろんなことを知れて良かったです。登山は久し振りでしたが、気持ちのいい汗をかくことができました。
・行ってみたい日の山そしてお店だったので参加しましたが宇部の歴史も勉強できて楽しい一日でした。
・50年振りに日の山に登られるので申し込みました。登られるか心配でしたが登られたので満足です。
なお、この回は山口ケーブルビジョン「にんげんのGO!」の宇部マニさんぽの初回放映時期と重なり、宇部マニさんが散歩ゴール地である宇部港でこの日の山登山イベントを案内している。この目的で編成スタッフがわざわざ提示用のボードを作成して下さっている。
接写画像は案内をした場面のテレビ映像。


この告知で知って参加された視聴者があった。第一回目にも視聴者が申し込んでいた可能性があり、その意味で返すがえすも残念な雨だった。
《 2022年春 白岩公園 》
パンフレットの表紙。


該当プログラム。


2021年秋バージョンを実施する頃から白岩公園がNHKお便りさんぽで取り上げられたことにより、人気再燃していた。これを受けて白岩公園を散歩コースに含めることが以前から検討されていた。

白岩公園は現在でも車で訪問するのが困難であり、集合場所や休憩場所の確保が難しかった。集合場所はUSCからの働きかけにより中山観音廣福寺の第2駐車場を使用することの承諾が得られた。休憩場所はNHKお便りさんぽでハガキを出して採用された白岩公園から一番近い民家でぜんざいの接待を頂く案を考えた。これには民家の方の協力が必要だった。

開催日を4月16日とし、この日の予定について個人的に打診したところ承諾が得られた。また、4月3日は白岩公園の創園記念日であり、毎年白岩公園を訪れる人にぜんざいの接待を行っているとのことだった。そこで16日のイベント向けに材料を多めに確保しておいて頂き、参加者が白岩公園を見学した帰りに立ち寄るプランで決定した。

3月に入ってうべ探の全プログラムが一斉公開され、申し込み受付を開始した。白岩公園行きのプログラムは早い段階で定員の20人が埋まった。その後参加申込者2名が都合によりキャンセルする事態が2度発生したが、いずれもキャンセル待ちをチェックしていた希望者によりすぐに埋まった。
【 概要 】
中山観音の第2駐車場を集合地として開催した。殆どの参加者が車で来場している。週の半ばまで雨降りだったが、前日には止んで当日は好天に恵まれた。廣福寺裏手にある八十八ヶ所を眺めながら急な坂を登るコースが選定された。これより白岩公園コースを縦走し、県道側から登る白岩公園の大元の入口から入った。

現地では参道を歩き、メイン広場にある大自然碑を意図的に避けて左へ曲がり、先に井戸と法篋印塔を案内している。これは最も著名な大自然碑を後半に観て記念撮影することを意図したコース設定である。実際には法篋印塔へ向かう石段を登る時点で開設記念塔に気付いて写真を撮る参加者の姿もあった。

法篋印塔から倒木峠へ下り、そこから上池・下池を観てメインの広場へ降りて大自然碑を解説した。ここで記念撮影し、USCの公式アカウントより投稿されている。[2](写真:USC提供)


参加者をナビゲートしている最中の宇部マニさん。
おんにゃの子♥からカメラを向けられるとニヤケ顔でポーズを取るのはお約束である。(写真:USC提供)


時間内に東エリアまでどうしても案内したかったので、大急ぎで八十八ヶ所の御堂と忠魂碑まで引率した。このため接待を頂く休憩地への到着が若干遅れたが、折しも covid19 がやや再拡大していたことと参加者が20名居ることで密集回避の観点から会食ではなくぜんざいを持ち帰り容器に入れて配布する形に変更された。代わりに特製の柑橘系ジュースも添えられた。このことで逆に少し時間的余裕が生じたので、すぐ近くにある八十八ヶ所と常盤用水路の No.2 隧道を案内している。

帰りはそのまま県道琴芝際波線まで下って中山観音に戻った。実際には中山観音から歩くとき県道沿いを歩いた方が高低差が少なく負担が軽いのだが、これを還路に設定したのは、接待を受ける休憩地が何処にあるか着いたときのお楽しみにする意図的な設定であった。
【 参加者によるレビュー 】
6月にUSCに立ち寄ったとき、白岩公園編の参加者レビューのコピーを受け取った。[3]


「今後どのようなプログラムに参加してみたいですか?」という質問に対する参加者の自由回答。
一部個人名のある部分を加工済み


参加者による気付き。
一部個人名のある部分を加工済み


トラブルなく円滑に進んだプログラムであれば、満足度が高く良いコメントを書くのが普通である。レビューとして受け取るには、運営上できていなかった部分を重視しなければいけない。「歩き通しだったので途中休憩できる場所が欲しかった」という意見は、現地で案内しながらも感じていた。先述のように、白岩公園の東西エリアにある主要なすべての遺構を見せたいために先を急いだからだった。次回の開催時には、短距離で効率的に観られるコース設定を考える必要がある。
2022年秋 來迎寺の紅葉
船木の学びの森くすのきから紅葉の名所である來迎寺までを往復し、帰りにカフェマチスジでパウンドケーキを頂くプログラムである。
写真は來迎寺での撮影。


11月19日に募集人員の20名上限で実施された。詳細は項目に設定されたリンク先を参照。
2023年春 さくら&菜の花ウォーキングII
ときわ公園の湖水ホールから出発して山炭生の鼻まで歩くもので、2021年春に開催されたものと同一のプログラムである。
写真は山炭生の鼻で地名を解説しているときの様子。(写真:USC提供)


実施済みのプログラムで参加希望者が出尽くしていたことと、気温が高めに推移していてサクラも菜の花も盛りを過ぎていたこともあって募集開始当時から申し込みが低調だった。詳細は項目に設定されたリンク先を参照。
2023年秋 周防と長門の国境をたどり街の魅力を再発見!!
常盤ふれあいセンターを出発して、周防と長門の国境に相当する道筋をできるだけ正確にたどって鍋島近辺の海岸まで歩くプログラムである。
写真は旧鍋島に近い岬に据えられている国境碑。


2023年春の反省より、秋版は紅葉を意識せず純粋に散歩と沿線の題材を再発見するプログラム構成とした。新規プログラムであるが、サンデーうべのコラムで連載モノとして取り上げたように題材をそのまま散歩コースにする構想は早くからあった。詳細は項目に設定されたリンク先を参照。
2024年春 栄川の痕跡と鍋倉山さんぽ
藤山ふれあいセンターを拠点に居能駅方面へ歩き、昔の宇部本川の排水路でもあった栄川周辺にある遺構を訪ねる。栄川を遡行して歩いて鍋倉山へ登り、河川埋め立てにまつわる石碑で栄川が消失した理由を解き明かす。鍋倉山から南東に開けた工場地帯を眺めながらお菓子休憩するプログラムである。

最終編集日の現時点でこのプログラムは現在参加者を募集中である。詳細は項目に設定されたリンク先を参照。
出典および編集追記:

1. 過去にはうべ探険博覧会事務局(うべネットワーク青空)より要請されて、宇部マニアックスの名称で自転車で沖ノ旦から持世寺に向けて走行し沿線の物件を紹介するプログラムを2015年に提供したことがある。
画像は過去に2度開催した宇部マニアックスによるプログラムの案内パンフレット。
うべ探険博覧会の総括記事を作成した折にはこの画像を移動する


しかし参加者向けの資料作成やコースの下見など準備に手間がかかるため、独自のプログラム提供はその一度だけであり、その後はうべ探独自プログラムのガイド役を数回務めた程度である。

2.「スポーツうべたん2022春イベント開催報告(宇部マニさんぽ-白岩公園ミステリー探索)|USC

3.「FBタイムライン|宇部マニさんぽ・白岩公園編の参加者レビュー

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